横浜F・マリノス FUJI FILMスーパーカップ初優勝!

サッカー

2023.2.13

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横浜FM 写真:長田洋平_アフロスポーツ

Jリーグ新シーズンへのプロローグとなるFUJI FILMスーパーカップが2月11日、東京の国立競技場で行われ、昨季Jリーグを制した横浜F・マリノスが天皇杯優勝のJ2ヴァンフォーレ甲府にMF西村拓真選手の決勝ゴールで2-1の勝利を収め、6度目の出場で初優勝。2月17日に始まるJ1開幕へ弾みをつけた。

5回のJリーグ制覇を含め、ルヴァンカップや天皇杯も優勝してきたマリノスが、これまで5回挑戦して獲得できずにいたスーパーカップ。キャプテンのMF喜田拓也選手が「本当にこのチームが変わっていきたいと思うなら、このタイトルは必要」というタイトルを、昨季から積み上げてきた多彩な攻撃と、けが人や直前の移籍で不安のあった守備での対応力で手に入れた。

先制はマリノス。前半30分、右サイドバックに入った新加入のDF上島拓巳選手を起点に、西村選手、MF水沼宏太選手とテンポよくつないで、ペナルティエリア右に入ったFWアンデルソン・ロペス選手へ渡す。そこでゴール前中央にDF永戸勝也選手が顔を出し、相手DFの注意が二人に向いたところで、ロペス選手から左サイドのスペースに詰めたFWエウベル選手へパスを送ると、エウベル選手が冷静にゴールに流し込んだ。

昨年の天皇杯で鹿島や広島などJ1の5チームを次々と破る快進撃で初優勝を遂げた甲府は、試合序盤は積極的に左サイドを中心に仕掛けたが、マリノスに先制を許した後は防戦に回る時間が増えた。

だが、前半終了直前にはチャンスをモノにする。DFエドゥアルド・マンシャ選手のスルーパスにMF鳥海芳樹選手が反応。最終ラインの裏のスペースへ出てFWピーター・ウタカ選手へ折り返すと、新加入の38歳FWがゴールネットを揺らした。一度はオフサイドと判定されたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)での確認でゴールと認められ、甲府が1-1に追いついて前半を折り返した。

しかし、後半に入るとマリノスがボールを保持して優勢に試合を進め、ロペス選手ら前線の動きにも滑らかさが加わった。

そして61分、マリノスはDF角田涼太朗選手が中央でボールを運んでスルーパスを送ると、ロペス選手が受けてシュート。これはポストに阻まれたが、リバウンドに鋭く反応した西村選手が左足のダイレクトでゴールに叩き込み、2-1と勝ち越した。

決勝ゴールの起点となった角田選手は、「ずっと同じようなテンポで試合が続いて、どこかで何かを変えないと試合を動かせないと感じていた。チーム全体でも感じていたと思う」と明かしたが、ここぞというポイントで呼吸の合ったプレーが生み出したゴールだった。

結果に結びついた動き出しに、角田選手は「新鮮。自分の中で得たものがある。チームに点が入ったことが一番」と喜んだ。

守備の対応力

マリノスは今オフ中に移籍したMF仲川輝人選手とDF岩田智輝選手に加えて、2月に入ってからはGK高丘陽平選手がアメリカMLS挑戦でチームを離れ、さらにDF小池龍太選手とDF松原健選手が負傷離脱で右サイドバック不在という厳しい状況だった。GKはオビ・パウエル・オビンナ選手、右サイドバックはDF上島拓巳選手が務めた。

横浜FM・上島拓巳 写真:長田洋平_アフロスポーツ.jpg
横浜FM・上島拓巳 写真:長田洋平_アフロスポーツ

上島選手は今季柏から加入した26歳。本職はセンターバックだが、チームの緊急事態に「2日前に言われて」登板。大学時代の1~2試合程度以外、右サイドバックは本人も「ほとんど初めて。やったことがない」というポジションだったがフル出場で奮闘した。

「自分にできることと求められていることをしっかり整理してピッチに立った」という上島選手。実際の試合では自分のイメージとの違いに、パスや判断などのミスが出る場面もあり「守備で戸惑いもあった」と振り返ったが、後半は修正する対応力も見せた。

上島選手は、「あまり上がらず、リスク管理や相手の左サイドに蓋をするような役割を求められていた。前半は少し受けに回ったが、後半はその役割を全うできたと思う」と手ごたえを口にし、「こういうアクシデントがあったときに対応できるような選手でありたい」と語った。

マリノスのケビン・マスカット監督は上島選手の起用について、「練習でも彼の熱意やリーダーシップ、意欲や責任感の強さを感じていた。(サイドバックは)簡単ではなかったと思うが、チームに貢献してくれて、最初のゴールにも絡んでいた」と評価した。

一方、GKオビ選手は昨季のリーグ戦出場はなく、先発は6月22日の栃木SCとの天皇杯ラウンド16(0-2)や8月10日のルヴァンカップ準々決勝第2戦の広島戦(1-2)などカップ戦数試合に限られていた。甲府戦は久々の出場危機だったが、試合序盤の相手のミドルシュートを好セーブ。マスカット監督は25歳GKについて、「前半良いセーブもあったし配給もよかった。自信を得たに違いない」と話した。

J1の2023シーズンは2月17日(金)にスタート。その日の開幕戦でマリノスはアウェイで川崎フロンターレと対戦する。川崎は昨季マリノスに3連覇を阻まれ、タイトル奪還を目標に今季に臨む。昨季もリーグ戦では1勝1敗としのぎを削ってきた相手だ。

マリノスの喜田選手は、リーグ開幕戦へ「(スーパーカップという)緊張感のある公式戦で勝つ経験をできたのは大きいが、そこまでアドバンテージがあるとは考えていない。この一週間いい準備をしていくだけ。すべての面でもっと上げるところがある」と冷静に前を見据えた。

マスカット監督も「開幕前にこういう試合ができて、シーズンへ良い準備になった」と話して、ここから修正と磨きをかけて臨むつもりだ。


取材・文:木ノ原 句望