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#135   手刺し緞通製造者
竹内章(たけうち・あきら)

2008/10/31放送

竹内章プロフィール
1945年 大阪生まれ
21歳で織物会社を創業


「 曲がってもいい やり直してもいい 」

今や日本に数軒となった、ハンドメイドのじゅうたん工場。じゅうたんが日本に伝わった江戸後期。ここ堺では緞通(だんつう)と呼ばれ、近年まで、多くの職人の手によって生産されていました。
今回の匠。手刺し緞通製造者、竹内章さん。ホテルやブランドショップから、迎賓館、御所にいたるまで、これまでに作ってきたじゅうたんは、1万枚を超えます。そのほとんどがオーダーメイドの一点ものです。「ただ単にいただいてるデザインや色の指定があるんですけど、ちょっと薄いめ、ちょっと濃いめ、あるいはちょっと赤みを帯びたやつ、ちょっと青みをおびたやつ、色によってね全体的なマッチングといいましょうかね、ぽーっと1色そっぽ向いてくるような色もあるしね。」


依頼されたデザインが到着すると、作業を開始。微妙な色の配合が、作品の印象をがらりと変えます。フックガンと呼ばれるピストル状の機械で、キャンバスの裏から描き込まれていく模様。熟練の職人たちの黙々とした作業がつづきます。「やっぱり、口は動かさんでも手を動かすっていうのが、この仕事の役割みたいな感じがしますね。」
竹内さんたち43年のじゅうたん作りを伝える様々な糸。「もう本当に垢みたいなものですけれどもね。こんだけ色を今まで染めさせていただいたんだなっていう気持ちでね。」「…これなんか、そうですわ。」竹内さんにとって忘れられない仕事…。市内のホールをかざる緞帳です。


「やっぱり人間であるかぎりね、働かなあかんっていうことです。働くっていう中にね、僕はこれを求めているわけであって。」「まあ、なぜ人は生きるのかというのと同じで分け分からんのですが、でもまっすぐね、打てる時は打ったらいいし、もうちょっと疲れたらこう曲がってもいいし、曲がったらまたそれ抜いて差し替えたらいいし。」「綺麗に仕上がっておったとかお褒めの言葉いただいた時には、やっぱりね、みんなに伝えるようにできるだけしていましてね。そういう時はみんなにこっと笑顔がこぼれるような気はします。」


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