テイエムオペラオー 世紀末の日本競馬界を締めくくった覇王【思い出に残る有馬記念】

第45回有馬記念 和田竜二騎手騎乗のテイエムオペラオーが優勝(c)SANKEI
今年で70回目を迎える有馬記念が12月28日(日)に開催。それに先駆けてYoutubeチャンネル「テレビ東京競馬チャンネル」では総勢20名のホースマンに「思い出の有馬記念」について深堀り!
世紀末覇王の伝説が完結した2000年の有馬記念をピックアップ。
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2000年テイエムオペラオー
調教師試験に合格し、来春での騎手引退を予定している和田竜二。
彼にとっての思い出に残るレースとして挙げたのは自信が勝利した2000年の有馬記念。しかし、勝った喜びよりも「うまく乗れなかった」と、勝てたのは自身の騎乗ではなく、あくまで相棒の力であることを強調した。
そんな相棒とは、テイエムオペラオーのことだ。
デビュー戦から一貫して騎乗し、3歳の春に毎日杯を制して重賞初制覇を飾ると、追加登録料を支払って出走した皐月賞では後方から一気の末脚で突き抜けて勝利。
人馬ともにGⅠ初制覇を飾り、アドマイヤベガ、ナリタトップロードとの3強を形成し、この年のクラシックを盛り上げた。
しかし、皐月賞を制してからテイエムオペラオーは勝ち星から遠ざかる。ダービー3着、菊花賞2着と毎回のように上位に食い込むもなかなか勝ち切れず、確勝を期して挑んだステイヤーズSさえ2着。
有馬記念もグラスワンダーとスペシャルウィークの壮絶な叩き合いに屈し、3着に終わった。
あと一歩届かないレースが続いていたテイエムオペラオーだが、4歳になった2000年、ついにその実力が開花。
年明け緒戦の京都記念で菊花賞馬ナリタトップロードを下して久々の勝利を挙げると、続く阪神大賞典でも勝利。天皇賞(春)も危なげないレース運びで突き抜けてGⅠ2勝目をマーク。
昨年までの煮え切らないレース振りがウソのように盤石な強さを見せた。
春のグランプリレース、宝塚記念でグラスワンダーとの一騎打ちを制してからもテイエムオペラオーの勢いは止まらず。
秋初戦の京都大賞典をノーステッキで楽勝して挑んだのは当時1番人気馬が12連敗中だった天皇賞(秋)。
ここでもテイエムオペラオーは直線で一気に突き放して勝利。さらに返す刀で挑んだジャパンCも完勝。海外の強豪馬を寄せ付けなかった。
ここまで破竹の7連勝。4歳になってから真の強さを手に入れたテイエムオペラオーがこれまで達成した馬がいない古馬中長距離GⅠ完全制覇に挑んだのが、この年の有馬記念だった。
徹底マークにも負けない、不屈の闘志
ここまで無傷の年間7連勝を飾ったテイエムオペラオーに勝てる馬はいないとファンも思っていたのか、この年の有馬記念はテイエムオペラオー一色。
ファン投票でも10万9140票を集めて第1位で選出されると、レース当日も単勝オッズも1.7倍という断トツの1番人気に支持された。
だが、テイエムオペラオーの状態は決して順調というわけではなかった。
ジャパンCのレース中に右後大腿部に外傷を負ったことで調整が遅れ、さらにレース当日の朝には馬房内で額を強打。
出走自体には問題なかったが、患部は内出血を起こして腫れてしまうなど、まさに満身創痍の状態でレースを迎えた。
そんな中で迎えたレースはテイエムオペラオーにとって試練の連続。
好スタートこそ切れたが、すぐに他の馬たちからの激しいマークに遭い、思うような進路を取れずに後方で閉じ込められる形に。
ジョービッグバンやホットシークレットらの作ったスローペースの中で動けないまま、第4コーナーを回っても16頭中11番手。
今までのレースと比べても明らかに後ろにいるテイエムオペラオーの姿を見て、スタンドにいるファンからはどよめきが起こるほどだった。
しかし、このまま終わるテイエムオペラオーではなかった。
直線半ば、残り200mを過ぎてから馬群がばらけ始めたところでテイエムオペラオーは一気に仕掛け、先行馬たちをごぼう抜きに。
先に抜け出した伏兵ダイワテキサスを一気に捕らえると、最後は外から迫ってきたメイショウドトウの追撃をハナ差凌いで勝利。
まさに劇的な走りで史上初となる古馬中長距離GⅠを完全制覇、天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念の秋古馬三冠を達成し、年間無敗のまま20世紀最後の有馬記念を締めくくった。
「馬の力で勝たせてもらった」と和田竜二が振り返ったように、テイエムオペラオーのすさまじい闘志が奇跡を起こした一戦だったと言えるだろう。
■文/福嶌 弘

■第70回有馬記念(GI)枠順
2025年12月28日(日)5回中山8日 発走時刻:15時40分
枠順 馬名(性齢 騎手)
1-1 エキサイトバイオ(牡3 荻野極)
1-2 シンエンペラー(牡4 坂井瑠星)
2-3 ジャスティンパレス(牡6 団野大成)
2-4 ミュージアムマイル(牡3 C.デムーロ)
3-5 レガレイラ(牝4 C.ルメール)
3-6 メイショウタバル(牡4 武豊)
4-7 サンライズジパング(牡4 鮫島克駿)
4-8 シュヴァリエローズ(牡7 北村友一)
5-9 ダノンデサイル(牡4 戸崎圭太)
5-10 コスモキュランダ(牡4 横山武史)
6-11 ミステリーウェイ(セ7 松本大輝)
6-12 マイネルエンペラー(牡5 丹内祐次)
7-13 アドマイヤテラ(牡4 川田将雅)
7-14 アラタ(牡8 大野拓弥)
8-15 エルトンバローズ(牡5 西村淳也)
8-16 タスティエーラ(牡5 松山弘平)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。
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