匠の肖像 匠の肖像

匠の肖像バックナンバー

#130   菓子木型職人
       市原吉博(いちはら・よしひろ)

2008/9/26放送

市原吉博プロフィール
1946年 香川生まれ
28歳で菓子木型職人となる


「 アンカーとして伝統を守りたい 」

日本の四季を伝える美しい和菓子。その形を決める大切な道具、菓子木型。今回の匠は菓子木型職人の市原吉博さん。全国の和菓子店から信頼される、職人魂の持ち主です。「アーティストでしたら自分の好きな分野だけで良いんですけど、職人となるとどんな注文がきてもそれに応えてあげなきゃいけないので。まあ、ノーと言えない職人ということでね。大変苦労しましたけど…」


職人となって30年以上。完成した菓子の形に満足がいくようになったのは、この4、5年のことと匠は語ります。「やはり、彫りの深さ、立体感です。お菓子屋さんがですね、作ったお菓子がですね、消費者の手の中で、あ、立体的に出とる、あ、可愛いらしいなとか、感動を持って見てくれるレベルにするんが大変です」
工房の隣には、150年前の木型などがずらりと並ぶ展示室があります。先人の技を学ぶために、匠が全国から集めたのです。「また新しい型に挑戦する時にまずここへ来て、色んな構想を模索するのに、こうして昔のデザインからとったりですね、参考にしたりして…」


伝統から学ぶとともに、匠は新しい分野への挑戦も常に模索しています。2年前からデパートのショーウィンドウに飾るガラス細工のための木型作りも始めました。菓子以外の用途の注文にも積極的に対応しているのです。
機械化などの影響で、活躍の場を失いつつある菓子木型。残り少ない職人として、匠は自らの使命を感じているそうです。「お菓子屋さんの裏方として木型職人が延々と頑張ってきたんですけど、ま、ほとんどアンカー状態なんですよね。一日でも長くこの伝統を守りたい。沢山の子供たちにモノづくりの大切さを教えていきたい」


バックナンバー一覧


up