カーリング女子日本 銀メダル「苦しい舞台を楽しむことは覚悟がいること。まずは自分達が楽しむ」【北京五輪カーリング】
2022.2.21
銀メダルを獲得した(左から)吉田知那美、吉田夕梨花、藤澤五月、鈴木夕湖、石崎琴美
北京五輪 最終日の20日、日本代表(世界ランク7位・1次リーグ4位)が英国(同9位・1次リーグ3位)と決勝で対戦。日本は英国に3-10で敗れて悲願の金メダル獲得とはならなかったが、日本カーリング史上初の銀メダルを獲得の快挙を果たした。
試合後に石崎琴美、吉田夕梨花、吉田知那美、藤澤五月、鈴木夕湖の日本代表5選手が記者会見を行った。
■メダル獲得記者会見
ー今の気持ちは
石崎琴美選手:今日の決勝戦に関しては、中々自分達の良い形が作れずに難しいゲームになってしまったんですが、この大会を通して4人が本当に良く踏ん張ってくれて、予選を通過して決勝まで来るというすごいことをしてくれたなと思っています。
このメンバー選手5人、コーチ、トレーナーさんの8人、そして支えてくださる皆さんと共にこの大会を無事に怪我なく終えることができて良かったと思っています。
鈴木夕湖選手:試合が終わった後は負けたことよりも納得のいく試合ができなかったことが悔しかったんですが、4年間やってきて北京に来たチーム8人とここには来ていない麻里ちゃん(本橋麻里さん)やトレーナーさんやたくさんの人に支えられてここまで来られたので、帰ったらみんなに感謝の気持ちと銀メダルを見せに行きたいです。
藤澤五月選手:今の気持ちは嬉しさ半分、悔しさ半分です。
吉田知那美選手:全ての試合を終えて良く戦ったなと今は思います。この北京オリンピックはもう二度となくこの一瞬だけの時間で、このオリンピックのことを思い出す時には嬉しかった感情だけを思い出したいなと思っています。
最後の試合はすごく悔しかったんですが、これもまた神様がくれた成長するチャンスと思うしか進む方法はないと思っています。今は良く頑張ったと自分達を褒めたいと思います。
吉田夕梨花選手:試合を終えた直後は自分達のベストパフォーマンスでなかった分、悔しさがたくさんあったんですが、時間が経ってコーチ陣と会った時に笑っていたので、負けてもらうメダルではあったんですが人をハッピーにさせる銀メダルもあるんだと実感して少しずつ嬉しくなってきました。
ー吉田知那美選手、試合が終わった後にリンクを見つめていたがその思いは
吉田(知):これで最後と分かってリンクに来たんですが、持っているものを全部あのリンクに置いてきたかった気持ちでした。やっぱり全てが自分の思った通りになる訳ではないので、正直「もう一回やりたい」と思ってしまいました。
ー石崎選手からかけられた言葉で印象的な言葉は
鈴木:琴美ちゃんは本当に私達にたくさんの言葉をかけてくれたんですが、、、100個くらいあって言い切れないです(笑)。
石崎:あれ?大丈夫?ない?(笑)
藤澤:私は琴美ちゃんが毎試合試合前にかけてくれる言葉でハッとさせられることがあるんですが、どちらかというと言葉以上に琴美ちゃんと目が合った時の安心感にいつもすごく助けられています。
ー藤澤選手、右手の甲にどのような言葉を書いていたのか
藤澤:今日は特に試合の前半から点を取られて苦しい展開で、若干自信を失いそうになったんですが、そんな時にJD(コーチ)からの「Trust yourself.」という言葉がここに(手の甲)書いてあって、どういう結果になろうとも自分を信じて投げ切ろうと思えました。
カーリング日本チーム Photo by Lintao Zhang/Getty Images
ー藤澤選手、この4年間の重圧と本橋麻里さん(前回平昌五輪メンバー)の存在について
藤澤:まず日本代表になることが私たちにとってはすごく大きな壁でした。それぐらい日本のレベルが上がったことも誇りなんですが、ここに来るまでに日本の色々なチームと試合をして成長させてもらって、たくさんの負けがあったからこそこの最高の舞台でメダリストになることができたので、まずは日本のカーラーの皆さんに感謝したいなと思います。今回のこのメダルは私達だけのものではなくて、支えてくれたみんなで獲ったメダルだと思います。
