サッカー日本代表 11月W杯最終予選へ五輪組が増加、変化を見せたチーム編成で上げたい得点力

サッカー

2021.11.5

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    森保一日本代表監督 Photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

    サッカーワールドカップ2022年大会の出場権をかけた11月のアジア最終予選でベトナム戦(11日、ハノイ)とオマーン戦(16日、マスカット)に臨む日本代表メンバーに、ベルギーで活躍するMF三笘薫選手(サンジロワーズ)とJリーグ2連覇に貢献したMF旗手玲央選手(川崎)が初選出。

    五輪代表で共に戦ったFW上田綺世選手(鹿島)とFW前田大然選手(マリノス)も2019年以来の代表復活で、これまでとは少し顔ぶれが変わったメンバーで日本は勝利が求められるアウェイ2連戦に臨む。

    これまであまりメンバー構成を変えることがなかった森保一監督だが、今回は少し様子が違う。4強入りした東京オリンピックを戦った顔ぶれが増えて、五輪代表メンバーは12人を数える。併せて、国内組も10月の5人から10人に増えた。

    五輪組では三苫選手、上田選手、前田選手ら前線の選手の加入となり、旗手選手は左サイドバックもこなせる守備力も魅力。10月のオーストラリア戦で先制ゴールを決めて勝利に貢献した田中碧選手とともに、B組最小の4戦3得点と低迷する攻撃の活性化に期待がかかる。

    森保監督は三笘選手について、「欧州で戦う中で力をつけてきている。彼の攻撃力は武器になる」と話し、守備のインテンシティを上げてほしいとしながらも「所属チームではウィングバックとして、かなりハードワークしなければならないポジションをしっかりこなせている。厳しい最終予選でも力を発揮してくれるだろう」と期待を寄せた。

    なお、負傷離脱中のMF久保建英選手(マジョルカ)は引き続き選出されなかったが、10月の招集を負傷で見送っていたMF堂安律選手(PSV)が、4日のUEFAヨーロッパリーグのモナコ戦に途中出場し、約1カ月ぶりに実戦に戻った。森保監督も、コンディション次第で堂安選手の追加招集の可能性を示唆している。

    また、五輪組ではないが、負傷の影響が懸念されていたFW大迫勇也選手(神戸)とMF伊東純也選手(ヘンク)も選出され、FW古橋亨梧選手(セルティック)、MF南野拓実選手(アーセナル)らとともに27人のメンバー入りした。

    「土俵際の戦い」

    一方、国内組の増加は、初戦がベトナムであることから、移動や時差調整の負担の少なさも考慮された可能性がある。

    ベトナムでは現在もコロナ禍による国際線の就航制限があるため、今回は欧州組でも所属クラブでの試合日程が早い者は、一度日本へ入ってからの移動となる。それ以外の欧州組で試合が週末遅いタイミングの者は、オランダに集合してチャーター便でハノイに入る予定で、現地でのチーム合流は試合2日前になるという。

    今回の最終予選で、日本は9月と10月シリーズでそれぞれの初戦となったオマーン戦とサウジアラビア戦を落として、現在2勝2敗でグループ4位に低迷している。

    無条件で本大会の出場権を獲得するにはグループ2位以内に入らねばならず、現在2位につけるオーストラリアとの勝点は3差。予選は6試合を残すが、2位浮上のためには、もう勝点を落とすことはできない「土俵際の戦い」(森保監督)が続く。

    ベトナムとの対戦は2019年1月のアジアカップ準々決勝以来で、日本が1-0で勝利した。現在チームは今予選では4戦4敗でグループ6チーム中6位に沈む。

    だが、森保監督は「前回、日本は苦戦した。2019年のチームよりもかなりレベルアップしている。今回も難しい戦いになると思う」と警戒を崩さず、「相手以上の戦いができるように、メンタル面でも準備しなければならない」と話す。

