サッカー日本代表、W杯出場権獲得決定で新たなスタートへ【サッカー W杯最終予選】
2025.3.25
写真:ロイター/アフロ
サッカー日本代表が8大会連続8度目のワールドカップ(W杯)出場を決めた。
3月20日に埼玉スタジアムで行われた2026年W杯アジア最終予選でバーレーン代表に途中出場のMF鎌田大地(クリスタル・パレス)と獅子奮迅の活躍を見せたMF久保建英(レアル・ソシエダ)のゴールで2-0と勝利。
3試合を残してC組2位以内を確定させて、来年6月に開幕する北中米大会への出場権を獲得。チームはここから、目標とする世界タイトル獲得へ向けて新たなスタートを切る。
「難しい戦いになったが、ファンやサポーターの前でW杯出場を決めることができて安心した」
先制点をアシストし、追加点を自ら決めただけでなく、守備でも随所でチームを助けるプレーを見せた久保は試合後にそう語り、チームメイトも異口同音に喜びとともに安堵感を口にした。
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(c)SANKEI
これまで5勝1分け勝ち点16でC組首位を独走してきた日本にとって、勝てば日本史上最速で突破が決まり、引き分けでも3位につけていたインドネシアが勝てなければ本大会行きが決まる試合だった。
しかし、初のW杯出場を目指すバーレーンは今年1月のガルフカップ優勝で自信を得て、早々の来日などで調整も万全に、昨年9月にホームで日本に0-5で敗れた経験を活かして日本対策を遂行。
高い守備意識と運動量で、MF三笘薫(ブライトン)がドリブル突破を図る日本の左サイドやFW上田綺世(フェイエノールト)やMF南野拓実(モナコ)らの守備ライン裏への抜け出しをケアし、ボールへの素早い寄せで日本の攻撃を封じながら、セカンドボールを奪うと日本の3バックのサイドのスペースを使って攻撃を仕掛けた。
日本にとっては思うような攻撃に持ち込めず、我慢の時間が続く試合となり、前半の大きな得点機は序盤と終盤に限られた。
試合開始8分、遠藤航(リバプール)のスルーパスを受けた久保がゴール前まで切り込んで右CKを獲得。このCKからの久保のボールをファーサイドで板倉滉(ボルシアMG)が頭で折り返し、遠藤が押し込んでゴールネットを揺らす。
しかし、これはVARでシュートの直前に日本選手の手にボールが当たるハンドがあったとしてノーゴールと判定。
前半終盤には、ペナルティエリア左から三笘がシュート狙ったが枠をとらえられなかった。
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苦しい展開の中、選手交代と久保のプレーが勝利を引き寄せた。
日本は後半開始から入った田中碧(リーズ)に続いて、63分には鎌田と伊東純也(スタッド・ランス)を投入。
焦れずにパスをつないで仕掛けのタイミングを狙っていた日本は66分、9か月ぶりに代表復帰のDF伊藤洋輝(バイエルン)が上田に鋭い縦パス。
これをスイッチに、上田から久保につなぎ、ドリブルで持ち上がった久保は右に顔を出した鎌田にパスを出すと、相手GKと1対1になった鎌田が冷静にゴール左に決めて均衡を破った。
「起点となるプレーと得点を決めてやろうという能力がある」(森保一監督)という指揮官の見立てに鎌田が応えた。
選手交代は試合終盤のゴールにもつながった。86分、約2年ぶりに代表に復帰したFW町野修斗(キール)を送り込むと、町野は投入直後に久保からリターンパスを受けてゴール前に詰め、相手との競り合いで左CKを獲得。
キッカーの久保は一度伊東に預けてリターンをもらうとペナルティエリア左の角度のないところまで持ち込み、相手GKの動きを見て左足を振り、「頭が真っ白になるぐらいうれしかった」(久保)という88分のゴールで2-0とした。
日本の先制後、バーレーンが長めのボールで日本の最終ラインを押し込み、ゴールに迫る場面を何度か作って反撃に出ていただけに、久保の追加点は日本にとって勝利への大きなダメ押しとなった。
ラ・リーガで活躍する23歳MFは試合を通して攻守両面で強い決意と責任感を感じさせるプレーでチームをけん引した。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた久保について、森保監督は「個の力で局面を打開してゴールに結びつけるプレーをしてほしいと起用した」と明かし、「このプレッシャーの中で素晴らしい活躍と結果を出してくれた」と称賛した。
バーレーンの準備状況と日本選手のコンディションから厳しい戦いを良そうしていたという日本代表指揮官は、「選手たちは我慢強くタフにチーム一丸となって戦い、スタメンからサブにチームでバトンを渡しながら勝つことを体現してくれた」と選手たちの状況に応じた戦いを評価した。
久保は、「耐えるところは耐えて、させるところでしっかり刺して、勝者の戦いができたんじゃないか」と振り返った。
写真:長田洋平/アフロスポーツ
新たなスタート
日本は前回の最終予選では初戦で躓いて苦労しての突破となったが、今回は6勝1分けで勝ち点を19とし、3位のサウジアラビアに10差をつけて無条件で本大会に行ける2位以内を確定。世界でも最速での出場権獲得となった。
