浦和 モンテレイに敗れてクラブW杯3戦全敗で見えたもの【サッカー クラブW杯】

サッカー

2025.7.2


試合後、落胆した表情を浮かべる浦和レッズの選手たち 写真:ロイター/アフロ

浦和レッズのFIFAクラブワールドカップでの挑戦が終わった。

6月25日(日本時間26日)にアメリカのロサンゼルスで行われたグループステージ最終戦でメキシコのモンテレイに0-4で敗れ、3戦全敗のE組最下位で終了。

32チームによる4年に一度の開催、賞金総額約10憶米ドル(約1500億円)とスケールアップしたクラブW杯に、浦和は2022年アジア王者としてグループステージ突破を目標に臨んだが、1勝が遠い大会となった。

初戦でアルゼンチンのリーベル・プレートに、第2戦でイタリアのインテル・ミランに敗れて最終戦を前にグループステージ敗退は決まっていたが、1勝を目指して臨んだモンテレイ戦ではこれまでの2試合よりも試合の立ち上がりも良く、積極的に相手ゴールに向かう姿勢を披露。

前半20分過ぎには1トップに入ったFW松尾佑介が相手ゴールに迫り、浦和マチェイ・スコルジャ監督が「先制していれば試合の流れは違っていただろう」(浦和マチェイスコルジャ監督)という場面も作った。

だが、悪くない試合の流れのなかで、転機が訪れる。前半30分、MFネルソン・デオッサが中盤でボールを持つとロングレンジから決めてモンテレイが先制した。

勝てば他会場の試合結果次第でグループステージ突破の可能性があるモンテレイは、そこから一気に攻撃を畳みかけた。

先制直後の給水ブレイクを挟んで試合が再開すると、縦に素早くパスを展開。FWアルフォンソ・アルバラードの浦和DFのギャップをついたパスにFWヘルマン・ベルテラメが裏に抜けて右足を振り、2-0とした。

さらに4分後の39分には、中盤でパスを受け得たMFヘスス・コロナが持ち上がりミドルシュートで3点目をマーク。試合を決めた。

意表を突くロングレンジからの一撃で先制を許した後、浦和の選手には気落ちした様子が見られた。直後にあった給水ブレイクを利用して仕切り直しを図りたかったが、リスタートでギアを上げた相手への対応は鈍かった。

いずれの失点場面でも中盤で相手にスペースと時間を与えて楽にボールを持たせてしまう守備の甘さがあったが、モンテレイはそれを逃さなかった。

中盤で自由が利くとみると、徹底してそのスペースを使い、ミドルから狙った。嗅覚と対応力、シュート精度の高さで違いを見せた。

浦和は後半、FWチアゴ・サンタナ、MF松本泰志らを投入して反撃を試み、試合終盤には、途中出場のFW二田理央のクロスにサンタナが頭で合わせてゴールネットを揺らしたが、VARでオフサイドがあったとしてノーゴールとなった。

一方のモンテレイは、試合終了直前に左サイドの仕掛けからゴール前でコロナのパスを受けたベルテラメが再び決めて4-0で終了。

モンテレイがこの1勝でグループ2位で突破を勝ち取り、リーベルに2-0で勝ったインテルが2勝1分けで1位でノックアウトステージへ駒を進めた。リーベルは1勝1分け1敗の3位だった。

ジーコ氏も指摘する最初の失点で崩れる傾向

思わぬ大敗に「完全に打ちのめされた」というスコルジャ監督は、「これまでの試合よりも攻撃的に戦うプランで臨んでチャンスも作れていたが、最初の失点が決定的だった」と振り返り、「ピッチの最後のゾーンでの落ち着きに欠けていた。最初の失点後にもっとうまく対応すべきだった」と話した。

右サイドバックで今大会初先発したMF関根貴大も、「入りとして悪くなかったが、あの1失点でチームが崩れてしまった」と言い、精神面での影響が大きかったことがうかがえる。

一つの失点で試合の流れを相手に渡してしまう現象は、今回の浦和に限らず、過去にも目にしてきた。

先日、ジーコ元日本代表監督がテレビ東京の「FOOTxBRAIN+」で、失点に動揺してペースを崩す事例に言及。

日本代表が初のベスト8入りを逃した2018年ロシアW杯ノックアウトステージ1回戦のベルギー戦(2-0リードから3失点)や、自身が率いた2006年ドイツW杯でのブラジル戦(1-0リードから4失点)を例に挙げて、日本が国際舞台で成功するためには「メンタル」面を克服すべき課題に挙げていた。興味深い指摘だ。

浦和のスコルジャ監督は大会3試合を振り返って、「我々の選手の多くは、このような大会は初めての経験だった。もっと国際試合の経験を積む必要がある」と言った。

国際舞台での厳しい相手との対戦から得られるものがあるとして、「致命的」となったモンテレイ戦最初の失点の30メートル弾も含め、「我々の選手には痛い教訓となったはず。今後のリーグ戦に活かしたい」と話した。

一方、関根は大会を振り返って「リーグの色が出た」と国民性や文化の違いに言及。「日本のリーグはチームの構造を維持して全員で守って全員で攻めるが、そうではない、個が強い相手に対して、日常のリーグのサッカーの文化の差が出たと感じる」と言った。

シュートやプレー判断など局面での個人の技量は違いを生み、「ここ」という瞬間をモノにすることで勝利に近づく。モンテレイはロングレンジからの先制で突破口を開くと、その後も中盤から積極的に狙って得点を重ね、試合を決めた。

関根は、「その差をどう埋めるのか。むずかしいと感じるが、大会を経て一人ひとりが感じたものがあると思う。その経験を絶対に活かさないといけない」と語った。

浦和は初戦の入りのまずさや守備の問題を第2戦で修正して健闘を見せ、第3戦では立ち上がりから積極的に攻め、試合ごとに改善も見せた。最終戦で出た課題を含め、今大会で経験したものを今後にどうつながるのか。

チームはアメリカから帰国後、7日間のオフを挟んでJリーグ再開へ向けて始動する。再開後の初戦は7月19日のアウェイでのFC東京戦だ。

文:木ノ原句望