【高校野球】センバツ中止に監督転任 それでも「耐え忍んだ」磐城高校に届いた吉報!夢の舞台・甲子園へ

野球

2020.6.14



1月、46年ぶりとなる春の選抜甲子園出場を決めた磐城高校。

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木村監督の涙には深い訳があった。3月に転任が決まっており、この選手達と一緒にいける最初で最後の甲子園。その、嬉し涙だったのだ。

この時はまだ、選手に転任を伝えていなかった。

木村監督「おめでとう。去年の秋、東北大会終わったあと、おまえ達が掲げた甲子園で勝つために、俺達の聖地「甲子園」で体現できることをすごく嬉しく思う」

福島県立磐城高校は、偏差値68の進学校。

数学の教師でもある木村監督の座右の銘は「忍耐」。

木村監督「忍耐かなと。その一言につきる。突き進むべき目標があるかと思いますので、それに向かって一歩前進していく。それに尽きる」

木村監督と選手の深い絆

木村監督と選手の間には深い絆があった。

「(木村前監督は)すごく謙虚に自分たちの意見を尊重してくれる所が本当に尊敬できるし、素晴らしい所だと思います」

木村監督を人生の師と仰ぐエースの沖政宗くん。最速141キロ、新チームになってから防御率は0.90。抜群の安定感を誇る。

仙台出身の父がつけた名前が、政宗。

沖くん「自己紹介はちょっと恥ずかしい。名前が言いづらい。良くも悪くも覚えてもらえるので」

どんな性格か知りたくて自宅へ。

沖くんの母「明るさだけがとりえで昔はうるさいぐらいだったんですが、 やっと落ち着いてきました」

「甲子園で勝つ」から「春の意地 譲らない夏」へ

2月、春の甲子園に向けてチームは順調な仕上がりだった。

しかしこの後、多くの苦難を耐え忍ぶことになる。

3月11日。忘れ得ぬその日に発表はあった。選抜高校野球、史上初の中止。

沖くん「自分たちは今まで何を目標に、何のために野球をやってきたんだろうと思うことがすごく多い」

ホワイトボードに書かれた「甲子園で勝つ」

その言葉はこう書き換えられた。

「春の意地 譲らない夏」

木村監督が選手に離任を伝えると...

木村監督は4月からの転任を春の甲子園、夢の舞台で選手に伝えるつもりだった。しかし、もうその晴れ舞台はない。

3月下旬、自らの転任を初めて選手たちに伝えた。

沖くん「急な発表だったので泣いちゃいました」

転任の前日、木村監督から春の甲子園で着るはずだったユニフォームが手渡された。

木村監督「すごく頼もしくなっています。チーム内だけでなく、外の高いレベルの選手達を意識して日々精進してください」

明日は、このユニフォームを着て、木村監督と最後の練習。

木村監督「一歩前に進んでくれ。絶対、光は見えてくるから。今苦しいよ。でもみんな苦しいから。一歩前進して。前に」

沖くん「この夏(木村監督と)一緒に目指せないという意味ではとても残念です」

そして迎えた木村監督との最後の練習の日

ユニフォームを渡した翌日、離任式。

木村監督「母校で勤務できたことを感謝します。最後に一言。今まさしく忍耐です」

一緒に戦う最後の舞台、それは、春の甲子園のはずだった。甲子園は幻となり、最後のノックでお別れだ。

最後に選手全員から監督へ。

主将の岩間涼星くん「最後を甲子園でむかえられなかったことを残念に思います。保先生(監督)の謙虚な心を持って、夏、必ず甲子園に連れて行きます。ラストお願いします。二年間お世話になりました」

新たな目標は、夏の甲子園。

木村監督「この子たちのために最大限サポートしてください。彼らが素晴らしい試合を展開して勝利をもぎ取ると思いますので、これからもご支援よろしくお願いします」

沖くん「一緒に(夏の甲子園を)目指せなくなった。報われないことが多いなと感じています」

普段は明るい沖くんが「報われない」という言葉を口にするとは驚きだった。

夏の甲子園を目指すも、さらなる試練が...

出場できるはずだった春の甲子園に続き、夏の甲子園も中止に。

沖くん「目標が無くなった喪失感があって、気持ちが残り5%しかない」

6月、およそ2ヶ月ぶりとなる全体練習を再開。目標を失いかけた時、思い出したのは、木村監督の教え「忍耐」でした。

耐え忍んできた彼らに朗報が届いた

磐城高校・吉田校長「甲子園で交流試合を開催したい。君たちの念願であった甲子園の土が踏めて、強豪校と戦うことができます」

沖くん「保先生の忍耐という言葉にあるように、我慢して我慢して、それをみんなで乗り越えていこうという気持ちが強いので、本当に報われた気持ちです」

転任した木村前監督「野球の神様から春のご褒美をいただけた。彼らが甲子園のグラウンドでコバルトブルーのユニフォームを着ている姿を見たいです」

耐え忍んだ先に、夢の舞台があった。いざ、甲子園へ!