堂安律(フライブルク)は、「一見すると順調に見えると思うが、アジアカップでの敗戦や前回大会最終予選の初戦で負けて苦しい展開になったのも含めて、やっている選手たちは簡単ではないことは分かっていたので、肩の荷が下りた」と話した。
森保監督も、昨年1月のアジアカップで優勝を目指しながら準々決勝で敗退する苦い経験がチームの糧になっていると言う。
「アジアの戦いの中で悔しい思いをしたことで、選手たちに準備や戦う部分で意識の変化があった」と指摘。
さらにW杯優勝をチーム目標に掲げていることで「今の成長をどうすべきかを考えて一戦一戦戦っている。悔しさと目標に向かって成長したい思いを持ち合わせていることがこの結果につながっている」と語った。
キャプテンの遠藤は、本大会出場決定を喜びながらも「これがゴールではなくて新たなスタート」と言った。念頭にあるのは本大会での最終目標だ。
そこへ向けて、最終予選残り3試合はもちろん、10月、11月に国内開催が予定されている親善試合4試合などの勝敗がFIFAランキングを左右する。
ランキングは12月に予定されているW杯の対戦相手を決める組み合わせ抽選会で、振り分けのポット分けを決める重要な要素になる。
森保監督はバーレーン戦後、「選手たちは出場を決めて喜んでいるが、もう次に向けてのギラギラ感がすごい」と述べて、選手たちの姿勢を喜んだ。
日本が次戦3月25日に埼玉で対戦するサウジアラビアは20日(日本時間21日未明)、ホームで中国に1-0で勝利して勝ち点9で3位に浮上。インドネシアに5-1で勝って2位をキープしているオーストラリアとの勝ち点は1差だ。
3位から4位に後退したインドネシア、5位バーレーン、6位中国までの3チームが勝ち点6で並ぶ。2位以下の争いは依然として熾烈だ。
久保は、「突破は決まったが、慢心することなく、しっかり勝ち点3を目指してやっていきたい」と言い、遠藤も本大会を念頭に「激しい競争をして切磋琢磨して、準備期間の1試合1試合を大事に戦っていきたい」と語った。
次へ向けて、選手たちはすでに切り替えている。
取材・文:木ノ原句望
<W杯アジア最終予選 グループC 順位表>
順位 国名(勝敗)勝ち点[得失差]
1位 日本(6勝1分)19[22]※W杯出場権獲得
2位 オーストラリア(2勝1敗4分)10[5]
3位 サウジアラビア(2勝2敗3分)9[-2]
4位 インドネシア(1勝3敗3分)6[-7]
5位 バーレーン(1勝3敗3分)6[-7]
6位 中国(2勝5敗)6[-11]
※3月25日 16:00時点
【FIFAワールドカップ26 アジア最終予選(3次予選)】
試合日時:3月25日(火)19:35キックオフ(予定)
対戦カード:日本代表 対 サウジアラビア代表
会場:埼玉/埼玉スタジアム2002
<日本代表 招集メンバー>
【GK】
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(FC町田ゼルビア)
鈴木彩艶(パルマ・カルチョ/イタリア)
【DF】
長友佑都(FC東京)
板倉滉(ボルシア・メンヘングラートバッハ/ドイツ)
伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
瀬古歩夢(グラスホッパーCZ/スイス)
菅原由勢(サウサンプトンFC/イングランド)
関根大輝(スタッド・ランス/フランス)
高井幸大(川崎フロンターレ)
中山雄太(FC町田ゼルビア)
【MF/FW】
遠藤航(リバプールFC/イングランド)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
南野拓実(ASモナコ/フランス)
古橋亨梧(スタッド・レンヌ/フランス)
守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)
鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド)
三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
前田大然(セルティック/スコットランド)
旗手怜央(セルティック/スコットランド)
堂安律(SCフライブルク/ドイツ)
上田綺世(フェイエノールト/オランダ)
田中碧(リーズ・ユナイテッド/イングランド)
中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
藤田譲瑠チマ(シントトロイデンVV/ベルギー)
町野修斗(ホルシュタイン・キール/ドイツ)
<日本代表 W杯最終予選 試合日程>
2024年9月5日(木)
第1節:日本 7-0 中国
2024年9月10日(火)
第2節:バーレーン 0-5 日本
2024年10月10日(木)
第3節:サウジアラビア 0-2 日本
2024年10月15日(火)
第4節:日本 1-1 オーストラリア
2024年11月15日(金)
第5節:インドネシア 0-4 日本
2024年11月19日(火)
第6節:中国 1-3 日本
2025年3月20日(木)
第7節:日本 2-0 バーレーン
2025年3月25日(火)
第8節:日本 - サウジアラビア
2025年6月5日(木)
第9節:オーストラリア - 日本
2025年6月10日(火)
第10節:日本 - インドネシア