武幸四郎をどん底から救った絆の物語「もう一度乗せて欲しい」訴えに応えた 松本オーナーの男気

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2023.9.6



騎手界のサラブレッド・武幸四郎をどん底から救った絆の物語

芸能界でも屈指の競馬好きな女子たちがそれぞれの"推し"を語り合う競馬好き女子会。動画内では毎回、各テーマに沿ってそれぞれの推しを紹介していくが、今回のテーマはズバリ「男泣き」。

競馬番組のアシスタントを務めるなど、声優界きっての競馬好きである原奈津子がイチオシした男泣きエピソードの主人公は現在、調教師として数々の素質馬を管理している武幸四郎だった。

父はターフの魔術師と称された武邦彦、兄・豊は日本競馬界を代表する不世出の名騎手という騎手界のサラブレッドとも言うべき血筋の元に生まれた武幸四郎。

当然騎手デビュー前から高い期待を寄せられていたが、1997年にはデビュー2日目で臨んだ重賞、マイラーズCをオースミタイクーンで制して初勝利が重賞という快挙を達成。

デビュー2日目での重賞勝利はJRA史上最短記録という快挙すら成し遂げた。

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その後、デビュー3年目の1999年にはキャリアハイとなる62勝、翌年には秋華賞をティコティコタックで勝利してGI騎手の仲間入りを果たすなど、父や兄に勝るとも劣らない活躍。

しかし、若手騎手の台頭や177センチという長身のため体重調整に苦しむことが増えて2007年ごろから成績が下降。

毎年のように制していた重賞は2009年を最後に勝てなくなり、2011年には年間の勝利数がわずか7勝にまで落ち込んだ。

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まさにどん底にいた武幸四郎だったが、そんな彼に救いの手を差し伸べたのが「メイショウ」の冠号で知られる馬主・松本好雄。

メイショウドトウやメイショウサムソンなど、数多くの名馬を所有していた名物オーナーだが、実は武家とは家族ぐるみの付き合いをするほど良好な関係を築き、武幸四郎自身も「子供のころはお年玉をもらったし、デビュー戦では所有馬に騎乗させていただいた」と語るほどだった。

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スランプに陥っていた武幸四郎に自身の所有馬を積極的に騎乗させていた松本は2013年、自身が所有する期待の3歳馬、メイショウマンボの鞍上に武幸四郎を指名。

この期待に何とか応えたいと武幸四郎自身も奮起し、メイショウマンボとともに活躍。そして牝馬クラシック第1冠目である桜花賞へと挑んだ。

4番人気に支持された一戦だったが、中団やや前目から進んでいくも直線では失速して見せ場なく10着に大敗。

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人気を大きく裏切る形になってしまったため、周囲からはオークスでの乗り替わりを薦める声も松本に寄せられたという。

そんな中でレース後、武幸四郎はある行動を起こした。「桜花賞のレース後、松本オーナーに『この馬とオークスへ行きたい』と電話した」というのだ。

人気を裏切り、大敗した日の夜に直談判しても通常ならば受け入れられないことが多い。しかし、松本オーナーはたった一言、武幸四郎にこう告げたという。

「わかった。次もよろしく頼む」と――。

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そうして迎えたオークス。

桜花賞の惨敗から9番人気まで人気を落としたが、レースでは中団で折り合いながらインコースを進むと、直線ではスムーズに外に持ち出してから一気に伸びて早々と先頭に。

エバーブロッサム、デニムアンドルビーが猛追してくるも最後まで懸命に粘り込んで見事に勝利。桜花賞のリベンジを果たしてみせた。

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武幸四郎にとっては実に7年ぶりとなったGI制覇。それだけにファンも大いに祝福し、迎えたインタビューでは「人間(武幸四郎)が慌ててバタバタになってしまったけれど、特にメイショウマンボ勝ててうれしい」と素直に心境を吐露した。

クールなキャラクターで知られる武幸四郎だけに、ここまで涙を見せずにいたが......口取り写真の撮影で松本オーナーと対面すると、こみ上げてくるものがあったのか。

ついに目から涙があふれ出て号泣。男泣きしながらの写真撮影はファンの心を大きく打つものだった。

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この後、メイショウマンボは秋の牝馬クラシック最終戦である秋華賞、そして古馬を交えての女王決定戦であるエリザベス女王杯を武幸四郎とともに制してGI3勝。

この年の最優秀3歳牝馬に選出され、どん底から這い上がった武幸四郎は2017年まで騎手を続けることになった。

......VTRを見た競馬女子たちは、武幸四郎の流した涙に皆もらい泣き。

中でも武幸四郎をピックアップした原奈津子は「普段涙を見せない人が感極まってなくシーンはグッと来る」と、クールなキャラクターで知られる武幸四郎のギャップにキュンとしているようだった。

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■文/福嶌弘

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