強化試合4連戦の最終戦 サッカー日本代表に求められる「状況判断と対応力」
2022.6.14
久保建英選手|写真:森田直樹/アフロスポーツ
サッカー日本代表が6月14日(火)のキリンカップ決勝でチュニジア代表と対戦する。
11月に開幕するワールドカップ(W杯)へ強化を図る日本代表が臨む6月の4連戦の最終戦で、選手とチームの戦い方のオプションをどこまで手にすることができるか。
カタールでのW杯開幕を5カ月後に控えて、日本が臨んでいる今月の強化試合4連戦の最後は、6年ぶりに開催されたキリンカップ決勝でW杯出場が決まっているチュニジアとの対戦。
攻撃力強化を意識したガーナ代表との試合
10日に神戸で行われた初戦でガーナ代表と対戦し、日本は4-1で快勝。6日の東京でのブラジル代表との親善試合(0-1)からメンバーを大きく入れ替えて、先発の機会を得たMF久保建英選手(マジョルカ)、MF柴崎岳選手(レガネス)らが中盤上がり目のインサイドハーフでプレーし、攻撃的な組合わせで躍動した。
彼らをはじめ、MF堂安律選手(PSV)、MF三笘薫選手(サンジロワーズ)らが積極的にシュートを打ち、ゴールへの姿勢は以前より明確にアップ。右サイドでの堂安、久保、右サイドバックの山根視来選手(川崎)の連携が良く、前半29分の先制点もそのひとつだった。
右サイドを上がった山根選手が久保選手に預けて、久保選手、堂安選手とテンポよく経由して、山根選手がペナルティエリアでボールを受けて左足を振った。
前半43分に1-1とされたが、その直後には、左サイドから三笘選手が入れたクロスボールがそのままゴールネットを揺らして、日本が2-1としたが、その場面でもゴール前に詰めた堂安選手らが詰めていた。
日本は後半もベンチから選手を次々と送り出しながら攻撃の姿勢は崩さず、73分には左サイドをドリブルで崩した三笘選手のマイナスのボールを受けて、ゴール前に走り込んだ久保選手が冷静に左足を振って3-1として、その9分後にはMF伊東純也選手(ヘンク)のペナルティエリアへの仕掛けにFW前田大然選手(セルティック)が鋭く反応して、相手の裏を取ってパスに合わせて、交代選手2人の連携で4点目を決めた。
前田選手とともに待望の代表初ゴールを決めた久保選手は特に、ドリブルかパスかの判断も良く、周囲と絡んでアグレッシブに仕掛ける意識が光った。それがチームの活性化と代表17戦目での得点に結びついたと言えるだろう。
また、試合終盤には3バックにして3-4-3でのプレーもチェックし、新たなシステムのオプションも確認した。
森保監督|写真:西村尚己/アフロスポーツ
求められる「 状況判断と対応力」
だが課題もある。前半43分の失点は、最終ラインから中盤へボールを出したがパスの受け手は不在。代わりにいたのは相手選手で、そのまま前線へ素早くパスを通されて決められた。
攻撃の組み立てを意識することは今回の連戦でもテーマの一つで、それを試みた場面だったと森保一監督は話して「トライしたことは評価する」としたが、それが適切なプレーなのか、状況を見た判断は不可欠だ。本大会で同様のミスがあれば、ドイツやスペインには恰好の得点機会になり、その形での失点はメンタル的にもチームにとっては大きなダメージになりかねない。状況判断と対応力は、次のチュニジア戦で求めたいエリアだ。
MF遠藤航選手(シュツットガルト)も「個人的にはボールを持ちながら試合を進めたい。それができるチームだと思っている」としつつ、「チームとしての戦い方、今はどういう状況なのかという判断ができないとW杯で勝つのは難しい。
個人的な判断の質を上げたい」と話して、チーム全体でのレベルアップを課題に挙げている。
取材・文:木ノ原句望