【大阪杯】ベラジオオペラが史上初の連覇!器用さに磨きをかけ『五分咲き』での連覇達成

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2025.4.7

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ベラジオオペラ・横山和生騎手(c)SANKEI

「器用な馬」―― 昨年のこのレースを制したベラジオオペラのことを筆者はこう評した。

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3歳春の時点ではどこかとらえどころがないように見えたが、ダービー4着を経て好位から速い上がりを使えるという器用さを生かしたレース振りを身に付けたことで本格化。

昨年の大阪杯でも2番手から流れに乗って早めに先頭に立ち、ローシャムパークの追撃を防いでGⅠ制覇を果たした。

派手さこそなかったが、先行抜け出しの王道スタイルでのGⅠ制覇だけにその後の中距離戦線はベラジオオペラを中心に回っていっても不思議ではないと思われたが、その後の3戦は以下のような成績だった。

宝塚記念 5番人気(11.6倍)3着
天皇賞(秋)4番人気(13.3倍)6着
有馬記念 3番人気(7.1倍)4着

... 一言で言えばなんとも中途半端な成績ばかり。

どのレースもスタートから好位に付けて流れに乗り、4角でも3番手以内に付けていた。

それで掲示板を外したのはスタート時に躓いた天皇賞(秋)のみなのだから立派なのだが、いかんせん地味そのもの。ファンの印象は大阪杯を制する前と変わっていないのでは?とも思わせるほどだった。

大阪杯の勝ち方があまりにソツがなかったからこそ、印象に残りづらかったのだろうか。

どのレースにもドウデュースやリバティアイランドのような人気を集めるスターホースがいたからか、昨秋はベラジオオペラを推す声があまりにも少ないように感じ、筆者としては少々寂しく感じていた。

そして今年も大阪杯の季節がやってきた。

今年の大阪杯はドバイワールドCデーと時期が重なったため、ドバイへと遠征する馬も多く、大阪杯には15頭のエントリーがあったとはいえ、GⅠ馬は4頭だけ。

しかも前年に勝った馬と限ればベラジオオペラと桜花賞馬ステレンボッシュのみという少々寂しいメンバー構成に。

それもあってか人気も割れて、単勝1番人気馬のオッズが一時は5倍台になるなど、晴天の転機とは対照的にかなり混沌とした雰囲気だった。

そんな中でベラジオオペラの人気はというと、単勝5.1倍の2番人気。

前年のこのレース以来勝ち星を挙げていない点がマイナス視されたのか、GⅠ昇格以来大阪杯を連覇した馬がいないという点が不安視されたのか、そのオッズは1年前とほぼ同じになるほど。

器用でソツのないレースができる馬なのに見た目の派手さがないせいか、どこか地味な印象を与えてきた結果、こうしたオッズに甘んじたように感じさせる。

だが... ベラジオオペラと鞍上・横山和生はそうした世間の評価を驚かせるような激走を見せた。

前年とは異なり、デシエルトやホウオウビスケッツが逃げると考えられていたレース序盤、いきなり波乱が起こる。ゲートが開いた瞬間、逃げると思われていたデシエルトの出が悪く後方に位置したまま。

対照的に好スタートを切ったベラジオオペラとホウオウビスケッツ、そして外から来た1番人気馬シックスペンスの3頭が先頭で並ぶことになった。

この時、前に行きたいホウオウビスケッツは積極的に動き、外から来たシックスペンスはそれに合わせたが、ベラジオオペラは少し下げて3番手の位置に。

昨年のように好位から前を見て進めるというソツのなさがここでも発揮された。

1コーナーを過ぎるころ、出遅れていたデシエルトが本来の位置である先頭を奪いに一気にギアを挙げて前に付けた。

向こう正面に入るころには3馬身ほどのリードを取っての単騎逃げとなり、徐々にペースを上げていった。

最初の400mから11秒5以下というずっと速いペースを刻んでいたデシエルトの逃げは前半1000mで57秒5というハイペースに。

2番手のホウオウビスケッツに5馬身ものリードを付けての大逃げ策を打ち、1番人気のシックスペンスが3番手、3番人気のステレンボッシュが後方から徐々に仕掛けていくという中、ベラジオオペラはというと相変わらず好位の3~4番手の位置をキープ。

3コーナーから4コーナーを過ぎ、各馬が追い出しにかかる中でも横山和生の腕はまだ動かなかった。

そして迎えた直線。逃げるデシエルトを最初に捕まえたのはホウオウビスケッツだった。

岩田康誠の派手なアクションとともに先頭に立ったホウオウビスケッツがもうひと踏ん張りとばかりに粘る中、それを待っていたかのように追い出したのがベラジオオペラ。

横山和生の右鞭が入ったところで内の池添謙一とデシエルト、そして外にいた横山武史とシックスペンスを置き去りにして前にいるホウオウビスケッツに迫った。

残り200m過ぎ。内で粘るホウオウビスケッツを捕まえてベラジオオペラは先頭に立つと、あとは後続を離すように突き抜けていく。

外からロードデルレイ、馬群を縫ってやってきたヨーホーレイクらが懸命に追いすがるが、完全にセーフティリードを奪ったベラジオオペラには届かず、粘るホウオウビスケッツを交わすのが精いっぱいだった。

そしてベラジオオペラは迫ってきたロードデルレイに1馬身という決定的な差を付けてゴール。GⅠ昇格後初となる連覇を達成した。

先行して馬券圏内に入ったのはこの馬だけな上、ローシャムパークにクビ差まで昨年よりも着差を広げるという圧倒的な強さを見せた堂々たる勝利に。その価値は1分56秒2というレコードタイムにも表れた。

「負けないだろうと思った」―― レース後のインタビューでの横山和生のこの一言にすべてが現れていたように思う。

そして「まだまだよくなる余地を残している」というコメントを残したように、5歳にして伸びしろがあることを感じさせた。

今年の大阪杯は五分咲きほどの桜の樹の下で行われたが、もしかするとベラジオオペラのつよさもまだまだ満開ではなかったのかもしれない。

もし、そのポテンシャルが満開に花開いたら......ベラジオオペラは我々にどんな景色を見せてくれるのだろうか。


■文/福嶌弘

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