【秋華賞 みどころ】桜花賞馬もオークス馬もいない一戦 春の既存勢力vs夏の上がり馬軍団 制するのはどちか!?
2026.10.18
モンローウォーク(c)SANKEI
今年で31回目を迎える秋華賞だが...... あなたはこのレースにどんなイメージを持っているだろうか?
ベテランの競馬ファンは「波乱のレース」と答えるだろう。
思えば第1回、外国産馬ファビラスラフインが軽やかに駆け抜けていく中で、オークス馬エアグルーヴが10着に敗れ、その3年後の99年には12番人気の伏兵・ブゼンキャンドルが飛んできて、馬連9万4630円の大波乱の決着となった。
女心と秋の空の格言の通り、初期の秋華賞は難解な一戦になることが多かった。
あるファンは「桜花賞馬とオークス馬の激突が最大の焦点」と答えた。
牝馬クラシック最終戦にふさわしく、桜花賞とオークス馬がマッチレースを演じることはしばしばある。
桜花賞馬キョウエイマーチとオークスを制したメジロドーベルの一騎打ちとなった第2回や桜花賞を勝ったテイエムオーシャンがオークス馬レディパステルを破った第6回......
そう言えば昨年も桜花賞馬エンブロイダリーが早めに抜け出し、オークス馬カムニャックが失速する中で牝馬二冠を達成してみせた。
だが、今年の秋華賞は7年ぶりに桜花賞馬もオークス馬もいない一戦に。
女王不在の混戦はニューヒロインが生まれる一戦となる。
ちなみに7年前の秋華賞を制したクロノジェネシスはここから本格化を迎え、古馬になると有馬記念などGIタイトルを積み重ね、文句なしの女王となった。
今年もまた、そんな逞しい女王に出会えるだろうか...... その筆頭格となりそうなのはモンローウォークだ。
ここまで4戦無敗。今夏最大の上がり馬という印象の強い彼女だが、思えば2歳当時から評判の高い1頭。
昨夏の新潟で上がり3ハロン33秒9という軽快な末脚を見せて逃げ切り、デビュー戦を快勝したがその後骨折が判明。
休養を余儀なくされることに。そしてその間に馬主の意向で転厩することになるなど少々ゴタゴタが続き、気が付けば春の牝馬二冠は終わっていた。
彼女が本領を発揮したのは今夏の北海道開催。+22キロという大幅な馬体増で挑んだ八雲特別は軽々と抜け出して連勝を飾る。
3戦目のかもめ島特別は番手から動いてそのまま押し切り、無傷の3連勝を達成し、秋華賞戦線へのダークホースとして注目された。
そうして迎えたローズS。阪神JF3着に入ったタイセイボーグやフローラS2着エンネ。
そして偉大なる名馬・イクイノックスを兄に持つイクシードらが揃ったが、モンローウォークは動じることなく番手に付けて流れに乗ると、直線半ばで先頭を奪って独走。
気が付けば2着に食い込んだエンネに3馬身差をつける圧勝劇を飾ってみせた。
「能力は間違いない」と、上村洋行調教師が太鼓判を押すほどの逸材であるモンローウォーク。秋晴れの中、淀のターフで新女王誕生の瞬間にその名を轟かすことができるだだろうか。
春はあと一歩届かなかった馬が、秋に飛躍を遂げるというのも秋華賞ではよくある話。今年の場合はドリームコアがその1頭だ。
父はダービー馬キズナ、母はヴィクトリアマイルを制したノームコアという良血馬。
彼女はデビューからソツのない走りを見せて勝ち星を積み重ねると明け3歳緒戦となった今年のクイーンCを制覇。母譲りの勝負根性がフルに生きた。
だが、その後の彼女を待っていたのは苦難の道。桜花賞は後方から一気の脚での差し切りを考えたが、逃げたロンギングセリーヌの後を追いかける形になり、直線で伸びることなく9着に惨敗。
得意の東京でならと巻き返しを期したオークスはいったん先頭に立つも、馬群を捌ききれず。そうしているうちに内から馬群を捌いて飛んできたジュウリョクピエロの激走に遭い、またもや2着。
秋緒戦とした紫苑Sも降りしきる雨の中で持ち味である末脚のキレを奪われて3着に留まった。
迎える最後の一冠、秋華賞。条件などはピッタリなだけにあとは本来の力を出し切ることができるかどうかだ。
そんなドリームコアを紫苑Sで粉砕し、話題となったのがマスターソアラだ。
昨年11月のデビュー戦を制し、年明け緒戦のクイーンCは4着とまずまずな内容で走るなど期待されていた1頭だが、ここで長期休養入り。戻ってきたのは9月初め。復帰緒戦として選んだのは紫苑Sだった。
プラス10キロとなる492キロで挑んだ一戦。スタートで若干の不利があったことで後方からのレースとなったが、末脚を温存できるというまさに理想郷。
直線を向くころにはエンジン全開で外目を突いて伸び、2歳レコードタイムを更新して快勝してみせた。ここまでのキャリアはわずか3戦。名手・武豊とのタッグで輝きを放つか。
ちなみにルメールは現在、秋華賞を2連覇中。空前絶後の大記録となる秋華賞3年連続勝利をこの馬とともに果たすのだろうか。
誰が勝っても新女王誕生となる一戦。ここを通過点として春クラシックを制した古馬たちへ挑み、そして最終的には競馬界の頂点に上り詰める――そんな逞しい馬がここから飛び立つことを祈りたい。
果たして勝つのはどの馬か――今週末も、見逃せないレースになりそうだ。
■文/福嶌弘