波乱ありの大熱戦!阿部詩、丸山城志郎、素根輝ら日本勢6名が優勝【柔道GS東京 2日目総括】

柔道

2022.12.7

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    優勝した左上から丸山、阿部、宮木、太田、素根、髙山 PHOTO:Itaru Chiba

    勝負の世界に絶対はない。我々はサッカーのワールドカップにおける日本のミラクルともいえる活躍によってそれを目の当たりにしたが、『グランドスラム東京2022』大会第2日(12月4日)でもアップセットが次々に起こった。

    男子100㎏級では東京オリンピック金メダリストのウルフアロン(了徳寺大学職)が初戦でイタリアの選手に敗れる波乱があった。時間にしてわずか168秒、3つの指導を受けての反則負けだった。

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    ウルフアロン PHOTO:Itaru Chiba

    試合後、ウルフは対戦相手が徹底的に自分への対策をしてきたことを敗因のひとつとしてあげた。

    「相手はかなり距離をとっていたけど、そこに割って入っていけなかった」

    もうひとつはウルフ自身の調整方法だ。

    「オリンピック前よりしっかり練習していたといえば、違うと思う」

    五輪連覇に向け巻き返しを計りたいウルフは、約2週間後に開催のワールドマスターズ大会への出場を示唆した。

    女子48㎏級では世界選手権で2連覇中の角田夏実(了徳寺大学職)が準決勝の立川莉奈(福岡県警)に10分近い延長戦の末、反則負けを喫するという波乱が起こった。

    いつも巴投げと極め技で相手を蟻地獄に追い込む戦法を得意とする角田だが、今回は立川に徹底的にそれらをブロックされ、"逆蟻地獄"に陥った格好だ。

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    女子48㎏級準決勝 角田夏実vs立川莉奈 PHOTO:Itaru Chiba

    また女子78㎏級決勝では髙山莉加(三井住友海上)が東京オリンピックで頂点に立った"寝技女王"の濵田尚里(自衛隊体育学校)をなんと横四方固めで撃破。

    濵田の寝技での敗退は2015年のGS東京以来7年ぶりという衝撃をもたらした。

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    女子78㎏級決勝 髙山莉加vs濵田尚里 PHOTO:Itaru Chiba

    波乱があれば、順当もある。女子52㎏級では阿部詩(日体大)が志々目愛(了徳寺大学職)との決勝を制し、優勝を遂げた。

    大会2週間前に右ヒザのじん帯を痛め欠場も頭をよぎったが、「ここで立ち向かわなかったからどうするんだ」と気持ちを振り絞っての出場だった。「(最後は)優勝で締めくくれて、人生の中でも濃い1年だった」

    この優勝で阿部は来年5月開催の世界選手権(ドーハ)への出場者内定第1号となった。

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    女子52㎏級決勝 阿部詩vs志々目愛 PHOTO:Itaru Chiba

    男子66㎏級決勝はライバルの阿部一二三(パーク24)が観客席で熱い視線を送る中、大本命・丸山城志郎(ミキハウス)に今年の講道館杯準優勝の服部辰成(東海大相模高)が挑む世代交代を問う一騎討ちとなった。

    しかしオリンピック出場を願う気持ちの強さに年齢は関係ない。果たして丸山は試合開始早々巴投げで秒殺。

    改めて存在感をアピールしたが、2カ月前の世界選手権決勝ではライバルの阿部に敗れているだけに、今大会に向けての「気持ちの作り方が難しかった」と吐露した。

    「中途半端な気持ちでずっと練習をして試合に挑んでしまった。やっぱり試合はそんなに甘くない。腐らずに稽古しての貯金がモノをいった」

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    男子66㎏級決勝 丸山城志郎vs服部辰成 PHOTO:Itaru Chiba

    女子78㎏超級では大本命で東京オリンピック金メダリストの素根輝(パーク24)が磐石の強さを発揮し、決勝では大学在籍時には先輩だった秋場麻優(ALSOK)から一本背負いで技ありを奪い難なく優勝した。

    試合後は「ここで勝つのは当たり前。今大会は必ず優勝する気持ちで挑んだ。結果がついてきてよかった」と安堵の表情を浮かべた。

    その一方で、試合内容には満足しておらず、「初戦から課題だらけ。全ての面で足りない」と唇を噛んだ。国内の選考会に出ていなかったことで今年の世界選手権への出場権は得られなかった。それでも今回の優勝で来年の世界選手権の選考レースは一歩も二歩もリードしたことになる。

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    女子78㎏超級決勝 素根輝vs秋場麻優 PHOTO:Itaru Chiba

    また、男子100㎏超級決勝は影浦心(日本中央競馬会)と太田彪雅(旭化成)という日本代表同士の顔合わせとなったが、斉藤立(国士舘大)の代替出場の太田が元世界王者の影浦を大内刈で破って4年ぶりにIJFワールドツアーを制した。

    この日の太田は準決勝で闘う予定だった東京オリンピック金のルカシュ・クレパルク(チェコ)が棄権し不戦勝を収めるなど運も味方につけていた。

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    男子100㎏超級決勝 影浦心vs太田彪雅 PHOTO:Itaru Chiba

    なお男子60㎏級では近藤隼斗(国士館大)が決勝まで進出したが、ジョン・スンビョン(韓国)に技ありをとられ敗北を喫している。

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    男子60㎏級決勝 近藤隼斗vsジョンスンビョン PHOTO:Itaru Chiba

    この日、開場前、会場となった東京体育館の前にはファンが長蛇の列をなしていた。その光景を目の当たりにしたとき、筆者はみなライブでのスポーツ観戦を待ちわびていたと実感した。

    案の定、会場は超満員の観客で埋めつくされていた。どんなに冬本番が近づこうと、熱戦が続けば柔道ウォッチャーの心は温かい。

    (スポーツライター 布施鋼治)


    【2日目 各階級結果】
    ●男子60kg級
    優勝:ジョンスンビョン(韓国)
    準優勝:近藤隼斗(国士舘大学)
    3位:古賀玄暉(旭化成)、イハリン(韓国)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●男子66kg級
    優勝:丸山城志郎(ミキハウス)
    準優勝:服部辰成(東海大付属相模高)
    3位:ゴベル(フランス)、ヨンドンペレンレイ(モンゴル)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●男子100kg級
    優勝:ピレッリ(イタリア)
    準優勝:飯田健太郎(旭化成)
    3位:グリーンカラニ海斗(日本体育大)、植岡虎太郎(天理大)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●男子100kg超級
    優勝:太田彪雅(旭化成)
    準優勝:影浦心(日本中央競馬会)
    3位:原沢久喜(長府工産)、クリクバイ(カザフスタン)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●女子48kg級
    優勝:宮木果乃(修徳高)
    準優勝:立川莉奈(福岡県警察)
    3位:古賀若菜(山梨学院大)、角田夏実(了徳寺大学職員)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●女子52kg級
    優勝:阿部詩(日本体育大)
    準優勝:志々目愛(了徳寺大学職員)
    3位:大森生純(帝京大)、ラグバスレン(モンゴル)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●女子78kg級
    優勝:髙山莉加(三井住友海上火災保険)
    準優勝:濵田尚里(自衛隊体育学校)
    3位:梅木真美(ALSOK)、アウスマ(オランダ)
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    PHOTO:Itaru Chiba

    ●女子78kg超級
    優勝:素根輝(パーク24)
    準優勝:秋場麻優(ALSOK)
    3位:フォンテーヌ(フランス)、キムハユン(韓国)
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    PHOTO:Itaru Chiba