【サウジカップ】フォーエバーヤングが海外G1初制覇!世界最高賞金15億円獲得!意地と誇りがぶつかり合った最後の直線

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2025.2.23

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    フォーエバーヤングがロマンチックウォリアーとの叩き合いを制して海外G1初制覇 写真:アフロ

    あの勝負根性は、いったいどこから湧き上がってきたのだろう――

    今年のサウジC、直線で一度はロマンチックウォリアーに先頭を譲ったフォーエバーヤングの猛追を見るたびに驚かされる。

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    もともと、今年のサウジCはシエラレオーネやホワイトアバリオといったダート大国アメリカの有力馬がこぞって回避し、ケンタッキーダービー、BCクラシックでともに3着に入っていたフォーエバーヤングが主役という扱いを受けていた。

    日本勢はこの馬以外にもウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロ、そしてラムジェットがいたが、いずれも勝負付けは済んでいるという状況。

    最大のライバルと目されていたのは香港のロマンチックウォリアー。

    ダート未経験とはいえ、あの力強い走りには高い適性を感じさせ、ここまで7連勝とまさに破竹の勢い。

    昨春の安田記念でも堂々と突き抜けて勝利しているように日本の競馬ファンにとって強敵というべき存在だった。

    開催6回目にして、日本と香港のアジア勢が主役を担うことになった今年のサウジC。

    スタート直後にレースを引っ張ったのは、フォーエバーヤングだった。

    ゲートが開いた直後、大外枠からのスタートとなったフォーエバーヤングは軽快に飛び出していくと、内にいたドバイのウォークオブスターズとの先頭争いへ。

    有力馬とドバイのGⅠホースが先手を争う形になったためか、地元サウジアラビアのアルムスマクとディファンデッドの2頭もこれを追いかけていき、結果的に4頭が横並びで先頭を争う形に。

    前を行く4頭を見る形になったのが香港のロマンチックウォリアー。

    初ダートということで砂を被るのは避けたいはずだが、それをものともせずに前の4頭を追いかけていく。

    さらにロマンチックウォリアーをマークする形で日本のラムジェット、ウィルソンテソーロの2騎がすぐ後ろに付けてここも馬群が横並びで広がっていく形に。

    そして4~5馬身離れた最後方にポツンと菅原明良の騎乗した2年前のドバイワールドCの覇者、ウシュバテソーロが付けていた。

    フォーエバーヤングと先行馬3頭が横並び状態のまま3コーナーのカーブへ。

    この時点では若干ウォークオブスターズが先頭に立ったかという状態だったが、ここで仕掛けてきたのがロマンチックウォリアー。

    前がさほど速くないと読んだのか、外から一気に動いてこの馬の武器であるロングスパートに勝機を見出した。香港の英雄はあっという間に4頭に並び、そして抜いていった。

    これに遅れまいと動き始めたのがフォーエバーヤングだった。

    ロマンチックウォリアーが先に動いて先頭に立ったところでそれまで横並びで走っていた3頭を置き去りにする形でスパートを開始。4コーナーを回るころには単独の2番手に上がっていった。

    そして迎えた最後の直線は、ロマンチックウォリアーとフォーエバーヤングのマッチレースとなった。

    3コーナーからマクるように上がっていったロマンチックウォリアーは先頭に立つと、鞍上のジェームズ・マクドナルドが鞭を入れずとも追えばどこまでも伸びると言わんばかりにグングンとスピードを上げていく。

    追いすがるフォーエバーヤングに1馬身半ほどのリードを付けると、マクドナルドも勝利を確信したのか、ターフビジョンに視線を移すシーンすらあった。

    一方、追いすがるフォーエバーヤングは坂井瑠星が懸命に鞭を入れる。

    思えばケンタッキーダービーもBCクラシックも一度も先頭に立てないままゴールを迎えたが、今回は違う。まだギアが残っていると言わんばかりに坂井は鞭を左に入れて外に持ち出すと、今度は右鞭に替えて再び猛追していく。

    過去、日本馬が海外で走った時、直線で差し切って勝つシーンは何度も見たが、一度差された馬が差し返したことはほぼ皆無に等しい。

    それでもフォーエバーヤングと坂井はあきらめない。ただ前を行くロマンチックウォリアーとマクドナルドを目がけて一心不乱に走り続けた。日本最強のダート王が世界のダート王に君臨するために。

    先頭に立ったロマンチックウォリアーとマクドナルドも踏ん張る。

    香港の英雄として遠征してきた海外の強豪を迎え撃ち、安田記念では日本馬を蹴散らした稀代のスターホースがダートでもその強さを発揮し、世界最強を証明するために。

    ゴールまで残り100m。一時は1馬身半ほどあった2頭の差が半馬身ほどに縮まり、残り50mでは遂に並んだ。

    両騎手の鞭が唸り、2頭の壮絶な叩き合いとなったが、最後は外から再び伸びてきたフォーエバーヤングが追いすがるロマンチックウォリアーをクビ差凌いでゴール。

    フォーエバーヤングは3度目の挑戦で念願の海外G1を制覇。1着賞金1000万米ドル(約15億円)を獲得。世界のダート王としてビッグタイトルを掴んでみせた。

    「断言できます。こちらの脚が止まったわけではない。フォーエバーヤングがどれだけすごい馬のか、そしてこのレースがどれだけすごいレースだったのかがわかると思います」......レース後、ロマンチックウォリアーの鞍上マクドナルドがこう語ったように、勝ったフォーエバーヤングも敗れたロマンチックウォリアーも素晴らしいレースをしたのは間違いない。

    その証拠に3着に入ったウシュバテソーロは2頭から10馬身ほど離されてのゴール。昨年のこのレースの2着馬を置き去りにした2頭が新たな歴史を築いた。

    一方、勝ったフォーエバーヤングの矢作芳人調教師は「ロマンチックウォリアーも素晴らしかったが、差すと信じていた。先頭を譲ってもまだチャンスがあると思った」とライバルを称えつつ、手塩にかけてきたフォーエバーヤングを信じていた。

    その思いが見事に結実し、自身2度目となるサウジC制覇を果たしてみせた。

    矢作氏曰く「旅が好きな馬」フォーエバーヤングの次の目標は3月のドバイWC。

    あの驚異の勝負根性をもってすれば、砂漠の国のもうひとつのビッグタイトルも制し、世界最強のダートホースの座を射止めるに違いない。


    ■文/福嶌弘