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#62 洋傘職人 樋口完(ひぐち・かん)

#62 洋傘職人 樋口完

2007/6/8放送

樋口完プロフィール

1936年 東京生まれ
皇室御用達の傘作りを手がける


「プライドを持って」

洋傘は今からおよそ200年前に中国を経由して入ってきたと言われています。その後、明治時代に国産の傘が登場し、今や、生活に欠かせないものとなりました。
今回の匠は、洋傘職人、樋口完さん。戦後、中学を卒業してこの道に入り、以来55年、傘作り一筋に歩んできました。「修業時代は、新聞紙を切って、それで練習しました。糸を使わないで、そのまま縫うとミシンの跡が残るでしょ、それで修行したんですよ」

傘作りの上でもっとも大切なのが裁断作業。生地がたるまずに丸みを帯びた傘独特のかたちに仕上げるために、使用する木型には丸みが出るような工夫がほどこされています。その木型は、樋口さんの手づくりです。丸みが出るように、どのように削って調整するかは、匠の長年の経験が頼りです。

単純な、しかし正確な作業の積み重ねが、1本の美しい傘を作り上げていきます。「職人っていうのは、プライドを持たなければいけない。例えば、10本着くって、2本悪いのが出たとしますね。そのまま納めないで、やっぱり2本ははずして直してから納める。プライドを持つには、やっぱり努力しなきゃね。」

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