#45 表具師 前川八十治(まえかわ・やそじ)
2007/2/10放送
前川八十治 プロフィール
1932年 東京生まれ
19歳で父に弟子入り
歌舞伎の隈取りの表装に定評がある
「 あくまでも脇役 」
東京墨田区に、千年以上続く伝統の技を、親子三代に渡って糊と刷毛を手に、守り続けている匠がいます。表具師、前川八十治さんです。表具とは、書画などの作品に、布や紙を糊で貼って、巻物や掛け軸、屏風などに仕立て上げる職人の技です。「何するにしても糊が基本ですから。やっぱり宝物でしょうね。とにかく掛け軸にしても何するにしても糊が基本ですからね。」「生き物ですよ。やっぱり夏場の糊の加減と冬場の糊の加減が紙によって違ってきますよね。お天気しだいですし、体で感じてる事ですから、知らないうちに身に付いちゃってることなんです。」
この道55年、自然と息を止め、紙を寸分の狂い無く置きます。場所によって紙や糊の量を変え、巻いても折れないように厚みのバランスを整えていきます。表具は、表に見えない裏の仕事。前川さんが、どれだけ手間をかけたか、表からはわかりません。
蜘蛛の巣をデザインした掛け軸には、蜘蛛の糸、一本一本にまで紙の裏打ちを、丁寧に施しました。丹念に裏打ちを重ねることで、半永久に保たれる掛け軸が完成するのです。「みんな隠れちゃうんですよ。だから幾らでも手を抜けます。でもやっぱり何年後のことわかってきますでしょ。性分として、やっぱり最低限度の良心的な仕事がしたいと思いますもんね。」
「要は自分が客になった立場でものを頼む。その気持ちですね。あくまでも脇役で、いかに主役をひき立てるかというのが自分達の仕事ですよね。」






