【天皇賞・春 みどころ】今や希少になった生粋のステイヤーは誰だ!?

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2022.4.30

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     今年もまた、伝統の春の盾の季節がやってきた。

     国内の平地GIで最も長い距離を走るレースだけに、勝負を分けるのはスピードよりも無尽蔵のスタミナ。それだけに国内で行われるもう1つの3000m以上のGIレース、菊花賞との関連性が深いことでも知られる。

    実際、昨年の勝ち馬ワールドプレミアをはじめ、過去5年の勝ち馬5頭中延べ4頭が菊花賞を制した馬たちだった。

     ならば今年は、タイトルホルダーが勝利に最も近い存在だろうか。

     今は亡きドゥラメンテを父に持ち、半姉に菊花賞で5着に食い込んだ上、今年も春天にエントリーしている個性派ステイヤーのメロディーレーンがいる生粋のステイヤー血統。

    それだけにデビューから一貫して中長距離戦に出走して3歳春には弥生賞を逃げ切り、クラシック戦線へと参戦。皐月賞ではスローペースに落として逃げたことで2着に食い込んだ。

     この馬が本格化したのは3歳の秋。確勝を期したセントライト記念を直線の不利に見舞われて大敗。それで人気を落とした菊花賞では4番人気の支持に甘んじたが、軽快なスタートダッシュを決めて先頭に立つと、あれよあれよという間に念願のGI制覇を達成した。

    ノーマークでの逃げだっただけにフロックのように見られたが、続く有馬記念は5着、明け4歳緒戦となった日経賞でもしっかりと勝ち切ってきたように成長ぶりが見て取れる。

    今の日本競馬界ではなかなか見られない生粋のステイヤーだからこそ、春の天皇盾がふさわしい1頭になったと言えるだろう。

    「生粋のステイヤー」と言えば、昨年のこのレース2着馬であるディープボンドが黙ってはいない。

     3歳春に京都新聞杯を制してステイヤーとしての資質の高さを見せたが、肝心のクラシック3冠は菊花賞4着が最高成績。馬主も毛色も同じコントレイルの影武者のような扱いを受けることもしばしばだった。

     4歳となり、コントレイルとは別の路線を歩むことになったディープボンドは中山金杯でこそ惨敗を喫したものの、雨の中で行われた阪神大賞典では菊花賞で先着を許したアリストテレスを相手に快勝。

    この勢いで昨年は1番人気でこのレースに臨んだが、ワールドプレミアの末脚に屈して2着に敗れた。

     惜しくもGIタイトルを逃す形にはなったが、この1戦はディープボンドの成長に大きくつながった。秋には凱旋門賞へ向かうことになりフランスへ遠征。本番の凱旋門賞こそ14着に大敗したが、前哨戦のフォワ賞では快勝している。

    さらに帰国後の有馬記念では中団から伸びてエフフォーリアの2着。この年の1月に中山金杯を大敗していた馬とは思えないほどの成長ぶりを見せてくれた。

     昨年獲り逃した春の盾を得るべく、今年も阪神大賞典へ出走。すると、単勝1.2倍という断トツ人気に応える形で勝利。

    2着のアイアンバローズに付けた着差こそ3/4馬身とわずかだが、勝負所でしっかりと上がって行ったうえで差し切るという文句のつけようのないレース振り。

    コントレイルが現役を去った今、ディープボンドの存在を満天下に示すチャンスと言える。誰よりも愛する長距離の舞台で思う存分、駆け抜けたい。

     今年の天皇賞(春)は、この2頭が人気を分け合っている形になっているが、伏兵だって当然、黙ってはいない。ましてやこの2頭は今回、天皇賞(春)では不利とされる大外枠である8枠に入ってしまった。それだけに波乱の決着が起きてもおかしくはないだろう。

     2頭をもしのぐ勢いを誇るのが、目下4連勝中のテーオーロイヤルだ。

     初勝利までに4戦を費やしたものの、初勝利の舞台は芝2400m。それから間もなくダービートライアルの青葉賞に挑戦するという強気とも無謀とも取れるローテーションを敷いたが、結果はあわやの4着に好走。

    大器の片鱗ぶりをうかがわせると、休養明けの条件戦から前走のダイヤモンドSまでノンストップの4連勝を記録した。

     2連勝目となった兵庫特別からはスタートからダッシュを利かせた先行策で、持ち味のスタミナを生かすレースを会得。

    重賞初制覇となったダイヤモンドSは54キロという軽いハンデの恩恵があったとはいえ、勝負所でしっかりと動いて押し切るという強いレース運びができたところに成長ぶりを感じさせる。デビュー11年目を迎えた若武者、菱田裕二とともに初GI制覇に向けて機は熟した。

     最後に挙げたいのはメロディーレーン。

    400キロに満たない小柄な馬体で奮闘する姿がファンの心を震わせた彼女も今年で6歳になり、天皇賞(春)の挑戦は今年で3年連続3回目。とうとう弟と一緒に走るようになった。

    過去2年はともに11着に敗れているが、昨秋の古都Sで初めて3000mを超えたレースで勝利を収めた。この舞台を誰よりも知る彼女だからこそ波乱を起こす穴馬としての資質は十分にあるように思う。

    ちなみにメロディーレーンが天皇賞(春)を勝てば1953年のレダ以来、なんと69年ぶりの快挙になるという。牝馬の台頭が目立つ昨今、春の天皇盾も牝馬の手に渡るのか、注目したいポイントでもある。

    今年も天皇賞(春)のファンファーレがターフに鳴り響くまであとわずか。伝統の盾を手にするのは果たして、どの馬だろうか。


    ■文/福嶌弘

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    第165回 天皇賞・春(GI)枠順
    5月1日(日)2回阪神12日 発走時刻:15時40分

    枠順 馬名(性齢 騎手)
    1-1 アイアンバローズ(牡5 石橋脩)
    1-2 ハーツイストワール(牡6 C.ルメール)
    2-3 ディバインフォース(牡6 田辺裕信)
    2-4 ユーキャンスマイル(牡7 藤岡佑介)
    3-5 マカオンドール(牡4 松山弘平)
    3-6 メロディーレーン(牝6 岩田望来)
    4-7 テーオーロイヤル(牡4 菱田裕二)
    4-8 クレッシェンドラヴ(牡8 内田博幸)
    5-9 ヒートオンビート(牡5 池添謙一)
    5-10 トーセンカンビーナ(牡6 藤岡康太)
    6-11 マイネルファンロン(牡7 松岡正海)
    6-12 ハヤヤッコ(牡6 武豊)
    7-13 ロバートソンキー(牡5 伊藤工真)
    7-14 ヴァルコス(牡5 三浦皇成)
    7-15 タガノディアマンテ(牡6 幸英明)
    8-16 タイトルホルダー(牡4 横山和生)
    8-17 シルヴァーソニック(牡6 川田将雅)
    8-18 ディープボンド(牡5 和田竜二)

    ※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。