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#138   元結職人
川瀬栄作(かわせ・えいさく)

2008/11/21放送

川瀬栄作プロフィール
1931年 新潟生まれ
15歳で元結職人の道へ


「 何でも来い 」

見事に結い上げられた日本髪。この髪を結うときに使うのが、“もとゆい”あるいは“もっとい”と呼ばれる紙紐です。そういえば、『文七元結(ぶんしちもっとい)』という古典落語もあるんですよ。
長野県飯田市。適度に乾燥した紀行のおかげで、良質な元結が作られてきました。今回の匠、川瀬栄作さん。祖父の代から続く三代目、暦62年の熟練です。


素材を撚るのは奥さん。これに元結の命とも言うべき“強さ”を与えるのが匠の技。外国人はその強さに驚き、『ペーパーワイヤー』と呼びました。最初に塗るのは、糊です。絶妙な力加減。およそ18メートルを往復します。その日の天気で、乾く時間は様々です。「風吹いたっちゃぁさっと乾くし、ほいで、お日様やらいろいろ自分で頭ん中入っとらんとね。」
糊が乾いたところで、今度はビニール樹脂を上塗りします。これは、川瀬さんのお父さんが開発した技術です。「ちゃんと歩いとる場合はスーッとやって滑らか、つーっと滑る。ほだもんで、自分でこうやって触っとったってね、あ、今日のこきは良いか悪いかわかるんだ。」


元結は歌舞伎のかつらや力士の髷にも使われます。「自信もてるもんでね、ほいだもんで、もう気楽にね、何でも来いちゅうようなもんでね、あの、何ちゅうかな、もう安心してやれるもんでね。ま、これ一番俺にとっちゃあ最高だなあっておもってね。」


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