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#112   ばね製造技能士
       梶川信行(かじかわ・のぶゆき)

今回の匠:写真

2008/5/23放送

梶川信行 プロフィール
1950年 岐阜生まれ
15歳で大阪の東海バネ工業入社


「 作れないばねはない 」

真っ赤に熱せられた鉄。直径7センチの太い棒が巻き取られていきます。これ、実は巨大なバネ!今回の匠、梶川信行さんは、バネ作り42年というベテラン技能士です。低価格で大量生産が中心のバネ産業。しかし、梶川さんたちが手がけているバネは、1種類につき、わずか4~5個しか注文がありません。発電所の安全弁などに使われる10トンの重さに耐えるバネ。人工衛星に搭載される直径3ミリの皿形バネ。タケノコ型をした特殊なものまで、大きさ、形も千差万別。


しかも、同じ材料で寸法通りに作っても、同じ性能が出るわけではないのです。「経験がなかったら出来ないです。色々やってみないことには、その、どう変化するかわからないですから。」一定に巻けたように見えても、場所によって、固さが変わってしまうバネ。そのため、微妙に間隔調整をしておく必要があるのです。しかも、熱処理温度のわずかな違いで、完成したバネにくるいが生じる。どのタイミングで冷やすか、職人の判断力がものを言います。「失敗は出来ません。失敗しないです。だいたいわかってきます。硬いバネか柔らかいバネか、それで焼き入れしたらどう変わるか。」


自分の手で自在に形が変わっていく面白さにひかれ、バネ作りにのめり込んできたという梶川さん。これまで手がけたバネは、実に十万種以上!「作れないバネはありません。勘と経験で何でも作ります。誰にも負けません!」


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