パリ五輪出場決定!主将・熊谷紗希「正直、ほっとしている」【なでしこジャパン】

Photo by Kenta Harada/Getty Images
なでしこジャパン日本女子代表がパリ・オリンピック出場を決めた。2月28日に東京の国立競技場で行われたアジア最終予選第2戦で北朝鮮を2-1で破り、2戦合計2-1で2大会連続での本大会出場を獲得。
女子サッカーのピッチ内外での成功のカギとなる五輪出場決定に、主将のDF熊谷紗希選手は喜びとともに安堵の表情を見せた。
最後の笛が鳴った瞬間、熊谷選手は満面の笑みで握りしめた両拳を高く突き上げて喜びを爆発させたが、その直後にピッチ上で次々の仲間とハグをかわす目には涙が浮かんでいた。
「正直、ほっとしている」と熊谷選手。「今日は勝つことがすべてだった。勝って(五輪)切符を勝ち取れてよかった」
熊谷選手の脳裏には8年前の苦い経験があった。自身も出場していた2016年リオデジャネイロ五輪アジア最終予選で出場権獲得に失敗。
2011年に女子W杯に優勝し、2015年W杯でも準優勝を遂げていた日本だったが、W杯以上に注目を集めるオリンピックへの出場を逃したことで、国内の女子サッカーへの注目度は下降。
国際舞台での成績も伸び悩んだ。2019年W杯で16強敗退、開催国として出場した2021年東京五輪では8強止まり。日本のW杯優勝を機に他国がプレースタイルの見直しや強化を精力的に進めたことも、世界との戦いを難しくした。
だが、昨年夏のW杯で日本は再び復活の兆しを見せた。準々決勝でスウェーデンに敗れて8強で終わったが、グループステージからほとんどの試合で相手を圧倒するパフォーマンスを披露して、観る者を魅了した。
FW宮澤ひなた選手は大会得点王になるなど、日本は世界の注目を集め、今後への可能性を示した。
今回のパリ五輪出場は、再び好転し始めた流れを逃さず、再び世界トップへの歩みを進めるためにも不可欠のものだ。
その重要な試合へ、アウェイ代替地となったサウジアラビアのジッダでの24日の初戦を0-0で引き分けて、勝てば突破が決まる第2戦で、日本は第1戦とこれまでの積み重ねを活かした戦い方をした。
苦戦した第1戦の4バックから第2戦では3バックに変更。「前線に選手を多く関わりを持たせたかった」という池田太監督は得点チャンスを増やすために、昨年のW杯で使っていたシステムに戻した。
熊谷選手を最終ラインの中央、ボランチにMF長谷川唯選手とMF長野風花選手の2枚を置く形にすることで、中盤と最終ラインに安定感が生まれた。
これが奏功して前線との距離感もコンパクトになり、前線と互いのサポートが改善されて連動性も戻った。2022年7月のE1女子サッカー選手権以来の出場となったDF北川ひかる選手とFW上野真実選手が左サイドの仕掛けを担い、北川選手は精度の高いFKで先制点をお膳立てした。
前半25分、北川選手のFKに熊谷選手、上野選手が頭でつなぎ、FW田中美南選手がヘディングシュート。その跳ね返りに「いいところにこぼれてきた」というDF高橋はな選手が反応して、左足で押し込んで先制した。
日本は前半終了間際の失点の危機をGK山下杏也加選手がライン上ぎりぎりでの好セーブで切り抜けると、後半31分にはMF長野風花選手が右サイドに展開。
駆け上がってきたMF清水梨紗選手が相手DFをかわしてゴール前へクロスを上げると、FW藤野あおば選手が頭で捉えて叩き込み、2-0とした。
北朝鮮はアウェイ側ゴール裏に集まった3000人の応援団からの大声援を受けて、後半に入ると選手交代で前線の活性化を図り、後半36分にはMFリ・ハク選手が相手ボールをインターセプトして日本の最終ラインの裏にフィード。
これを途中出場のFWキム・ヒョエン選手が前に出てきたGK山下選手の脇をついて押し込み、1点を返した。
その後も北朝鮮はペナルティエリアにクロスを入れて日本ゴールに迫ったが、日本は守備陣が対応。最後まで1点リードを守ってパリ行きの切符を手にした。
取材・文:木ノ原句望