#43 製本職人 上島松男(うえしままつお)
2007/1/27放送
上島松男 プロフィール
1939年 東京生まれ
15歳で神田の製本職人に弟子入り
長野県伊那に工房を持つ
「 挑戦する それが職人の条件 」
一冊の本。その奧付けに、著者や装幀家と並んで製本職人の名前。一流の装幀家からたよりにされる上島さんは、奧付けに名前がのる数少ない製本職人。本の品格を決めると言われる、このページの丸み。美しい卵形を一瞬でつくる。機械製本が主流の今、上島さんは、あくまで手製本にこだわる。「うちで作った本は、100年、200年、壊れないのが本当だと思うんですけど、今、店頭に並んでいる本で、2、3年で壊れてしまったり、ざらにあるじゃないですか。手作りでやったものは形を覚えてなくても、最終的には残ってるんですよ。」
良い本は、隠れたところに技がある。たとえば、この本の背中につくった空間。表紙とページのバランスをとって、本に無理な力が加わらないようにする。上島さんは、今では常識となっている技術を次々と開発した。背表紙のフチぎりぎりまで文字が印刷できるのも画期的なことだった。「自分が学んだこと以外を受け付けない人がいるけれど、私はそれはもう職人でも何でもないと思いますね。」
製本の世界は、あたりまえが難しい。糸を使わず糊だけでページをつなぐ技術も上島さんのアイデア。何でもないように見えるが、この接着剤がミソ。開発には、2年以上かかった。「古い考え方を応用して、新しい技術が必要になってきますね。トライしている人間でしょうね。トライしていかなかったら、もうその段階で止まってしまうんですよ。その人たちの仕事っていうのは、それ以上のものが来ないじゃないですか。」






