匠の肖像 匠の肖像

#47 鞄職人 秋山哲男(あきやま・てつお)

#47 鞄職人 秋山哲男

2007/2/24放送

秋山哲男 プロフィール

1954年 大阪生まれ
24歳で鞄職人の道へ


「常にベストを目指して進む」

大阪心斎橋にある手作り鞄の店、馬場万。創業100年を超える老舗の鞄は、棟方志功や内村鑑三など多くの人に愛用されてきました。
今回の匠は、この店の三代目、鞄職人の秋山哲男さん。秋山さんは会社勤めの後、24歳でこの道に入りました。「僕ねえ、継ごうと思って会社辞めたんと違って、戻ってきてるんですけどね。僕はこれを作ってるからというより、これを作ってる事によって色んな人に会えるから。元々は人に会ったり、楽しいことが好きで、職業選んでた人間なんで。」

創業以来、手作りにこだわり続ける鞄は、機械を一切使わず、全て手縫いで作られてきました。そんな鞄の、縫い目を開ける時に使う道具、目打ちは、先代の父親から受け継いだもの。縫い目が裂けないようにするために、匠は刃先を、丸みを帯びるように削りました。ブリーフケースのグリップ部分は、一番手間がかかる作業です。厚さおよそ3ミリの革を4枚も重ね合わせ、持ちやすくするために、さらに皮を重ねて作り上げます。

「鞄は、小さなものでも、その人にとっての夢や希望や諸々のものが全部入っているわけですよ、生活全てがね。だからそれに見合ったものを作りたいなって。」味わいのある鞄は、作り手と使い手の両者によって、作られるといいます。使い手とともに風合いを変え、世界でたった一つの鞄となるのです。「昨日の自分より今日の方が、たとえコンマ1ミリでも何か技術が進むようにとは心がけてます。その時点では自分ではベストなものを渡すけど、もう明日になったらそれがベストじゃないように進むのが職人ていうね。」

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