J1リーグ2位の広島 鹿島戦で新戦力が躍動 流れを取り戻す

サッカー

2025.4.12

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    PHOTO:Getty Images

    J1リーグ制覇を目指すサンフレッチェ広島が10節を目前に2位につけ、強さを見せている。

    ACL(AFCチャンピオンズリーグ)2参戦の影響で他のチームよりも1試合未消化で、ここまで5勝2分け1敗で勝ち点は17。

    首位の町田ゼルビア(5勝2分け2敗)と勝ち点と得失点差(4)で並び、総得点で町田に首位を譲っている。

    3月には苦しい時期もあったが、4月2日の鹿島戦の勝利(1-0)で流れを取り戻した。

    3月5日のACL2準々決勝で出場資格のない選手を起用した不備で勝利した第1戦が没収試合になると、これが響いて12日の第2戦を引き分けて大会敗退。

    その直後3月16日のリーグ戦では柏レイソルとホームで引き分け(1-1)、29日のアウェイの京都戦は今季初黒星(0-1)で、2戦連続勝ちなしで順位は3位から7位に後退と、嫌な流れになりかけていた。

    しかし、鹿島戦では6戦負けなしで首位に立っていた相手と強度の高い、気合を感じられる激しい戦いを披露。

    移籍加入直後のFW前田直輝が前半22分にゴールを決め、守備でもリーグ得点ランクトップのFWレオ・セアラとFW鈴木優磨の鹿島攻撃陣に得点を許さず、攻守にアグレッシブなプレーで24,000人以上が駆け付けた会場を沸かせた。

    前田は3月27日に浦和から加入して、この試合が広島で2試合目で初先発。立ち上がりから積極的に仕掛けてゴールに迫り、前半だけで5本のシュートを放ち、広島の攻撃のリズムを作った。

    その中で生まれた前半22分の得点場面は、MF新井直人のスローインを受けたFWジャーメイン良が右サイドに切り込んで送ったマイナスのボールに前田が反応。

    このシュートは鹿島GK早川友基に弾かれたが、ゴール前でFWヴァレール・ジェルマンが回収して前田に預けると、新加入の30歳FWが左足で押し込んだ。

    その後も前田は鹿島ゴールに迫り、前半半ば過ぎにはMF菅大輝との左サイドでの連係で前線に顔を出したDF佐々木翔のパスをニアサイドに入って左足で合わせ、直後には右サイドから狙って相手ゴールを脅かした。

    周囲の選手とのコンビネーションも滑らかに、62分に交代するまで躍動感溢れるプレーを披露した。

    全員がギラギラ

    前田は鹿島戦後、「ホームで首位チームが相手で、僕にはこれ以上ない場が揃っていた」と強い意気込みで臨んだことを明かし、チームとしても「ここで首位を叩いて勝ち点3を獲ることで、どれだけ上に近づけるかがかかった試合だった。今日の勝ち点3は非常に大きい」と話した。

    新天地となったチームについて、「僕もギラギラしているけど、全員がギラギラしている」と描写。オランダのユトレヒトでもプレーした前田は、「チームみんなでゴールと勝利に貪欲だった」と振り返った。

    広島のミヒャエル・スキッペ監督は、「前田だけでなく前の3人が非常によかった」と攻撃陣の働きを称賛。「前田はスピードもテクニックもある。そこが自分たちのサッカーに合っている」と新戦力への期待を改めて口にした。

    広島は今季へ向けてジャーメイン、菅、MF田中聡、大卒ルーキーのFW中村草太らを獲得し、シーズン開幕後も2月末にジェルマン、その1か月後には前田を得るなど、積極的で効果的な補強を継続。

    しかも、中村の公式戦13試合6得点など、新戦力の面々が序盤から攻守に持ち味を発揮してチームの勝利に貢献してきている。

    この中で最後に加わった前田は、スピードに乗ったドリブルで持ち込むプレーや、相手の裏やスペースを見つける嗅覚も鋭く、なにより、この日示したように新チームへの順応性も高い。

    チームに攻撃のバリエーションが加わった。広島は序盤にMFトルガイ・アルスラン、鹿島戦でMF中島洋太朗が負傷して長期離脱を余儀なくされているが、新しくチームに加わった選手が早々に活躍することで、チームに勢いをもたらしている。

    DF荒木隼人は、「新加入の選手がすぐに点を獲るのはこのチームの特長。いい選手がきてくれている証拠だと思う」と話した。

    安定した守備力

    広島は堅守も健在で、8試合を終えて5失点はリーグ最少タイ。

    荒木を含めた最終ライン3枚の安定感をベースに、ジャーメインらが前線からプレスをかけ、MF川辺駿とMF田中聡の2人が中盤を広くケアする。

    鹿島戦前半早々には川辺がスルーパスで前田のシュート場面を演出するなど、攻守にチームを支えている。

    鹿島には自分たちより2本多い11本のシュートを打たれたが、スキッペ監督は「大きなチャンスを与えずに良い仕事をした」と守備陣を高く評価した。

    荒木は「京都戦とレイソル戦はカウンターからの失点があったので、リスクマネジメントに気を付けていた」と話し、「自分たちが優勝を目指す上で連敗はできないという思いがあった。

    全員が集中力を切らさずに勝ちに対する貪欲さがあった」と振り返った。

    リーグ上位に留まって優勝を狙うには連敗をしない強さと修正能力の高さが求められる。

    広島は鹿島戦でそれを示すと、続く4月6日のセレッソ大阪戦にも、新井と荒木のゴールで2-1の逆転勝ちを収め、連勝で順位を2位に上げた。

    次は4月12日にホームにファジアーノ岡山を迎えて、J1初の"中国ダービー"で対戦する。岡山はJ1昇格1シーズン目で、ここまで4勝2分け3敗で8位につけている。


    取材・文:木ノ原句望

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