【大阪杯】伏兵ポタジェがV!現役最強と超新星の2強を粉砕した”いつもの”レーススタイル

2022大阪杯 ポタジェがGI初制覇 写真:東京スポーツ/アフロ
第66回大阪杯回顧
戦前から「4歳馬同士の2強対決」と評判になっていた今年の大阪杯。
昨年の年度代表馬であるエフフォーリアに同じ年の遅れてきた超新星、ジャックドールがどこまで迫るかが最大の焦点となり、単勝オッズもエフフォーリアが1.5倍ならジャックドールは3.7倍というマッチレース状態だった。
3番人気に支持されたのは昨年のこのレースの勝ち馬レイパパレだが、そのオッズはギリギリ10倍を切る9.2倍。4番人気以下は単勝20倍以上と、馬券を買った多くのファンはこの2頭のどちらかを支持していた。
【大阪杯】まさかの大波乱!ポタジェがGI初制覇!2強エフフォーリアは9着、ジャックドール5着
4歳の2強ばかりが目立ったが、今年の大阪杯は出走16頭中、GI馬が4頭、重賞勝ち馬は12頭がエントリーするという春の中距離GIらしい豪華なメンバーが揃っていた。
それだけに重賞勝ちすらない4頭は勝負にならないと思われたが......その中で最も支持を受けていたのが8番人気のポタジェだった。
半姉にオークス2着馬のルージュバックがいるとはいえ、3歳時はクラシック戦線とは無縁で、ポタジェが重賞に顔を出すようになったのは4歳から。
これまで重賞では6戦してきたが、結果は[0・1・2・3]。掲示板を外したのは昨秋の天皇賞(秋)の6着だけと堅実に上位には来るものの、あと一歩が足りないために掲示板内にとどまるのが精一杯――それがポタジェのキャラクターだった。
だから大阪杯当日も勝ち負けをどうこう言われるというよりも、ヒモで押さえておきたい穴馬という評価が精一杯。
勝つのは難しいけれど、3着ならあり得ると評されたからこそ重賞未勝利の5歳馬がこのメンバーに混じって8番人気に推されたとも言える。
さて、レースはというとスタート直後からジャックドールがいつものようにハナを奪いに行く中、ウインマリリン、レイパパレ、そしてアフリカンゴールドまでもが競りかけていくという展開に。
逃げ・先行策を得意とする馬たちが4頭も先頭を争ったためか、本来なら番手につけたいはずのエフフォーリアは後ろに構えた。
昨年の有馬記念で後方から動くレースは経験しているとはいえ、明らかに本意ではない位置取りでのレースとなったこの時点から、リズムを崩し始めていたのかもしれない。
走りにくそうにしていたのはエフフォーリアだけではない。先頭を走って一見、いつも通りのレースに見えたジャックドールもまた苦しいレースとなっていた。
ハナこそ切れたが、すぐ後ろにはアフリカンゴールドにウインマリリン、そしてレイパパレに突かれながらの逃げはいつも以上にペースを速めなければならず、それが1000m通過タイム58秒8という記録につながった。
走りづらそうにしている4歳馬2頭を尻目に流れに乗っていたのがポタジェ。
先行馬がペースを作るすぐ後ろの5~6番手で折り合う姿は条件戦を勝ちあがってオープン入りした当時のレース振りと酷似したもの。勢いに乗っていたあの当時を思い出す走りで徐々に差を詰めていった。
3コーナーを過ぎ、馬群は最後の直線へ。各馬がエンジンをかけ猛追していくという勝負所でもたついてしまったのがエフフォーリア。
差し馬には有利となりそうな速いペースとなったのでここから上がってくるかと思われたが、鞍上横山武史の手綱さばきのアクションの割に反応がない。迎えた直線ではたった1頭交わしただけでゴールをせざるを得なかった。
大本命の王者が直線でもがく中、必死に先頭をキープしていたジャックドールだったが、間もなく後続馬たちに飲み込まれてジ・エンド。
内ラチ沿いをキープして必死に粘ろうとするが、それでも掲示板内の5着に食い込むのが精一杯だった。
「2強対決」と称された戦前の下馬評が粉々に崩れた中、先頭に立ったのは昨年の勝ち馬レイパパレ。
後続を突き放した昨年ほどの鮮やかさはないが、他馬を寄せ付けまいとする闘志漲る走りはディフェンディングチャンピオンにふさわしいものだった。
そのレイパパレに迫っていったのがすぐ後ろにいたポタジェ。
逃げの手を取りに行った4頭を一番近くで見ながら流れに乗って、直線では持ち味であるキレる脚を繰り出して先頭に立つといういつも通りのレース運び。これまでの重賞ではなかなか通用しなかったいつもの戦法がまさかの大舞台で炸裂した。
ゴール目前、ポタジェは必死に踏ん張るレイパパレを交わし、外から迫ってきたアリーヴォを振り切ってゴール。
念願の重賞制覇をGIで見事に果たして見せた。ちなみに2着のレイパパレに付けたタイム差はわずか0.1秒。勝つときは常に0.2秒以内という接戦ばかりをモノにしてきたこの馬らしい勝ち方だった。
まさかの大波乱を巻き起こしたポタジェ。しかし、鞍上を務めた吉田隼人は「賢い馬で、レースセンスがある」と語ったようにこのくらいの走りをするのはさも当然と言わんばかりのコメントを残した。
インタビュー冒頭に「一発狙ってやると思っていた」と語ったように、もしかしたら2強対決と言われた戦前の下馬評に対して、思うところがあったのかもしれない。
「俺たちを忘れるな」と。
■文/福嶌弘

第66回大阪杯(GI)着順
4月3日(日)2回阪神4日 発走時刻:15時40分
着順 馬名(性齢 騎手)人気
1着 ポタジェ(牡5 吉田隼人)8
2着 レイパパレ(牝5 川田将雅)3
3着 アリーヴォ(牡4 武豊)7
4着 ヒシイグアス(牡6 池添謙一)5
5着 ジャックドール(牡4 藤岡佑介)2
6着 スカーフェイス(牡6 岩田康誠)15
7着 アフリカンゴールド(せん7 国分恭介)11
8着 ステラリア(牝4 福永祐一)10
9着 エフフォーリア(牡4 横山武史)1
10着 アカイイト(牝5 幸英明)4
11着 キングオブコージ(牡6 横山典弘)6
12着 ショウナンバルディ(牡6 坂井瑠星)16
13着 レッドジェネシス(牡4 藤岡康太)12
14着 マカヒキ(牡9 岩田望来)13
15着 ヒュミドール(セ6 M.デムーロ)14
16着 ウインマリリン(牝5 松岡正海)9
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。