匠の肖像 匠の肖像

#48 一刀彫 荒木義人(あらき・よしんど)

#48 一刀彫 荒木義人

2007/3/3放送

荒木義人 プロフィール

1955年 大阪生まれ
彫刻家 竹林薫に師事


「自分自身をしっかり生きる」

女の子の健やかな成長を祈る雛祭り。この愛らしい雛人形は、木彫。奈良の一刀彫という技法で作られています。今回の匠は、この雛人形の作者、荒木義人さん。平安時代から続く奈良の伝統を今に受け継いでいます。「細かく細かく彫っていくと、綺麗にはなっていくんですけども、最初の荒彫りでとった力強さも欠けてくるし、面白さもちょっと欠けてくる。一刀彫の場合は、木の中から自分の作りたいものがワーッと出てくる時の力強さとか感動的なものを、しっかり残そうと言うか。なんというか魅力のある手法だと思います」

奈良一刀彫に、より一層の躍動感を与えるのは、緻密で繊細な彩色の技術。特に人形は、目が命。「顔の眼を描く時だけは、ちょっと苛つくと自分の方が出来ませんので、子供が小さい頃は、顔を描く三日間かそこらは子供連れて実家にでも行っといてという感じで。そんな風にして描いてました」

匠が振るう木槌。人形の鼓動となって響きます。「作品は、やっぱりどこまでいっても自分が作ったものですから、その作品の向こう側に作っている人間を見る訳ですよね。ここはどんな気持ちで仕事をしたのかな、とか。その辺を、後々にですね、そう思ってもらえるような作品を残せたらなぁというか。作り手としてのものが絶対に出て行くと思いますので。やっぱり自分自身をちゃんと生きていくというか。そこが大事なとこかな」

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