    その言葉には、心身ともにコンディションが整わずに星を落とした9月初戦の経験も滲む。今回の2連戦の初戦で、Jリーグで好調な選手を活かして結果を求めることは、チームに新たな可能性をもたらすことにもなるだろう。

    国内組の中で今回加わった5人のうち、旗手選手、DF谷口彰悟選手、DF山根視来選手は、圧倒的な質の高さと強さでリーグ2連覇を達成した川崎からの選出だ。ボランチもこなす谷口選手と山根選手は、それぞれ今年6月と9月以来の代表復帰となる。

    彼らのほかにも、今夏まで同僚だった三苫選手と田中選手、さらに昨季まで所属したMF守田英正選手など、フロンターレ出身者は今回8人を数え、代表チームでも存在感を増している印象だ。

    新たなオプション

    なにより、川崎は10月のオーストラリア戦で採用した4-3-3を得意としている。オーストラリア戦では田中碧選手が元同僚の守田選手とともに、中盤の底を務めたMF遠藤航選手の両脇でプレー。遠藤選手も所属先で馴染んでいるシステムで中盤の機動力が上がり、日本は2-1で勝利。新たなオプションも手にした。

    「9月、10月の反省を踏まえて臨まなければならない」と話す森保監督は、「欧州から集まる選手と日本から集まる国内組の選手でコンディションは多少違うところがあると思う。どういう戦いでも選択できるように招集した」と説明した。

    「4-3-3に特化したメンバー選考ではない」としたが、指揮官は「オーストラリア戦で内容的にもチーム状態が上がってきて、結果も伴っている。流れはできるだけ大事にしていきたい。現地で選手のコンディションなどを見て、戦い方の形は選択したい」と話し、活路も見出している様子だ。

    チームは週明けの8日月曜からハノイで練習を始める。ベトナム戦後はすぐに移動に入り、12日からオマーンでの調整となる。再びの長距離移動と時差調整があり、暑さの中での戦いでもある。素早いリカバリーが鍵になることは言うまでもない。

    森保監督は、「選手のコンディションを見極めて、選手には普段とは違う環境でプレーしなければならないことをしっかりインプットしてもらえるようにしたい」と選手の理解と事前調整を促している。

    なお、代表活動は今回の遠征で年内は終了。年明けは1月下旬から最終予選が再開し、3月下旬までに残る4試合を戦う。

    日本代表指揮官は、「一戦一戦、全力を出し切って戦うことで最高の勝点を勝ち獲り、最終的に出場権を勝ち獲ることができるという強い思いを持って臨みたい」と話している。

    取材・文:木ノ原句望


    日本代表メンバー
    【GK】
    川島 永嗣(RCストラスブール/フランス)
    権田 修一(清水エスパルス)
    谷 晃生(湘南ベルマーレ)

    【DF】
    長友 佑都(FC東京)
    吉田 麻也(サンプドリア/イタリア)
    酒井 宏樹(浦和レッズ)
    谷口 彰悟(川崎フロンターレ)
    山根 視来(川崎フロンターレ)
    室屋 成(ハノーファー96/ドイツ)
    板倉 滉(シャルケ04/ドイツ)
    中山 雄太(PECズヴォレ/オランダ)
    旗手 怜央(川崎フロンターレ)
    冨安 健洋(アーセナル/イングランド)

    【MF/FW】
    大迫 勇也(ヴィッセル神戸)
    原口 元気(1.FCウニオン・ベルリン/ドイツ)
    柴崎 岳(CDレガネス/スペイン)
    遠藤 航(VfBシュツットガルト/ドイツ)
    伊東 純也(KRCヘンク/ベルギー)
    浅野 拓磨(VfLボーフム/ドイツ)
    南野 拓実(リバプールFC/イングランド)
    古橋 亨梧(セルティック/スコットランド)
    守田 英正(CDサンタ・クララ/ポルトガル)
    鎌田 大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
    三笘 薫(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー)
    前田 大然(横浜F・マリノス)
    上田 綺世(鹿島アントラーズ)
    田中 碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)