【サッカー日本代表】南野、中山らが復帰でオプション強化。森保監督「良さを活かしてチームの戦術に組み込んでいける」10月国際親善試合2連戦へ

南野拓実 Photo by Harry Langer_DeFodi Images via Getty Images
サッカー日本代表が10月に行うカナダ代表(13日、新潟)、チュニジア代表(17日、神戸)との国際親善試合2連戦に臨むメンバーが決まり、MF南野拓実選手(モナコ)とDF中山雄太選手(ハダースフィールド)が久しぶりに代表チームに復帰することになった。
10月の2連戦は11月に始まる2026年ワールドカップ(W杯)北中米大会のアジア2次予選と、来年1~2月に行われるアジアカップを前に行える強化試合としては最後の機会だ。公式戦よりも選手や戦術などを試す自由度は高いと言えるが、その機会に森保一監督は26人を招集。南野選手や中山選手ら復帰組5人以外は、ドイツ代表とトルコ代表に連勝した9月の欧州遠征に参加したメンバーとなった。
南野選手は昨年のW杯カタール大会以来の復帰。中山選手はW杯メンバーに選出された直後に負った怪我で大会メンバーから外れ、長期離脱となっていた。
南野選手は今季からモナコで指揮を執るザルツブルク時代の指揮官、アドルフ・ヒュッター監督の下でシーズン開幕から好調を維持。9月30日のマルセイユ戦を欠場するまで6試合に出場して3ゴール3アシストを記録している。6試合でフル出場は1試合のみだがほとんど終盤までプレーして出場時間は515時間を数え、リバプールから移籍加入した1年目の昨シーズンが18試合724時間出場で1ゴール3アシストに終ったことを見れば、その違いは一目瞭然だろう。
モナコの公式サイトでも、南野選手の今季好調の滑り出しについて「プレシーズンが良かった」とする本人やヒュッター監督のコメントを紹介していたが、8月にはリーグ・アンの月間最優秀選手に選出された。9月下旬にはニューヨーク・タイムズ紙のスポーツ部門サイト「ジ・アスレチック」で、「指揮官ヒュッターの下、南野がモナコで再生」と欧州注目選手として特集されるなど、関心を集めている。
一方、中山選手は昨年のカタール大会のメンバー入りを果たしたが、メンバー発表直後に行われたイングランドの2部リーグにあたるチャンピオンシップのサンダーランド戦で、試合終盤にアキレス腱を負傷。W杯も残りのシーズンを見送ることを余儀なくされ、昨季は14試合2ゴールで終えていた。
だが、今季は8月8日に行われたイングランド・リーグカップ1回戦のミドルスブラ戦に先発で公式戦復帰を遂げると、リーグ戦5試合にも出場して2アシストをマークしている。
日本代表の森保一監督は中山選手について、「イングランドのチャンピオンシップでフル出場できている。高い強度で戦えるだけのパフォーマンスができる体力は戻って来ていると確認した」と述べている。
日本代表の右サイドバックは、2026年W杯へ向けてスタートを切った今年3月からDF菅原由勢選手(AZアルクマール)が存在感を発揮し、9月のトルコ代表戦で代表デビューしたDF毎熊晟矢選手(C大阪)も攻撃面でのインパクトを残すなど、新たな人材が現れている。それに対して左サイドは、9月の2連戦ではDF伊藤洋輝選手(シュツットガルト)が先発で連続出場。右に比べてやや手薄な印象があるだけに、中山選手の復帰はチームの選択肢を増やすのは間違いない。
森保監督は「(中山選手は)左サイドバックを中心にボランチやセンターバック、4バック、3バックでの守備的な複数のポジションをこなせる。オプションとして違うポジションでも試したい」と話している。
南野選手についても日本代表指揮官は、「新チームになって、非常に調子よくチームに貢献している」と最近のプレーは確認済みと語り、起用法についても「4-2-3-1ならトップ下がベースだが、4-1-4-1ならインサイドハーフ。トップもやってもらったことがあるが、ウィングから中に入ることもできる。彼の良さを活かしてチームの戦術に組み込んでいけると思っている」と話している。
南野選手はカタール大会へのW杯アジア予選では7戦連続得点などチームの予選突破に貢献。本大会では日本が戦った4試合のうち、途中出場で3試合に出場し、ラウンド16のクロアチア戦では延長の末に突入したPK戦の1番手のキッカーに名乗りを出たが、相手GKに止められ、悔しい思いを味わった。
新たに2026年W杯を目指す現在の日本代表で2列目の人材は豊富だ。MF伊東純也選手(Sランス)、MF三笘薫選手(ブライトン)をはじめ、所属クラブで好調のMF久保建英選手(Rソシエダ)、9月のトルコ戦で2得点を挙げたFW中村敬斗選手(Sランス)、今回はコンディション不良で招集が見送られたMF鎌田大地選手(ラツィオ)、MF堂安律選手(フライブルク)もいる。FW古橋亨梧選手やFW前田大然らセルティックの攻撃陣を左ウィングで起用することも可能だ。南野選手はこの代表チームで新たにポジションを獲得するために、今回の試合に出て猛アピールが必要だろう。