麻里ちゃんは平昌オリンピックが終わってからロコ・ソラーレの選手としてではなく、チーム全体を支える人として役割を変えていたんですが、チームの一員としてずっと忘れずにいてくれて私達もそう思っています。
昨年9月の代表決定戦の際には、改めて麻里ちゃんの偉大さや麻里ちゃんの思いも感じました。その気持ちを持ってこの大会に臨むことができました。
今日の試合前にも麻里ちゃんと話すことができて「思い切りやってきて」と言ってもらえたので、結果はこうでしたが麻里ちゃんの思いも全員で背負って戦うことができたかなと思います。
ー吉田夕梨花選手、藤澤選手の「最後まで頑張ろう」という言葉に励まされたと言っていたがその気持ちは
吉田(夕):相手のチームの調子も良く点数も離れてしまったところでいつでも投げやりにはできる試合ではあったんですが、ロコ・ソラーレの選手の一人として、誰しもが立てる場所ではないし4年前にどうしても乗りたかった場所にいるので一投も無駄にはしたくなかったです。
最後はコンシード(相手チームの勝利を認めること)でしたが、そうなる最後の一投までは頑張ろう、戦う意思はあるし何でも掃く、大丈夫と私自身にかけた言葉でもありました。
ー鈴木選手、気丈に振る舞っていたように見えたが
鈴木:今日の試合、やり切って負けていたら泣いていたかもしれないですが、実力を出しきれずに負けてしまったので不完全燃焼だなという顔でした。
もっと私のところでチャンスを作れましたしスイープも小さいミスをしてしまったので、自分の未熟さを改めて感じた試合でもありました。
ー決勝の舞台に立てたことが今後にどのような影響を及ぼすか
鈴木:改めて世界一を決める大会で優勝したいなという思いが強くなりました。
藤澤:もし今自分に声をかけるなら、「絶対いつかまたこの舞台に戻って来い」と言うと思います。
吉田(知):オリンピックはトップチームばかり集まっていて、氷の上では戦っているんですが、先ほどもチームスウェーデンが「今は悔しいと思うけど、あなた達は素晴らしいから大丈夫」と声をかけてくれたり、私達が喜んでいいのか複雑な気持ちだったプレーオフ進出の時もジェニファー・ジョーンズ選手(カナダ)が「あなた達ならちゃんと戦えるから大丈夫。応援しているから頑張るんだよ」と声をかけてくれました。
私達はカーリング選手として戦っているというよりもパフォーマンスし合っている。このカーリングという競技は素晴らしくて、大好きだなと再確認できるオリンピックになりました。
私達は誰一人として満足はしていないので、今日またここから始まるんじゃないかなと思っています。
吉田(夕):決勝は観客の方々が私達の試合だけを見ている。そのプレッシャーや緊張感、息の詰まるような空気感が意外と私は好きなんだなと思いました。誰しもが経験できることではない、2チームしかそこに上がれない。ファイナルは特別な空間だったので心地良いなと、幸せを感じる場所なんだなと思いました。
ー皆さんの笑顔がたくさんの人を明るくしていることについて
吉田(知):このオリンピックに入る前麻里ちゃんと電話した時に、「誰もメダルがほしいなんて応援している人は思っていない。ロコ・ソラーレのカーリングが見たいから」と声をかけてもらいました。ジェニファー・ジョーンズ選手も「あなた達のカーリングが好き」といつも言ってくれます。
強くなる為に色々なことをやってきていますが、何で私達がカーリングをやっているのかという根底のところ。この競技が好きでこのチームが好きだからということ。まず一番に自分達が楽しむということを絶対に忘れてはいけないとこのオリンピックを通して再確認しました。
私達がどう映っているのかは分からないですが、苦しい舞台を楽しむことは覚悟がいるのでそれだけは大切にしていきたいと思っています。