吉田麻也「なんとかもう一度、真剣に検討してほしい」と有観客の意義を主張

サッカー

2021.7.19


吉田麻也 写真:西村尚己/アフロスポーツ

東京オリンピックに臨むサッカーのU-24日本代表が7月17日、神戸で行われた強化試合でU-24スペイン代表と対戦。優勝候補筆頭と言われる強豪と1-1で引き分けた。

東京オリンピックでは新型コロナウィルス感染症が収束していない現状から、首都圏の1都3県をはじめ、北海道などほとんどの会場で無観客で開催されることが決まったが、オーバーエイジとして東京大会に臨むU-24日本代表のDF吉田麻也選手(サンプドリア)はU-24スペイン代表との試合後、オリンピック開催の意義を説き、観客を入れての試合開催の再考を呼びかけた。

「無観客は、残念ですね...」と無念さを滲ませていた吉田選手は、観客の有無に関して「どっちのコメントをしても叩かれるような状況というのは、個人的には間違っていると思う」と切り出した。

「アスリートは、当たり前だがファンの前でプレーしたい。今日もそう。最後の10分、15分の苦しい時に、ファンやサポーターのエネルギーは確実に僕らの助けになるし、僕らはその助けを必要としている」と話し、試合中の観客の後押しの効果に触れた。

そして、日本国内で行われる大会だからこその効果、特に子どもたちへ与える影響に言及した。

「僕たちが子供たちにできることは、ただエリアの中に閉じ込めて友達と会わずにことが過ぎるのを待つだけじゃないと思う。もっともっとできることはたくさんあると思うし、子どもたちにいろんなものを与えられると思っている。僕にも娘がいて4歳で、多分僕がプレーしていることを覚えていないと思うが、そういうことを子どもたちに絶対にいろんなものを与えられると思っている」と吉田選手は言葉に力を込める。

「(今回の五輪は)時差がなくてオンタイムで試合を見れる。僕らが2002年のワールドカップでそうだったように、やっぱりすごい感動と刺激を受ける。そのためにこそ五輪を招致したのではないかと個人的に思っている」と指摘した。

そして、こう続けた。

「ソーシャルワーカーのみなさんが毎日命を懸けて戦ってくれていることは重々理解している。五輪をやれるということだけでも僕らは感謝しなければ立場だと理解しているが、選手たちも、サッカーに限らず、命を懸けて人生を懸けて戦っている。だからこそ、この場に立てている選手たちばかりだ。この五輪に懸けているマイナー競技の選手たちは山ほどいると思う。そのためにも、なんとかもう一度考えてほしいし、真剣に検討してほしい」と語り、さらに選手の家族についても言及した。

「選手だけじゃなく、家族も戦っている。その人達が見れない大会は、なんのための誰のための大会なのかというクエスチョンはある。本当に、早急にもう一度検討してほしいと心から願っています」

選手の思いを代弁した主将の言葉は熱かった。


取材・文:木ノ原句望