髙木美帆 金メダル「今大会は迷ってしまった時間があって、平昌よりも苦しかった」【五輪スピードスケート】

その他

2022.2.18



北京オリンピック スピードスケート女子1000mで個人種目で悲願の金メダルを獲得した髙木美帆(27=日体大職)が18日、記者会見を行った。

今大会では4つ目、五輪を通しては自身7つ目のメダルを手にした。

■メダル獲得記者会見

今回のオリンピックで4つのメダルを獲得することができたんですが、まずは無事に最後まで走り切ることができて良かったなと思います。

また、最後の種目で金メダルを獲ることができたのは私だけの力では成し遂げることができなかったと強く思っていて、チームの力の強さを証明できた金メダル、みんなで獲れた金メダルだったと感じることができていてそれも自分の中で嬉しく思うところです。

ー大会が始まった頃「複雑な思いがある」と言っていたが

気持ち的には3000mや1500mはすごく前のことのように感じていて、どういう気持ちでその言葉を発したっけな?と今思っている自分がいるんですが、多分その複雑な思いはヨハン(コーチ)がリンクの上にいないことや、自分が調子を上げ切れていないけれどそれを全部のレースが終わるまでは言葉にしたくないという思いがあったので、そういう表現になったのかなと今は思います。

それでも1500mでは思い描いたような滑りができなかったということは私の中で消えずに残っています。でも最後、1000mで渾身のレースができたことは「やり切った」と思える要因になっています。

ー前回の平昌オリンピックとの違いは

難しいですね。終えてみて、また全然違うオリンピックだったとはすごく感じるんですが。でも今回のオリンピックは平昌より苦しんだ時間が強かったなと思います。

平昌オリンピックの時は「果たさなきゃいけない」と思ってレースに臨んでいるところもあったのでそういうプレッシャーの重さはありました。それでも滑っていて迷ったりはしなかったと覚えているので、今回は序盤の方で自分の中で迷ってしまった時間があったのでしんどかったです。

ーその迷いはどういうところだったか

3000m、1500mの時は、周りの人からも「あそこまで迷っている美帆を中々見たことがなかった」と終わってから言われたり、「顔が暗い」と家族から言われたりしていました。終わってみて自分を信じる気持ちを持ち切れなかったところが大きかったなと思います。

ーナショナルチームでの強化について

ナショナルチームは環境としてもすごく整っているなと感じていて、私にとって必要だと感じるものがすごくたくさんある場所だと感じています。

私はナショナルチームが結成された当初からずっと所属させてもらっているんですが、日本を背負って戦ってきた先輩方が背中を見せながら更に若手を引っ張って行ってくれるような、選手同士の見えない場面での刺激や助けが意識の高いところで行われていることが大きいと感じています。

あと、スピードスケートは体を酷使するスポーツなので、コーチのトレーニングの組み立てやトレーナーさんの体のサポートだったりが重要ですが、全てが質の高いところで行われていて私にとっては大きな場所だと思っています。


高木美帆 Photo by Douwe Bijlsma/BSR Agency/Getty Images

ー昨日のレース後はパシュートの選手達にどんな言葉をかけられたか

私が部屋に戻った時は誰もいなくて「あ、誰もいないなー」と思いながらその後の取材対応の準備をしていました。

姉(髙木菜那選手)は途中で部屋に入ってきたんですが、「お疲れ!おめでとー」といつも通りな感じでした。佐藤選手(佐藤綾乃選手)は少し会えた時に、「美帆さーん!すごく感動しました!」という言葉をもらい、押切さん(押切美沙紀選手)からも「おめでとう。お疲れ様」と言ってもらいました。

ー日本のスケート選手に勇気を与えたことについて

他の日本選手がどう感じているのかは分からないですが、私が強くなり始めたきっかけになった言葉が、海外選手が活躍しているのを見た時にヨハン(コーチ)が言った「同じ人間ができていることなのに、何で自分もできると思えないんだ?」というさりげない質問でした。

その言葉は後々自分の中で大事な言葉になっていて、「自分もできる」と思えることは色々な面において大事なことだと感じます。私の活躍を見て、勇気や原動力を少しでも感じてもらえていたら嬉しいなと思います。

ーオールラウンダーとしての競技に対する姿勢は今後も貫いていくのか

私の中では3000mを考えた時にまだ上位との差があるなと感じているので、オールラウンダーになれたかと言われるとまだそこまでなんじゃないかなと思います。

これからのことというのは、私の中で決めるものではなくて沸き上がってくるものなので現時点でどうというものはないんですが、とりあえずこの後に世界オールラウンド選手権(3月)があるので、挑戦していきたいと今は思っています。