5回無失点!ヤンキース・田中将大さすがの投球!2020年シーズンの成功はスプリットがカギ!?

野球

2020.8.8


田中将大 5回無失点の快投も白星つかず (C)Getty Images

きょう今シーズン2回目の先発、同地区のライバル・レイズ相手に5回無失点、1安打、5奪三振とほぼ完ぺきなピッチングを見せたヤンキースの田中将大。6番DHで先発出場したレイズ・筒香嘉智外野手と日米を通じての初対決も一邪飛、中飛に打ち取った田中が制したが、0対0でマウンドを降りた田中の今季初勝利は次回以降にお預けとなった。

そんな中、MLB分析ブログの「Views from 314ft」は「2020年の田中将大の活躍はスプリットがカギになる」と元ヤンキース・ピッチングコーチの意見やさまざまなデータを用い、興味深い考察記事を投稿している。

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ヤンキースとの7年契約最終年を迎えた田中にとって、2020年シーズンは1イニングも無駄にすることができない。彼が来季もピンストライプのユニフォームに袖を通すことができるかどうかの命運は、コロナ渦の影響で例年よりも少ない試合数、イニング数によって判断されるからだ、とまずは指摘。

そのような状況の中、田中が今季良いパフォーマンスを発揮するためにはスプリットの有効活用が必要不可欠である、と記事は続く。

スプリットと言えば、田中のトレードマークであり最大の決め球で、投球内容の実に27%を構成しており、スライダー(29%)に続く2番目の割合。

しかし、2番目とは言え田中のスプリットはスライダーよりも効果的な球種だと「Views from 314ft」では2019年以前の被打率.196、空振り率が約40%前後というデータを提示。

スプリットは田中の最大の武器であり、打者にとって最も打つことが困難な球種としている。一方、何年にも渡ってMLBの強打者たちを翻弄し続けたこのスプリットは、2019年に入ると突如輝きを失ったとデータとともに説明している。

シーズン前半戦では従来のキレが見られず、多くの打者がこれまでよりも強く、遠く、そして頻繁に打球を飛ばすことが増え始めた。これは一体なぜだったのだろうか?

昨年ヤンキースの投手コーチを務めていたラリー・ロスチャイルド(現・パドレス投手コーチ)はその原因がボールの縫い目にあると分析し、スプリットの「グリップ=握り」の改良が必要だと考えていたことを明かしている。

彼は田中自身の技術的な問題ではなく、ボールの縫い目とスプリットの握り方の相性が変化量に悪影響を及ぼしているのだと早い段階で気づいていたという。

そのことを田中に説明し、納得してもらうまでに相応の時間はかかったものの、改善に着手。

そして、ロスチャイルド投手コーチのこの考えが間違いではなかったことを、田中のシーズン後半戦のスプリットの成績を示す以下のデータが物語っている。


田中将大 (C)Getty Images

【田中将大のスプリットデータ】※「Views from 314ft」より

時期 被打率 長打率(SLG) 長打率(ISO) 使用割合 平均球速 平均回転数/分
2019後半 .234 .330 .096 31% 87.9mph 1601RPM
2019前半 .279 .469 .190 24% 89.3mph 1580RPM
2014~2018 .196 .303 .107 28% 87.6mph 1534RPM

データでは、握り方の改良効果は抜群だったように見える。2019年前半と後半では、あらゆる指標においてスプリットが改善されたことが一目瞭然。特に回転数/分の大幅な増加が、変化のキレに大きく貢献したと考えられる。

当の田中自身にぜひ聞いてみたい「グリップ=握り」の改良だが、投手コーチが明言しているのならば、きっとそうなのだろう。今シーズンの田中のスプリットにはいつも以上に注目だ。