GKのポジション争いも
南野、中山の両選手に加えて、パリ五輪年代のGK鈴木彩艶選手(シントトロイデン)とJ1リーグで首位立つ神戸のGK前川薫也選手も久しぶりの招集となった。鈴木選手は昨年7月のE-1選手権以来、前川選手は2021年3月以来で、鈴木選手は代表戦出場2試合目、前川選手は初出場がかかる。
9月の欧州遠征に参加したGK中村航輔選手(ポルティモネンセ)はトルコ戦で負傷。交代出場したGKシュミット・ダニエル選手(シントトロイデン)は移籍トラブルに巻き込まれて、試合出場から遠ざかっている。9月のドイツ戦ではGK大迫敬介選手(広島)が出場したが、今回招集された二人がどこまでGKのポジション争いに食い込めるか、注目ポイントの一つだ。
また、MF旗手怜央選手(セルティック)も復帰した5人のうちの1人で、今年6月のエルサルバドル戦とペルー戦での2試合連続先発以来の出場を目指す。
彼ら以外は初招集もなく、ドイツとトルコに連勝した9月の欧州遠征に参加したメンバーで固められ、所属クラブで好調の三笘選手、久保選手、伊東選手らをはじめ、ドイツ戦ではカタールW杯以来の復帰戦で好プレーを披露して勝利に貢献したDF冨安健洋選手(アーセナル)らの名前が並んだ。トルコ戦で、代表戦2試合目での初先発で初ゴールを記録したMF伊藤敦樹選手(浦和)や、毎熊選手も引き続き選出された。
森保監督は、「選考は9月の活動をベースに考えた。ベースの部分を忘れずに、変えるべきことチャレンジすべきことにはチャレンジする」と語り、手ごたえを得た9月のチームの基盤を継続して強化しすることで、11月以降2025年6月まで続く公式戦の連戦に備えて、チームが拠り所とできる土台を固めたいという意向を示している。
指揮官は、「(ここまで)よりチームのパワーを持っていけるように、選手層と戦術の選択肢をより多く持てるように活動してきた」と語り、戦い方についても、「いろいろなバリエーションを作ることができれば、持っているオプションのなかで戦いを優位に進めて勝つ確率を上げることができる。今回の2試合も個々のレベルアップ、連携連動が深まり、チーム戦術がより浸透していくように、ベストを尽くして戦いたい」と話している。
日本代表は10月9日から2連戦へ向けた準備を始める。
取材・文:木ノ原句望
■日本代表メンバー
GK
前川黛也(ヴィッセル神戸)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
鈴木彩艶(シントトロイデンVV/ベルギー)
DF
谷口彰悟(アルラヤンSC/カタール)
板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)
中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC/イングランド)
町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー)
毎熊晟矢(セレッソ大阪)
冨安健洋(アーセナル/イングランド)
伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)
橋岡大樹(シントトロイデンVV/ベルギー)
菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)
MF/FW
遠藤航(リバプールFC/イングランド)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
浅野拓磨(VfLボーフム/ドイツ)
南野拓実(ASモナコ/フランス)
古橋亨梧(セルティック/スコットランド)
守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)
三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
前田大然(セルティック/スコットランド)
旗手怜央(セルティック/スコットランド)
伊藤敦樹(浦和レッズ)
上田綺世(フェイエノールト/オランダ)
田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
【国際親善試合日程】
2023年10月13日 MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023
日本vsカナダ @デンカビッグスワンスタジアム(新潟県)
2023年10月17日 キリンチャレンジカップ2023
日本vsチュニジア @ノエビアスタジアム神戸(兵庫県)