「日本の文化は教えられた通りにこなすことを重視している」ジーコが語る日本代表の弱点とW杯で優勝するために必要な力
【動画】FOOT×BRAIN+ #721 日本サッカーの礎を築いたジーコが見据える日本の未来とは?|https://youtu.be/s4BPU-FnRVI
これまで「日本サッカーが強くなるためにできることのすべて」をコンセプトに2011年4月に始まった『FOOT×BRAIN』。
番組開始から15年目を迎え、2025年4月に『FOOT×BRAIN+』として新たなコンセプトで生まれ変わった。
ブラジルサッカーの伝説的存在として日本に深い影響を与え続けるジーコ。Jリーグ創世記から日本サッカーの発展に尽力してきた「神様」は、日本がワールドカップで優勝するために必要な要素を、ブラジルサッカーの歴史と自身の経験を通して明かしていく。
ブラジルが「サッカー王国」となった理由

「ブラジルがプロ化した時、非常に重要な飛躍を遂げました」とジーコは語り始めた。かつてブラジルではサッカー選手は良い印象を持たれておらず、彼の父親も「子どもには勉強させたい」と思っていたという。しかし、その状況を一変させたのがガリンシャとペレという2人の英雄だった。
「この2人がブラジルサッカーに情熱をもたらしました」とジーコ。20世紀最高の右ウイングと称されたドリブルの名手ガリンシャと、3度のワールドカップ制覇を成し遂げたペレのプレーが人々を熱狂させ、ブラジルを「サッカー王国」へと変えていったのだ。
長年ジーコの通訳を務めた鈴木國弘は、ブラジルのサッカー文化について「日本ではサッカーは一つのスポーツだが、ブラジルではスポーツではなく宗教的なもの」と説明。「男の子は幼稚園から必ずボールを蹴り、プレゼントもボールというのが当たり前の文化」と、サッカーが生活に根付いていることを語った。
ブラジルに勝てない日本 その理由は?

日本代表はブラジルと過去12戦して未勝利。奪った得点もわずか4ゴールのみという厳しい現実がある。
「日本のサッカーは、ヨーロッパのサッカーよりも南米のサッカーに対して常に難しさを感じています」とジーコは分析する。
その理由として、南米特有のスピードとクリエイティブなプレーがに苦手であることを挙げ、「日本代表はもっと南米と試合をした方がいい」と語った。
ジーコが語る森保監督の魅力

ジーコは、監督には「全体的なビジョンを持ち、ピッチ上で何が起こっているかを把握できる」能力が重要だと語る。
その上で、アンチェロッティやグアルディオラ、ジダンといった「サッカー史上偉大な監督」には中盤の選手や元々中盤だった選手が多いと説明し、森保監督も「ピッチ全体を俯瞰で見る能力に長けている」と評した。
日本サッカーが世界の頂点に立つために

鈴木は、ジーコと共に過ごした日々を振り返りながら、ある興味深いエピソードを語った。2006年ドイツワールドカップの時、若い選手たちが1982年のブラジル対イタリア戦を見て、ブラジルのダイレクトパスの美しさに感嘆していた際、ジーコが「それはあのレベルだからできること。基本は止めて蹴る、止めて蹴る。それが正確になれば、ダイレクトで叩くより早くなる」とアドバイスしたという。
これは技術的な側面だけでなく、ジーコが日本サッカーの本質的な課題を指摘していたともいえる。ジーコは「日本の文化は若い頃から、教えられた通りに正確にこなすことを重視します。サッカーはピッチの中で自分で何をするか決断する必要があります」と語る。
日本選手が世界で戦うためには、「決まりを守るだけでなく、状況に応じてもっと柔軟に自己判断でベストなプレーを選択できること」が不可欠だと強調した。
アンチェロッティのブラジル代表監督就任をどう見るか

「それは確かに大きな賭けです」と鈴木。イタリア人指導者カルロ・アンチェロッティがブラジル代表監督に就任するというビッグニュースに、ジーコは「彼はブラジルサッカーの文化をよく理解している。レアル・マドリードでヴィニシウス・ジュニオールを世界最高レベルに育てたのも彼のおかげ。私の意見では、彼は世界最高の監督です」と評価した。
約100年ぶりに外国人監督を迎えるブラジルの決断。それは王国復権への強い意志の表れともいえる。
レジェンドが集結するチャリティマッチ

7月27日、広島で「ジーコ主催のチャリティマッチ」が開催される。ブラジルからはロナウジーニョをはじめとするレジェンドたちが参加予定で、日本側は2006年ドイツワールドカップでジーコと共に戦った小野伸二、高原直泰、柳沢敦らが名を連ねる。
サッカーの「神様」ジーコが見据える日本サッカーの未来。それは文化や歴史を超えて、真の「強さ」を身につけた日本が世界の頂点に立つ日の到来かもしれない。
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