匠の肖像 匠の肖像

匠の肖像バックナンバー

#123   吹きガラス職人
       塚本衛(つかもと・まもる)

今回の匠:写真

2008/8/8放送

塚本衛 プロフィール
1949年 千葉生まれ
中学卒業後ガラス職人の道へ


「 ガラスは生きもの 」

ずらりと並んだモダン・グラス。海外でも高く評価されているガラス工房の製品です。職人たちの手作業が生み出した、斬新で繊細なデザイン。これらを作っているのが、千葉県九十九里町にある菅原工芸硝子。モットーは、一人一人がデザイナー。30人の若い力が、年間200もの新作生み出す活気ある現場です。


この工房の最年長、塚本衛さん、58歳。摂氏50度を超える灼熱の作業場で、独創的な作品を数多く生み出してきました。「同じ輝きじゃないんですよね、作り込んだ物ってのは。見ると吸い込まれる感じがするんですよね。」


塚本さんが昨年作ったのが、このカクテルグラス。底からぶくぶくっと泡が浮き上がってくるデザイン。実は、失敗作からヒントを得たそうです。「商品としては、気泡が出来ると、ガラスはダメだと、それをなんとか前から出来ないかな、と思って。」塚本さんは、ガラスが冷めるときに出てくる気泡を、デザインに逆利用しました。これこそガラスの性質を知り尽くす、匠の知恵。冷めて堅くなると、再び熱い窯に入れ直す。この作業を繰り返すうちに、内側に泡が浮かんできます。「つくってるとき、ずっとこう見てんでしょ。あのときあわが成長してくるんですよ。だからあれは生きもんですね、あの泡は。ぷーっと大きくなる。面白い!」


バックナンバー一覧


up