#107 彫師 石井寅男 (いしい・とらお)
2008/4/18放送
石井寅男 プロフィール
1938年 千葉生まれ
15歳で彫師の道へ
「 残していきたい」
台東区元浅草。この町にこだわり半世紀、浮世絵を彫り続けている職人がいます。今回の匠、石井寅男さん。江戸時代の技術を受け継ぐ数少ない彫師の一人です。原画を忠実に再現する、浮世絵の復刻作業。細かい線の一本一本に、匠の技が光ります。
「これぐらいだったら細かいとは自分は思わないですけどね。これは広重ですけど意外ときれいな線で彫ってあるからね。北斎のこの線きれいなの一つもないですよ。全部クセがはいってますよ。だから北斎の方が難しいんですよ。」
木目を見ながら彫り進める丁寧な作業は、ひと月近く続きます。彫った板は摺師の手に渡り、江戸の浮世絵が甦るのです。
「自分だけの仕事じゃないから相手のことも考えて仕事しないとね。相手が摺りやすいとか。」
「終われば終わったなりに良さはありますよね。自分のやった仕事に満足してあがればね。」
「自分はやっぱり最初独立してこの町内出て来てるから、この辺がすきなんです。みんな知ってる人ばっかりだからこう叩いてても、ガタガタやってても意外と文句言われないんですよ。そういう気楽なとこあります。下町の良さっていうかな」仕事の合間、息抜きの散歩。この日は、近所のお寺にある葛飾北斎の墓をお参りしました。「仕事が上手くなりますように…。」
「今はこういうのを残していきたいっていうのがありますよね。日本しかない仕事ですからね、これ。それもひとつのやりがいとして仕事をやってんのかもしれないけどね。」






