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#58太鼓師 坂本敏夫(さかもと・としお)

#58 太鼓師 坂本敏夫

2007/5/11放送

坂本敏夫プロフィール

1938年 茨城生まれ
中学卒業後 太鼓作りの道へ


「いつも 「音」を探している」

太鼓の音と共に作業場に広がる緊張感が広がります。半世紀に渡って、太鼓の皮張りにこだわり続けてきた、太鼓師・坂本敏夫さん。5月には、三社祭で賑わう浅草。その老舗の技を受け継ぐ匠です。「太鼓の音っていうのは本当に腹から響いてくる。それがとても好きになって。あー自分は太鼓で骨を埋めようっていう感覚。」

理想の音作りには、皮を見抜く目が求められます。例えば、乾いた部分や薄い皮は、甲高く響きやすい。まばらな皮の表情を探るのです。
「もう見た瞬間と、手のひらの感触とで。よし、この皮にかけてみようという気持ち」

皮張りは、慎重かつ大胆な作業です。皮の状態を常に見張り、張り具合に併せて伸ばす方法を使い分けて行きます。水分を伸び易くしては、また締め、徐々に皮を落ち着かせて行く。鼓膜に届く振動と、思い描く音が重なるまで、この繰り返しは終わりません。「もう手探りですよ。なかなか自分で気にいった音が見つからないのが事実だね。幾つになっても修行ですよ」

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