サッカー日本代表 攻撃の形という宿題 ブラジルに善戦?も本戦なら勝点0

サッカー

2022.6.10


2022キリンチャレンジカップ ブラジル代表がネイマールのPKで先制 写真:ロイター/アフロ

 18対4。試合のスコアではない。シュートの本数だ。

6月6日に東京の国立競技場で行われた日本代表対ブラジル代表の国際親善試合で両チームが記録した。

18がブラジルで、4が日本。結果は日本が0-1で敗れた。

ワールドカップ(W杯)全21大会出場で優勝5回を数える世界ナンバーワンを相手に、0-1は悪くないと言えるのかもしれない。

特に、2006年ドイツW杯での対戦(1-4)以降の4試合は3失点、4失点を繰り返していたことを考えると、試合開始早々にポストに助けられるなど攻め込まれてのピンチはありながらも、前半45分を経て後半半ばにPKで失点を許すまで0-0を維持できたのは、これまでにはなかった展開だった。

中盤でタフにボールの競り合いを繰り広げたMF遠藤航(シュツットガルト)やMF原口元気(ウニオン・ベルリン)をはじめ、右サイドバックでFWビニシウス(レアル・マドリード)に対応したDF長友佑都(F東京)。

MF南野拓実(リバプール)、MF伊東純也(ヘンク)ら攻撃陣も守備でハードワークを披露。GK権田修一(清水)の好セーブにも救われた。

だが、その分、日本はボールを獲得して攻撃に転じたところで、ブラジルの堅固なセンターバックを中心とした守備陣を崩して相手を脅かし、ゴールを割るだけの力は残っていなかった。

失点は77分。ペナルティエリアに押し込まれたところで、途中出場したFWリシャルリソン(エバートン)を遠藤が倒したとしてブラジルにPKが与えられ、これをFWネイマール(PSG)がきっちり決めた。

1点を追う展開となり、失点直前に投入されていたMF三笘薫(サンジロワーズ)やMF堂安律(PSV)。

試合残り時間10分でMF柴崎岳(レガネス)やDF山根視来(川崎)を送り出したが、三苫が左サイドからドリブルで仕掛ける場面も見せたものの、得点につながることはなかった。

「本戦なら勝点0」

これがW杯であれば同点にできずに敗れて、グループステージ3試合のうちの1試合で痛い黒星を喫したことになる。

権田も「勝点0だったということ」と憮然とした表情をみせ、DF吉田麻也(サンプドリア)も「本戦なら0-0で終えないといけない試合」と振り返った。

0-1ビハインドでの終盤、ボールを保持していても攻め手を探してパスをつなぐものの、シュートを打つ場面はほとんどなかった。シュートは打たなければ入らない。しかもこれは強化試合というチャレンジの場だった。

ブラジルはボールホルダーへの寄せが非常に速く強い。特にすっと詰める距離の縮め方には独特な「圧」を、スタンドから見ていても感じた。

そこでボールを得て攻撃に転じる素早さも秀逸で、さらに、そこからどう攻めるのかというチーム内で描いているイメージにもブレはない。スムースにゴールへ向かって攻めのスイッチが入り、交代があっても、大きな影響を感じさせない。100%の力で戦ったわけではないが、その質の高さに圧巻の強さを感じた。

11月のワールドカップ開幕まで約5ヶ月。この時期にこの試合を経験できたことは大きい。

「あれが世界基準」という指標を手にして、日本代表の選手たちは、異口同音にブラジルとの間にある「大きな差」に言及し、「個を磨いてその差を詰めるしかない」と話している。

ブラジル戦翌日の練習でも、チームは控え組を中心とした練習で多彩なクロスボールやポストで落としたボールなどさまざまな形でのシュート練習に時間を割いていた。


取材・文:木ノ原句望