#131
江戸和竿師
中根喜三郎(なかね・きさぶろう)
2008/10/3放送
中根喜三郎プロフィール
1932年 東京生まれ
19歳で竿師の道へ
42歳で4代竿忠を襲名
「 竿は残る 」
200年の伝統を誇る江戸和竿の職人が今回の匠。竿忠4代目、中根喜三郎さん。江戸和竿とは、天然の竹を使い、漆で仕上げた継ぎ竿。この竿は、手元に鼈甲をあしらうなど、まさに美術工芸品。「使うのが第一、でも、やっぱり大人の玩具だから、見て、釣らない時に見て美しい方が良いんじゃないかなって、そういうこと心がけて…」
竹選びから仕上げまで120もの工程を一人でこなす匠。火入れは、竹に魂を入れる最も大切な工程。矯め木と呼ばれる道具で曲がりやクセを直し、竹に強さとネバリを与えます。「備長の炭で竹に、キツネ色に焼きを入れるんですけど、刀で言えば焼き入れっていいますか…そうすると竹に強度が増すんです。竹が男前になるわけです。」

代々、長男にだけ伝えられてきた竿忠の技。しかし、昭和20年の東京大空襲で両親と二人の兄、弟の5人を失います。喜三郎さんは、父や祖父が遺したものを手本に伝統の竿作りを始めました。「親の竿だとか先祖の竿見ながら、それを模倣から始まったんです。マネから…。でもマネじゃ勝てないし、だから自分のそれに独創を入れたり。何度も何度も失敗を繰り返しながら自分の作品をつくるんですね。」失敗を重ねながら身につけた、竿忠独特の胡麻塗り。漆をゴマのように盛り上げる、匠、独自の美しい技。 「自分が死んでも竿は残ってくもんですから、嫌なものは作りたくないと思ってます。代々、少しは名人だって言われたもんですから私もやっぱり負けずに作りたいと思って。」





