【皐月賞 見どころ】レース史上に残る大混戦。勝つのはどの馬だ!?
2026.4.19
今年で86回目となる牡馬クラシック第1戦、皐月賞だが......レース史上、稀に見る大混戦となっている。
18日の前日最終オッズ1番人気馬のオッズが4.2倍。これに続く2番人気馬が4.5倍、3番人気馬は6.3倍と上位人気馬の人気が拮抗した上で大混戦の様相を呈している。
皐月賞と言えば、前年の2歳王者やトライアルを勝ち上がってきた実力馬が人気に推されるケースが目立つ。
1986年以降に絞ると1990年のアイネスフウジンが単勝4.1倍の1番人気に支持されたのが1番人気馬で最も高いオッズとされているが......今年の皐月賞はそれを上回る可能性が出てきた。
まさに群雄割拠、どの馬が勝ってもおかしくないほどの混戦だけに世代のレベルが問われるところだが......
実は1990年のクラシック世代はアイネスフウジンが皐月賞2着後にダービーを制すると、秋にはメジロマックイーンが台頭。
古馬になるとメジロライアンが念願のGⅠホースとなるなど、90年代前半の競馬界を彩った強豪世代だった。
この前例に倣えば、2026年のクラシック世代にあたる3歳馬たちも息の長い活躍を続ける強い世代となる可能性が高い。
クラシック戦線だけでなく古馬になっても活躍する馬たちも多くあらわれそうなだけに、皐月賞に挑む18頭の大成への最初の一歩に注目したい。
ロブチェン(c)SANKEI
そんな今年の皐月賞で、主役を張りそうなのがホープフルS勝ち馬のロブチェンだ。
思えば、この馬が勝利した昨年のホープフルSも戦前の下馬評は混戦模様とされ、デビュー戦を逃げて勝ったばかりだったこの馬自身も7番人気の低評価。
ところが本番になると中団で脚を溜め、最後の直線でインコースが塞がれてしまうとすぐさま外に出して、まるで風のように突き抜けて快勝。2戦2勝で2歳王者の座に就いた。
年明け緒戦の共同通信杯は直線に入ってからジワジワと追い上げたが、3着止まりで初黒星。
しかし上がり3ハロンの時計は33秒4と自己ベストを記録し、勝ち馬、2着馬とはタイム差なしの接戦に持ち込んでいる。
皐月賞の歴史を辿れば、爆発的な末脚は大きな武器となるのは間違いない。2歳王者の誇りを胸に、ロブチェンは皐月賞を制することができるだろうか。
カヴァレリッツォ(c)SANKEI
中距離戦を制した王者がロブチェンならば、完成度で朝日杯FSを制したのがカヴァレリッツォだ。
デビュー戦は差し切り勝ち、デイリー杯2歳Sは先行策から2着に入るなど自在性のある脚質を見せて挑んだ朝日杯FSは出遅れながらも中団で脚を溜めて、直線に入ると前がつまり気味なインコースを敢えて突いて伸びてきて勝利した。
クリスチャン・デムーロの好騎乗と見る向きもあるが、名手の突然のひらめきに対応できるレースセンス、馬群の中に入れられても物おじしない勝負根性がこの馬の武器であることを示した一戦となったのは間違いないだろう。
そんな朝日杯FS以来の実戦となった今回は最内枠の1枠1番を引いての一戦。
2000mという距離を新パートナーであるダミアン・レーンとともにどうこなすかがカギを握るが、この馬のレースセンスと勝負根性、そして何より完成度の高さを持ってすれば決してこなせないモノではないはずだ。
グリーンエナジー(c)SANKEI
2歳王者同士の激突に待ったをかけたいのが、遅れてきたチャンピオン・グリーンエナジーだ。
まるで父スワーヴリチャードの3歳時を見ているかのような栗毛の馬体にハナまで伸びる白い流星が印象深いが、未勝利勝ち直後に挑んだ京成杯で強烈なインパクトを与えたのは間違いない。
スタート直後は後ろで抑えて折り合いに専念。それまでインコースでジッとしていたことで直線では末脚が爆発。
外に持ち出すと一気の脚で伸びてきてそのまま突き抜けて快勝。その破壊力は2歳王者2頭を凌ぐ切れ味で一気にクラシック戦線の主役として称されるほどになった。
京成杯の勝ち馬はあまりクラシックに直結しない傾向があったが、2023年には京成杯を制したソールオリエンスがそのままの勢いで皐月賞を制したこともある。
スケールは2歳王者以上とも思えるほどの大器であるグリーンエナジー。風のような走りで第1冠目を掴むのだろうか。
バステール(c)SANKEI
かつての皐月賞と言えばトライアルである弥生賞を勝ってきた馬が優勢だった。今年はバステールが本番の皐月賞に挑む。
未勝利勝ち直後に挑んだ弥生賞は後ろからの位置取りで脚を溜めると、直線で外に出ると他馬と接触。まだ若い3歳馬にとっては大きな不利となるものだが、この馬は違った。
怯むどころか逆にエンジンにスイッチが入ったかのように勢いはさらに増し、追い込んできた。
その結果、内で叩き合っていたアドマイヤクワッズとライヒスアドラーを交わしてゴール。堂々たる勝利を挙げた。
末脚ならばどの馬よりも力強い印象を受けるバステール。混戦模様の一戦で直線一気の脚を炸裂させるだろうか。
パントルナイーフ(c)SANKEI
最後に紹介したいのが東京スポーツ杯2歳Sを制してからここに挑む、パントルナイーフだ。
父こそキズナに替わったが、管理するのは木村哲也調教師、主戦騎手はクリストフ・ルメールというコンビを見るとあの名馬、イクイノックスを思い出す。
未勝利勝ち直後に挑んだ出世レース・東京スポーツ杯2歳Sは縦長の隊列となった中で中団に付けると、直線では外を突いて一気に伸びてきて快勝。上がり3ハロンの時計32秒9はくしくもイクイノックスと同じだった。
イクイノックスと同じローテで挑むクラシック第1戦。
4年前のイクイノックスは2着に終わったが、パントルナイーフは偉大な先輩を越えられるだろうか。
例年以上に混戦模様となった今年の皐月賞。激戦をモノにして、世代の頂点を掴むものは果たしてどの馬か。
■文/福嶌弘
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