激闘必至!女子63㎏級は結婚してパワーアップした世界女王とオリンピアンが激突!?【柔道GS東京】

柔道

2022.12.1

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堀川恵 写真:松尾/アフロスポーツ

 勝てば「1階級1人だけ選ばれる」パリ五輪日本代表にも大きく前進する、東京五輪以来の国際大会・柔道グランドスラム東京2022<12月3日、4日>が東京体育館で行われる。

 女子63㎏級は世界女王になったばかりの堀川恵(パーク24)が軸となり、世界選手権決勝を争ったベウチェミン ピナード(カナダ)ら海外のトップ勢との争いになることが予想される。

 堀川は旧姓・津金。ちょうど10年前に開催されたグランドスラム東京の女子63㎏級で高校2年生で初優勝を遂げるなど将来を嘱望された存在だった。

筑波大に進学してからも第一線で活躍したが、突き抜けた強さを発揮できず本人が目標としていた世界選手権代表に選ばれることはなかった。

 しかし、2020年7月に柔道家と結婚し姓が「津金」から「堀川」になると覚醒。同年11月の講道館杯で初優勝したのを皮切りに、国際大会でも上位に食い込むようになる。そして2022年2月のグランドスラムテルアビブでは2012年以来2度目となるIJFワールドツアーで頂点を極めた。

 その勢いで世界選手権に初出場を果たすと、準決勝まで全てをオール一本、決勝も技ありを奪っての勝利と圧倒的な強さを見せつけて優勝した。

世界選手権から帰国しての第一声で堀川は「まだ実感が湧かないというより、今までやってきたことが今回しっかり出せてよかった」と安堵の表情を浮かべた。「高校生のときはイケイケの気持ちでやっていたけど、いまはまた違う気持ちで柔道をやっている」

 結婚して勝つようになったことを突っ込まれると、堀川は「わたしが自由にやらせてもらっている分、(夫には)我慢してもらったり、いろいろ助けてもらっている」と感謝を口にした。「今回の世界選手権でやっと優勝できたので、ここで立ち止まることなく、このままグランドスラム東京に向けて進んでいきたい」

 結婚して変わったのは堀川だけではない。今年11月に元柔道日本代表の髙市賢悟さんと結婚、今大会から新たな姓で臨む髙市(旧姓・田代)未来も心機一転羽ばたこうとしている。

田代といえば、リオデジャネイロ、東京と2大会連続でオリンピックの舞台に立った。しかし、いずれもメダルを逸してしまい、その去就が注目されていたが、今秋の講道館杯で優勝し再起を果たした。髙市は「講道館杯まではずっと暗闇の中にいるような感じでした」と打ち明ける。

「現時点でもまだあんまり(心の)整理はしきれていない。でも試合をやりながら自分の柔道だったり、自分の気持ちを確認できる試合でした」

 当初は今年4月の体重別で復帰する予定だったが、左膝前十字靱帯を負傷してしまい手術する必要があったので、出場を取りやめた。夫と母からは「もう頑張らなくてもいい」と引退を後押しされたが、逆にそのやさしさが高市の心にもう一度火を付けた。

「東京オリンピックが終わったあとも、(家族は)一緒に悲しんでくれたので救われました」

 前述した今年の講道館杯決勝を髙市と争った渡邉聖子(警視庁)や今年グランドスラムパリ&ウランバートルを制した鍋倉那美(了徳寺大職員)も虎視眈々と上位をうかがう。順当に堀川が頂きを極めるのか。それとも。激闘必至の女子63㎏級だ。


(スポーツライター 布施鋼治)