神戸 Jリーグ初制覇へ 元スペイン代表マタ、ハンガリー代表ヴェーチェイを獲得

サッカー

2023.9.3

aflo_23355277_.jpg
フアン・マタ、香川真司 写真:アフロ

J1リーグのヴィッセル神戸は9月3日、元スペイン代表MFフアン・マタ選手の完全移籍加入を発表。

2日に加入が発表されたハンガリー代表MFバーリント・ヴェーチェイ選手とともに、初のリーグ制覇へ向けて強力な戦力補強を実現させた。

神戸は8月19日のリーグ戦で全治1年の大けがを負ったMF齊藤未月選手の長期離脱を受けて、緊急補強を実施。

今季加入の齊藤選手は早々に先発に定着し、攻守に力量を発揮してチームに貢献してきた。離脱による戦力ダウンを避けるべく獲得したのは、スキルも国際経験も豊富な中盤の2選手だ。

3日のホームでのJ1リーグ京都戦の前に行われた会見でヴィッセル神戸の千布勇気社長は、「ヴィッセル悲願の初タイトルへ向けて、これで役者が揃った」と語り、永井秀樹スポーツディレクターも「ふたりは初タイトル獲得へのラストピース。期待は大きい」と歓迎した。

攻撃的MFのマタ選手は35歳。スペイン代表として2010年ワールドカップ(W杯)に優勝し、2012年にはUEFA欧州選手権を制覇。所属クラブでも2011/12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグと翌2012/13シーズンのUEFAヨーロッパリーグをチェルシーで制覇。

その後、移ったマンチェスター・ユナイテッドでも2016/17シーズンに再びヨーロッパリーグで頂点に立った。国内リーグでも、チェルシーとマンチェスターUでFAカップ優勝を達成するなど、多くの成功を収めてきた。マンチェスターUでは香川真司選手(C大阪)と同僚だった。

身長170センチと小柄ながら、卓越した技術と高い経験値のあるマタ選手は、昨季加入したトルコ1部のガラタサライで1シーズンを戦った後、新天地を探していた。

神戸では今年7月に退団したMFアンドレス・イニエスタ選手、MFセルジュ・サンペール選手がプレー。さらに2019年にはMFダビド・ビジャ選手も引退前最後のシーズンを神戸で送った。今回のマタ選手の加入は彼らスペイン代表元同僚らに続く形になった。背番号64に決まった。

マタ選手は会見で、「とても尊敬していて友人でもあるアンドレス・イニエスタやダビッド・ビジャがプレーしたクラブで、自分が彼らのあとを受けて歩みを進められることを誇りに思う」と述べて、昨年末まで所属したボージャン・クルキッチ選手やサンペール選手からも良い情報を得たと説明。

彼らをはじめ、ルーカス・ポドルスキ選手やトーマス・フェルマーレン選手らが在籍していたことも決断を楽にしたと明かした。

2011年にチェルシーでクラブW杯のために来日して以来の来日というマタ選手は、かねてより日本と日本文化に興味を抱いていたそうで、「常に日本には来たいと思っていた。この国に暮らしてタイトル争いもできるというのは、本当に胸が躍る」と笑顔で語った。

そして、「神戸の初タイトルを獲得できるようにベストを尽くしたい。自分にとっては日本で最初の1つを獲って、そのあとにもたくさん獲得できるといいなと思っている」と語った。

一方、ヴェーチェイ選手は守備的MFの30歳。

イタリアのボローニャやレッツェ、スイスのレガーノなどでの経験もあり、昨季までプレーしたハンガリー1部強豪のフェレンツヴァーロシュではリーグ4連覇などに貢献した。

ハンガリー代表としては今年3月のEURO予選のブルガリア代表戦を含めて、12試合に出場。ブルガリア戦では先制ゴールを決めてチームの3-0勝利に貢献している。背番号は6。Jリーグでは初のハンガリー出身選手となる。

欧州の他クラブから多くのオファーがあったというヴェーチェイ選手は、「神戸が自分に関心があると聞いて本当にワクワクした。リーグ初タイトル獲得という神戸プロジェクトを聞いて、自分にとってこれが最高の選択肢で最高のオファーだと決断した。

それに自分には代表も重要な要素で、来年には欧州選手権がある。そこで代表入りを目指している」と話して、高いリーグレベルでプレーを続ける重要性にも言及した。

「自分は昨年いいシーズンを過ごしてタイトルとったが、それをこのクラブでも続けたい。怪我人が出たことでこの機会を得たと理解しているが、チームに貢献できるようにベストを尽くしたい」と語った。

永井SDは、ヴェーチェイ選手についてはハンガリーリーグでボール奪取、ブロック、デュエルなどで高い数値を出していると説明し、「ボランチでの貢献を期待している。マタ選手には攻撃で能力を発揮して、勝率を上げることを期待している」と述べた。
両選手とも登録手続きが完了次第、Jリーグデビューとなる。

神戸は今季J1で上位につけて優勝争いを展開。8月26日に25節を終えた段階で首位の横浜F・マリノスと勝点1差の2位につけている。


取材・文:木ノ原 句望