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#64 京うちわ職人 饗庭智之(あいば・さとし)

#64 京うちわ職人 饗庭智之

2007/6/22放送

饗庭智之プロフィール

1960年 京都生まれ
1689年創業 老舗京うちわ店の10代目


「風をおこす」

初夏の京都を涼しげに彩る「京うちわ」。およそ600年前に、朝鮮王朝から日本に伝えられました。
今回の匠は、京うちわ職人、饗庭智之さん。老舗の9代目です。「小さい時に、キャッチボールなど遊んでもらうのが、だいたい職人さん。そういうところか、次は頼むぞ、次は次はという刷り込みが出来上がっていたというのでしょうかね。何とはなしにやらんなやろうな、というところはありました。」

京うちわは、面と柄を分けて作ります。面には1ミリ四方ほどの細かい竹の骨を隙間なく仮ばり。大部分のうちわは、およそ100本の骨を使います。
50年前から、扇風機の普及にともなって作り始めたのが、目で見て涼む「すかしうちわ」。隙間を切り抜くのは、友禅の方彫り師です。「京都のひとつの良さは、その道何十年の人たちの技を競い合って集大成すること。分業体制でやっているものは、完成度が高い。」

饗庭さんは今、図案家に日本画家を迎え、空間を大胆に使った写実的なデザインのうちわを生み出しています。「すかしは親父の発案ですけど…一つずつ文化を付けていったり、訴求していって、風を受けるだけでなく風を起していく側に。その辺に少し踏み込めるようになれば、嬉しいなと思います。」

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