岩隈と川﨑が伝授!審判とのコミュニケーション法「メジャーでは顔に出すとリストに載る」大谷翔平&佐々木朗希の共通点も語る

野球

2022.4.26

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    <2022年4月24日 オリックス 対 ロッテ @京セラドーム>

    ここまで17イニング連続パーフェクト中だった佐々木朗希投手(20)。苦しみながらも5回2失点で3勝目をあげた。

    この日試合中に注目されたのは、白井球審がマウンド上の佐々木投手に詰め寄ったシーン。NPBそしてMLBで活躍、経験豊富な先輩・岩隈久志と川﨑宗則が審判との上手なつき合い方を伝授する。

    岩隈久志と川﨑宗則 インタビュー

    ー大谷翔平投手と佐々木朗希投手のピッチングをどう見ていた?

    川﨑:バッターとしては、すごく対戦したくないと思いました。顔も見たくないというくらい恐ろしい球を投げていると思います。

    岩隈:すごいですよ、2人とも。真っ直ぐは160キロを投げてそれだけでもすごいんですが、分かっていても空振りにする力があります。

    その中で佐々木投手は完全試合をやったり、大谷投手も1安打に抑えたり。自分の持ち味をしっかりと持ってピッチングができていることが素晴らしいです。

    ー大谷投手と佐々木投手の恐いと感じる共通点は?

    川﨑:やっぱり岩手出身のところです。2人とも寒い中で一生懸命トレーニングしてきていて、寒さを耐え抜いてスクスクと大きくなったところが素晴らしい共通点だと思います。

    岩隈:(笑)。真っ直ぐがとにかく速いところが2人の共通点で、一番の魅力の部分だと思います。

    ー佐々木投手に審判が詰め寄ったシーンはどう感じた?

    岩隈:審判も人間なので。僕らやる側としたら、(審判が)ボールと言えばボールなんですよね。例え何となく入っているように見えても。それは従うべきかなと。

    なぜかと言うと、ピッチャーはメンタル的に自分の調子が悪いなとかコントロールが上手くいってないなとかカウント取ってほしいなという時に、良いところに投げてボールと言われたら「あー取ってほしいな」と少し表情に出たりもするんです。

    でもそれは仕方ないですよね。そこで学ぶべきところだと思うんです。そういったところでメンタルを乱されないように、自分で作り上げていけると良いんじゃないかなと思います。

    ー岩隈さんも顔に出したことはある?

    岩隈:ありますよ、若い頃は。でもボールはボールなんで仕方ないですよね。ジャッジが覆る訳でもないので。そこで切り替えるようにしていました。

    たまに確認もしていましたね。ボールと言われた時に、高いのか横に外れているのかという確認はしたことがあります。それで納得できるので。

    決めにいった球がボールと言われるとあぁ...と思う時はありますけど、実際に後で映像を見返してみるとやっぱりちょっとボールだったなとか。入っているかもしれないなと思うことも多々ありましたけど、審判も人間ですので。

    そこは審判が言ったことに従っていくというか、そこでジャッジされたものをしっかりと受け止めてやっていかないと、メンタルが崩されて投球のバランスも崩れていってしまうので。そういう経験もしてきました。

    川﨑:僕なんかアメリカでヘルメット投げて退場になったことありますから。審判も人間だけど選手も人間だから、朗希君の気持ちも分かるんですよ。真剣にやっているから。だから僕は失敗した人として言えることです。

    ただやっぱりそこはルール上ちゃんとあるんだよって、失敗した先輩から。本当に間違いないです、朗希君。(首を横に振り何度か頷く)

    岩隈:でもあれは審判の方が前に出るのも分かりますよ。お互い戦っているので、ピッチャーもストライクを取ってほしいと思う部分もあって。

    マウンドに寄ってくるということはほとんどなかったですけど、野手だと結構あるじゃないですか。判定に対して何か言いながら戻る時に審判が付いて行って、一言言ったら「退場!」みたいな。それと一緒のようなものですよね。

    ピッチャーだと(マウンドまで)距離があるからあまり来ないだけで、そういうこともあり得ることなので、だからこそ審判のジャッジにはなるべく左右されないで自分のメンタルコントロールをできるようになると、審判も味方につけるとかいうこともできるようになると思うんです。

    ボールと言われて顔に出すとやっぱり(その後)取ってくれなくなるんですよね。それはもちろんあります。だからその辺の審判を味方につけるというか、あとは審判が低めを取るのか高めを取りやすいのかとかをしっかり頭に入れて投げにいく。これも経験だと思うんですけど、これを覚えていくと良いと思います。

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    ー審判と挨拶するなど、コミュニケーションをとるとプラスになるもの?

    川﨑:プラスというか、人と会ったら挨拶したいからですよね。審判にプラスとかじゃないです。会って「今日はよろしくね」って。

    (試合も)作品の一つじゃないですか、同じ舞台で共演する仲間じゃないですか。だから会ったら「よろしくね。今日は2時間で終わるといいね~」とか言ったりしますよ。

    僕はいつも言ってた。審判とキャッチャーと一緒になって「2時間で終わるといいね~」「早くそのまま飯食いに行きたいね~」「ハハハ!」って言いながら始まる、みたいな。別に普通の挨拶で媚を売るとかではなくて、人として。

    でも、判定に対するリアクションは審判は一番敏感なんで。日本もそうだけど、メジャーなんか特に厳しいです。すごいっす。だからそこは朗希君も今はそういうのがあっても、これからちょっとずつ勉強していくと思うし、楽しみですよね。またどうなっていくのか。

    ーメジャーの方が審判は厳しい?

    川﨑:厳しい、威厳があるイメージがある。感じがものすごく強い。日本の審判は優しい方だと思う。顔に出したら大変、リストに載るからね。「コイツはよく態度に出すよな」って審判同士で話しているから。

    それだからと言ってはダメなんだけど、さっきもひーちゃん(岩隈)が言った通り人間がやることなんで。そういうこともあり得るのかもしれませんね。

    岩隈:僕は「審判がボールだと言えばボールだ」ということに気付けたというか、コーチにももちろん教えてもらったりもしていたので。

    なるべく僕は審判の顔と名前を覚えない。特徴を逆に覚えないようにする。例えば今日はここを取ってくれるということは頭に入れますけど。日本だと名前と顔が覚えやすいじゃないですか、でもあんまり覚えなかったですね。

    「今日の審判はこの人だから」というのはなかったですね。それをするとやっぱりメンタルが乱される気がしていたので覚えないようにしていましたね。

    メジャーに行ってもその辺は変わることはなかったですね。審判にもリスペクトするというか、ボールをもらう時も帽子を取らないにしてもツバを触って挨拶をしてから投げていたので。

    特にメジャーは、より際どいところ「ボール半個分ボールだろうな」と思ったところを取ってくれれば、その後もとにかくそこに投げたら(ストライクを)取ってくれるので。だからそういう、コントロールが良いピッチャーだという印象を審判に与えることも大事ですね。

    そういう意味を込めての、「審判を味方につける」という感じで投げていました。ジャッジには常に従っていましたね。