【サッカー日本代表】カナダ戦で増えた攻撃のカード。6連勝への期待もかかるチュニジア戦へ

サッカー

2023.10.17


カナダ代表戦でのサッカー日本代表 Photo by YUTAKA/AFLO SPORT

来月11月から始まる2026年ワールドカップ北中米大会のアジア予選を前に、最後の強化試合としてサッカー日本代表が臨んだ10月13日のカナダ代表戦は、日本が4-1と快勝。今年6月から続く連勝を5に伸ばし、好調を維持している。

17日には10月連戦第2戦でチュニジアと対戦する。

「誰が出ても勝てる、誰が出ても機能する」(森保一監督)をテーマに臨んだカナダ戦で、フランスリーグで今季好調の南野拓実選手(ASモナコ)と中山雄太選手(ハダースフィールド)が先発で復帰。南野選手は昨年のワールドカップ(W杯)以来、W杯メンバー選出後にケガで大会を見送った中山選手は約1年ぶりの代表戦となった。体調不良で参加を辞退した三笘薫選手(ブライトン)の定位置の左サイドには中村敬斗選手(Sランス)が起用され、注目を集めた。

日本は試合開始早々に田中碧選手(デュッセルドルフ)の先制点で主導権を握ると、40分には浅野拓磨選手(ボーフム)が左サイドからの攻撃で相手のオウンゴールを誘発。その2分後には中村選手が9月のトルコ戦に続く2戦連続ゴールをマーク。

優勢に前半を折り返すと、後半開始4分にも田中選手が得点。日本が後半50分までに4-0と大きくリードし、試合終盤にカナダに1点を返されたが、昨年11月のW杯直前の強化試合で敗れた相手に4-1で勝利した。

これで6月から続く5連勝はすべて4得点以上という代表初記録もマークした。

3得点に絡んだ浅野選手

田中選手の位置取りやシュートの思い切りの良さ、中村選手の巧さはもちろんだが、この試合では前半3得点に絡んだ浅野選手の動きが秀逸だった。スピードと相手の裏を取る動きに切れがあり、そこに善戦でボールを収めて起点となる動きに磨きがかかっていた。

特に、チーム3点目の中村選手の得点となった場面では、相手のセンターバックにプレッシャーをかけてボールを奪うと、トップスピードで持ち上がった。自分でゴールを狙うかと思いきや、並走してゴール前に顔を出した中村選手を見てすかさずパス。これを受けた中村選手は反転して相手を欺きゴール右へ流し込んだ。

鮮やかな得点劇で、カナダ代表のマウロ・ピエロ監督は、来年のコパアメリカ出場権がかかる11月のネーションズリーグ準々決勝を念頭に臨んでいたが、「前半終わりと後半開始の追加点が痛かった」と嘆いた。

日本は前線へのロングフィードも少なくなかったが、それを収めることで守備の押上も攻撃の展開もスムーズになり、戦い方のオプションも増える。浅野選手は高い精度で的確にこの役目をこなし、プレーの幅を広げた印象だ。

28歳FWは試合後、「俺のこと理解してんのかな?!」と苦笑い。だがGK大迫敬介選手(広島)は浅野選手の特性は理解しているとしながら、「相手を引き付けながらどこまでリスクを負って(後ろで)つなぐのか。ドイツ戦はつなぎにこだわり過ぎて失点シーンを招いてしまったので、少しロングボールを使いながら修正しなければと思っていた」と説明。「うまく対応できたと思う」と話した。

浅野選手も手ごたえは覚えたようで、「自分の得意じゃないプレーでもチームのためにプレーする意識は自分のなかで明らかに強くなっている。それが今日のゴールにつながったり結果にもつながる。まだ失っている回数が多いので、成長していかないと」と語った。

増えた攻撃のカード

中村選手も得点感覚の鋭さを改めて披露したが、カナダ戦の後半15分過ぎに相手DFのタックルを受けて左足首を負傷し、不本意な途中交代を強いられた。しかし、代表デビュー戦から出場4試合で4ゴールは58年ぶり、史上5人目の快挙と報じられている。

南野選手は自身の決定機には力みがあったのか決めることができなかったが、チーム2点目では浅野選手の左サイドからのボールにニアで詰めて相手DFを慌てさせ、4点目には中山選手のバックラインからのロングフィードをペナルティエリアで巧みに落とし、伊東純也選手(Sランス)がこれを田中選手につないで得点になった。

中山選手はこのフィードだけでなく、守備で相手をケアしながら左サイドを攻め上がってクロスを供給。右サイドバックの毎熊晟矢選手も田中選手先制点につながったクロスボールなど、攻撃面で思い切りの良さが出ていた。

課題は前半先制後に守備がはまらない時間帯があり、アルフォンソ・デービス選手(バイエルン)を中心に相手の反撃を受け、試合終盤にも押し込まれて失点につながった。

前者は前半19分にペナルティエリアに入られたデービス選手をGK大迫選手が倒したとしてPKを献上。このPKは大迫選手が足で止めて阻止したが、試合終盤は左サイドでデービス選手のパス受けてFWジョナサン・デービッド選手(リール)がクロスを入れ、GKが弾いたボールを途中出場したFWジュニア・ホイレット選手(バンクーバーWC)が決めて1点を返した。

日本は後半の半ばから選手交代を機にフォーメーションを4-3-3から4-2-3-1に変更し、伊東選手を右から左に、毎熊選手を右サイドバックから右MFにシフトするなど、試したことも多かった。

「勝ってOKではなく、どう勝ち切れるかを考えていきたい」と森保監督は述べて、システムや選手の入れ替えをしたことで、「選手にとっては最後に落ち着いて試合を終わらせる状況になかったのは、私がいろんな変え方をしたことがあったかと思う。多少ミスが出てもこのメンバーの中でいろんなやり方を試すのも大切だと思ってチャレンジした。選手たちが最後までやり切ってくれたのは、間違いなく今後の経験につながったと思う」と話していた。

チュニジア戦へ

この試合を受けて、中3日で迎えるチュニジア戦でどう戦うのか。

指揮官はカナダ戦の先発から少なくないメンバーの入れ替えを明言しており、出場機会のなかった久保建英選手(レアル・ソシエダ)、遠藤航選手(リバプール)、板倉滉選手(ボルシア)らの出場が期待される。また、GKには鈴木彩艶選手(シントトロイデン)、中村選手の負傷でさらに手薄になった左サイドには最有力候補として旗手怜央選手(セルティック)の名前が挙がっている。

チュニジアには昨年6月のキリンカップ決勝では0-3で敗れており、その後カタールW杯のグループステージでフランスに勝った実績もあり、W杯メンバーを中心に若手を加えた編成で来日している。FIFAランクは日本の19位に対して29位。来月始まるW杯アフリカ予選と来年1月のアフリカネーションズカップを控えて、日本戦への意気込みも強い。

日本は6連勝への期待もかかる。どんな戦いになるか。


取材・文:木ノ原句望