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#103   箱ずし職人 大山雄市(おおやま・ゆういち)

今回の匠:写真

2008/3/28放送

大山雄市 プロフィール
1936年 等強生まれ
関西で料理人の見習いを始める


「 すしは 角が立ってこそ 」

大阪の繁華街、船場。ここに、江戸時代から続く浪速の味を守る料理人がいます。今回の匠は、大山雄市さん。この道50年のすし職人です。「大阪のすしは握るんじゃないんですよ。詰めて、押して、それで回すんです。」
大阪のすしに欠かせない箱。その1辺は二寸六分。箱ずしは、「二寸六分の懐石料理」と言われてきました。


米は昆布で取っただし汁で炊き上げ、合わせた酢にさらします。具は、煮る、焼く、蒸すという手の込んだ下ごしらえ。いよいよ箱が登場…ご飯を押すのは、空気を抜いて酸化しにくくするため。次に具を重ねていきます。椎茸を敷き詰め、ご飯を被せ、海老に昆布、そして、最後に箱を大回転。コツは力の入れ具合。「人間て、右と左とが、力加減なんかが違うわけですね。水平になるということが目的の一つなんです。」
かくして箱ずしが完成。あなごと鯛を加えて、ワンセット。


長持ちする箱ずしは、昭和のはじめ頃まで、芝居や行楽などテイクアウトできる寿司として人気を博しました。しかし、戦後は握りずしに押され、箱ずしを作る店は少なくなっていきました。「迎合はしたくないです。相手によって自分の姿がどんどんどんどん変わっていくわけですから。そういう世の中って面白くないじゃないですか。角が立つように、肩がピシっとしてる方がいいじゃないですか」


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