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#121   黄楊櫛職人
       竹内勉(たけうち・つとむ)

今回の匠:写真

2008/7/25放送

竹内勉 プロフィール
1942年 東京生まれ
15歳で黄楊櫛職人の道へ


「 いいものと職人は 客が育てる 」

東京、上野。江戸時代から270年以上続く、黄楊櫛専門の店があります。十四代目主人、竹内勉さん。黄楊の櫛を作り続けて、50年になります。
黄楊は古くから、くしの最高級の素材として選ばれてきました。固くて丈夫。それでいて弾力があって、肌触りがいい。髪を傷めないので、今再び、使う人が増えています。
「よく言われることは、黄楊本物を一回使っちゃったら、他の物は使えないね、って、お客さん、よく言うんですよ。独特の物があるんですよ。」


磨いて磨いて磨き抜く。黄楊の良さは、磨かれることによって引き出されます。
「そういうものを、ただ、私らは引き出してあげてるだけのものでね。あとは使う人の、ひとりひとりの個性に合わしてくれますよ、黄楊の木が。」


作るのではなく、引き出す。一本の黄楊の木を、人の道具へと変えてゆき、素材と使い手との橋渡しをするのが職人の仕事。それを支えてきたのは、店先で直に接する、お客さんひとりひとりの声でした。
「いいものを残したい。それはお客さんが育てるんだよ、職人を。昔の人なんかそうでしたもん。僕ら、怒られましたよ。素人さんよ、おばあちゃんに。おまえ、こりゃ、こうやるんだよっ!てね(笑)よく怒られたもんですよ。」


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