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『雨垂れ石を穿つ』日本女子が歴史的快挙!打倒中国で悲願の団体金メダル【卓球 アジア選手権】

2024.10.10
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2024.10.10

卓球 アジア選手権2024 女子団体 表彰式 日本が優勝 写真:VCG/アフロ

ついに歴史が動いた。

9日(木)夜に行われた「第27回ITTF-アジア卓球選手権大会」<2024年10月7日(月)~13日(日)/カザフスタン・アスタナ>女子団体決勝。

【結果速報】『第27回ITTF-アジア卓球選手権大会2024』10月7日(月)~13日(日)開催!

同日昼の準決勝で難敵インドをマッチカウント3-1で下した日本は、香港に勝って決勝に進んだ中国と対戦し、マッチカウント3-1で勝利。優勝を果たした。

これまで立ち向かうたびに跳ね返されてきた中国の厚い壁。それを執念と鍛錬で打ち破った逞しい大和なでしこたちの歓喜の瞬間だった。

団体戦での"打倒中国"は長年にわたる日本卓球界の悲願である。

2021年アジア選手権ドーハ大会でも日本は女子団体で優勝しているが、中国は出場しなかったため、最後に中国に勝って優勝したのは1974年横浜大会の女子団体。実に50年前にさかのぼる。

日本は1番にチーム最年少の16歳・張本美和(木下グループ=世界ランク7位)、2番に伊藤美誠(スターツ=同9位)、3番に平野美宇(同12位)というオーダーを組んだ。

利き腕の怪我の治療から復帰しベンチ入りした早田ひな(同5位)の起用は無く、エースを欠いた布陣。結局、団体戦での早田の出番は最後まで無かった。

対する中国は1番に王芸迪(同4位)、2番に世界ランク1位のエース孫穎莎、3番に陳幸同(同6位)という顔ぶれ。

東京、パリとオリンピック連覇の陳夢は出場を回避し、最新の世界ランクで2位に浮上した王曼イクも家庭の事情で大会直前にキャンセルしたため、急きょ、代役として陳幸同が招集されていた。

1番の張本は今年4月のITTFワールドカップマカオで初勝利を奪った王芸迪をフルゲームで下すと、マッチカウント2-1の日本リードで再び出番が回ってきた4番では、世界女王の孫穎莎もフルゲームの激戦の末に破り、日本に歴史的勝利をもたらした。

張本が孫に勝ったのはこれが初めて。凄まじいスピードで成長する16歳の才能がとてつもない大仕事をやってのけた。

3番で陳幸同を下した平野の1点も大きかった。何しろ陳は過去6回対戦して一度も勝ったことのない相手。平野にとっては鬼門と呼べる存在だが、ゲームカウント3-1で平野が勝利。

この一戦では、パリオリンピック女子シングルスで浮き彫りになった試合の入り方や要所での戦術選択などの課題に改善が見えた他、得意のラリーでじっくり攻めて相手を崩す落ち着きもあり、終始プレーが安定していた。

表彰台の中央で仲間たちに促されながら優勝トロフィーを受け取った平野。はにかみながらも誇らしげな勇姿が眩しかった。

2番の伊藤も孫穎莎にストレート負けだったものの、パリオリンピック前の沈鬱な表情はすっかり消え、持ち前の試合を楽しむ姿勢と攻めのプレーが随所に光った。

思い切りのいい回り込みのフォアレシーブや鮮やかなカットブロックなどの妙技は健在だ。

ただ決め球のスマッシュや表ソフトラバーによるバックハンドにミスが多く、連続ポイントに繋がらないのがもったいなかった。

来年の「世界卓球2025ドーハ」での女子シングルス金メダル獲得を新たな目標に掲げる伊藤。今後の強化に注目したい。

ミスといえば今回、孫にも珍しくミスが目立った。いつもはとにかくミスの少ない孫だが、明らかに打球のタイミングや体の動きをアジャストできず失点する場面が多かった。

国際大会の過密スケジュールによる疲労なのか、あるいはコンディションに不安があったのか......。

ただ、それを差し引いても連戦連勝の孫を負かした若き張本の強さは本物だったし、陳夢と王曼昱がいないとはいえ、エース早田を欠いた日本が世界最強の中国に勝った事実は今後の勢力図に影響するはずだ。

雨垂れ石を穿(うが)つ―――。たとえ小さなしずくでも、長い時間をかけて同じ場所に落ち続ければ硬い岩をも砕くことがある。

そんなことわざわざを証明するような価値ある勝利に大きな希望を見た。


(文=高樹ミナ)

第27回ITTF-アジア卓球選手権大会2024

卓球 第27回ITTF-アジア卓球選手権大会2024
9月26日(木)〜10月6日(日)開催!

試合速報、配信情報、日程結果などは
特設サイトへ:https://tvtokyo.tv/3BDWmr9

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