元日本代表・佐藤寿人が”恩師”森保監督へ愛ある提言「もっと競争のあるチーム作りを!」

サッカー

2021.10.22



    Jリーグ最多220得点の元日本代表・佐藤寿人(39)がテレビ東京系列「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」に生出演し、W杯アジア最終予選で2勝2敗でグループ4位と崖っぷちの日本代表について、番組内で問題点や改善点を詳しく語ってくれた。

    番組出演後、番組内では話せなかった森保ジャパンの改善点や佐藤寿人さんイチオシの古橋亨梧(セルティック/スコットランド)の特徴・活かし方を自身の経験を交え、事細かに語ってくれた。

    そして、広島時代にともにJリーグ3連覇を成し遂げた日本代表・森保監督についても「勝ってほしいからこそ」と、恩師へ愛のある提言が。

    佐藤寿人 インタビュー

    ーーW杯最終予選、日本代表の2勝2敗という成績は

    望んでいた結果ではないし、今の代表メンバーを見ればもっと結果を出せる選手たちだと思います。もちろんそこは選手たち自身が一番強く感じていることだと思うし、監督の森保さんもこういう結果になると思ってはいなかったと思います。

    ただ結果として出てしまった以上は、この後の試合で全員が責任を持って結果で変えていくしかないと思います。悪い結果を出したということは変えていくことも自分たち次第でできると思います。

    ーー4試合を見て気になるシーンや現状こうなっている原因は

    中々競争が感じられないです。どうしてもメンバーを固定している部分は正直OBとしても感じます。そこのチーム作りもあると思うのですが、けが人が出たり出場停止があったり、色々な不測の事態が予選を戦っていく上では起こり得ることですから、メンバーを固定するだけでなくてその時に良い状態の選手がピッチに立つこと。

    そういった判断で言うと、自分はサンフレッチェ広島時代に森保さんと一緒に仕事をしていてそういう競争を促すことが上手い監督さんだったと思うので、クラブと代表の難しさを感じているのかなと思います。

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    ーーやはり最終予選のプレッシャーは相当なものか

    プレッシャーはあると思います。やはりある程度W杯に出て当たり前と見られている部分もありますし、前回大会のベルギーとの死闘を考えると、そこからどれだけ世界との差を縮められたかにフォーカスしていかなければいけない。

    このままだとどうしても「まずW杯に出るんだ」という今まで見ていたところよりも若干下の部分というか、下がった目標に修正していかなければならないということになりかねないです。

    もちろんW杯に出る為でなく勝って結果を出す為、と高い意識を持ってプレーしている選手もいます。2次予選と最終予選のプレーの強度の違いもあって、やはり2次予選はスコア的にも大味な試合が多いですし強度がない試合をやっていると中々代表チームの強化に繋がらない。アジアでの戦い方の難しさは今後出てくるのかなという感じです。

    ーー古橋亨梧選手(セルティック/スコットランド)はどういう選手?

    J2(当時の)FC岐阜の時は自分でボールを持って前線に仕掛けてシュートを決めるという選手でしたが、神戸に移籍してイニエスタ選手たちとプレーをしてからはよりゴールに直結した動きの上手さ、オフ・ザ・ボールでシュートシーンを作ってゴールを奪う。そういうシーンを今シーズンは開幕から結果として残してきたので評価されて、セルティックに移籍しました。

    海外初挑戦の中でもゴールという結果を残しています。今一番得点を奪うことができる選手を、一番得点が奪える位置で使うというのは一番重要なことであって、そのストロングポイントを活かさない手はないと思います。

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    ーーフォワードを活かすパサーはストライカーにとってやはり重要か

    そこは非常にリンクする部分で、良い中盤の選手が良いストライカーを育てていく。逆にストライカーが動き出しをすることで中盤の選手を育てていくことに繋がります。そういった意味では、代表チームでももっと得点を奪えるシーンを作っていくということが求められると思います。

    代表チームは、特に2列目のところでボールを持てる選手が多いので、いかにその一つ前のポジションで色々な選択肢をチームとして持てるか。もちろん大迫(勇也)選手のポストワークが起点になったり、古橋選手の一番前のところでより直線的にゴールに向かって引き出せる動きだったり、選択肢を組み合わせる中でベストを作っていくことが今後求められると思います。

    ーー大迫選手と古橋選手のツートップについて

    二人とも得点を奪う術を持っています。いかにボールをエリア内に入れていくか、いかにシュートを打てるポイントにより多く入っていくかというところでは二人同時に使わない手はないかなと思います。

    今までは大迫選手が最前線にいると古橋選手がサイドでプレーすることが多いので、そうするとゴールに直結すると言うよりかはゴールの一つ前でのチャンスメイクという本来得意ではないプレーをやらせてしまうのでちょっともったいないかなと思います。

    ツートップだけでなく縦関係でもいいんですが、よりゴールに近いところでプレーすることで1つのプレーに対してダイレクトプレーで動き出しをしてシュートシーンを作っていく。

    また、それに対して2人の関係性でゴールを奪うこともできますし、1人が動くことで守備陣はそちらに対して対応しなければならないのでエリア内に空間が生まれる。サイドで動いて空間を作るよりも限られたゴール前での空間で動きを作っていってシュートシーンを作る方が、古橋選手を前で使うという意味では効果的だと思います。

    ーー佐藤さんにとって「この選手がいたからここまで来られた」という存在の選手はいる?

    サンフレッチェ広島時代では後輩の青山敏弘選手。彼と一緒に成長してきました。

    代表では中村俊輔選手と一緒にプレーしたことです。俊さんははいかに世界と戦うか、常に世界基準のイメージを持ってフォワードに求めていてくれていました。アジアではなく世界と戦うためにはフォワード発信で動きをしていく、それに対して中盤の選手が意識して早いタイミングで高いレベルに合わせていく。俊さんはそれが大事だということを説明してくれていたので、俊さんとの出会いは大きかったですね。

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    ーー佐藤さんは目が合ったらパスを出してくれると思っていた?

    僕はそれまでは出し手の選手がパスを出せる状況の時にようやく走るという、国内であればそれでよかったのですが、世界だとそれでは相手が対応してきてしまう。その前に動いて、その動きに対してパサーが反応するという風に国内と海外では考え方を変えないといけないと言われましたね。

    ーー今後、森保監督について期待すること

    プレシャーがかかる代表監督という仕事だし色々な雑音はあると思うんですが、クラブで監督されていた時は競争力を持って仕事をされていたと思います。

    またそういった競争のあるチームを作り上げていってほしいですし、選手と監督として時間を過ごしてきた偉大な先輩なので、この苦しい最終予選を勝ち抜いていってほしいです。時には今のような厳しい状況があると思うんですが、強い気持ちで立ち向かって行ってほしいです。

    ーー佐藤さん自身は今後何をしたい?

    得点を奪える選手は今でも横浜Fマリノスの前田大然選手とか出てきていますが、もっともっと点の獲れるストライカーが出てきてほしいですし、そういった選手を一人でも多く指導していくことは直近の自分のやりたいことでもあります。

    指導者以外にもサッカー界に何らかの形で貢献していきたいです。