元日本代表 現ベトナム代表監督・フィリップ・トルシエ「可能性はある。日本を苦しめたい」

フィリップ・トルシエ監督 写真:VCG/アフロ
サッカーのアジアカップが1月12日にカタールで開幕し、3大会ぶり通算5度目の優勝を目指す日本代表は14日のD組初戦でベトナム代表と対戦する。
かつて日本代表監督として2000年アジアカップ優勝も遂げたフィリップ・トルシエ監督が率いるベトナム代表を相手に、どんな試合を披露するのか。
トルシエ監督は13日の前日会見で、「我々のチームは若いがポテンシャルがある。今大会でその可能性と特徴を示したい」と抱負を述べた。
日本代表のほか、南アフリカ代表やカタール代表、モロッコ代表などでも指揮を執ったフランス出身の68歳は、ベトナム監督で始動した昨年3月以降、ここまで9試合を戦って4勝5敗。そのうち、昨年11月に始まった2026年W杯のアジア2次予選は1勝1敗だ。
トルシエ監督「可能性はある」
日本代表監督では、韓国と共催した2002年W杯出場を前に1998年から指揮を執り、オートマチズムと称する連動性やフラット3という3バックの導入で守備の構築などに情熱を持って取り組み、2000年アジアカップでは優勝という結果も出した。
トルシエ監督は、「第一のポテンシャルはチームワークだ。ベトナムの選手は高いレベルのリーグでプレーしているわけではないし、(日本選手のように)広く知られているわけでもないが、20年前は日本選手も知られていなかった」と指摘。
「我々は互いに共鳴できるチームを作っているところだ。私は練習を通して勝てるチームを作る。成功は個人に頼るものではなく、団結から来るものだ」と語る。チームづくりへの情熱を言葉の端々に滲ませて、熱く意欲的な姿勢に変わりはない。
日本は2002年W杯以降、徐々に世界で戦えるチームへと変貌を遂げてきた。当時は数えるほどだった欧州でプレーする選手の数も現在ではチーム大半を占める。
約1年前にカタールで行われた2022年W杯では、ドイツ代表とスペイン代表を破って2大会連続での16強に進出。その後も続投した森保一監督の下、メンバーを入れ替えながら選手層に厚みを加え、好調を維持している。
2023年9月にはアウェイでドイツに4-1で勝ってW杯から連勝して世界を再び驚かせるなど、昨年から9連勝中。
その9試合中8試合で4得点以上を挙げており、昨年11月のミャンマー、シリアとのW杯アジア2次予選と1月1日のタイ戦では3戦連続で5-0の勝利。高い攻撃力が印象的だ。
トルシエ監督は、「日本のことは良く知っている。とても強いポテンシャルのあるチームで、個人的には優勝候補筆頭だと思っている。タフな試合になる。我々は100%でなければならない」と述べた。
だが一方で、サッカーの世界で小国が強豪を倒すケースも珍しくないことに言及して、「日本とは10回対戦して9回負けるかもしれないが、1回は勝てるチャンスがある。それが今回かもしれない」と不敵に語る。
今大会、各グループの上位2位以内か3位でも上位4チームに入れば決勝トーナメント進出が決まる。
ベトナム代表指揮官は、「可能性はある。これは我々が次のラウンドへ進むプロセスだ。しっかり反応して日本を苦しめたい。突破には得失点差が大事になる。リアリスト(現実主義者)になって戦いたい」と述べて、目標実現へ強い意欲を示した。
取材・文:木ノ原句望