匠の肖像 匠の肖像

#66 彩色絵師 林美木子(はやし・みきこ)

#67 彩色絵師 林美木子

2007/7/6放送

林美木子プロフィール

1966年 京都生まれ
父は人形作家の林駒夫


「清浄な風が吹く」

平安時代から、貴族の嫁入り道具に用いられた「貝合わせ」。一対の小さな蛤の中に、源氏物語の雅な世界を描く方が、今回の匠、彩色絵師・林美木子さん。「大和絵」とよばれる、京都の美意識が産んだ伝統画法を独学で学び、きらびやかな世界を再現させています。

父親の人形作家・林駒夫さんは、娘にこんな言葉で職人の心構えを説きました。「髭を生やした鶴みたいなお爺さんの描いたような絵が描けるようになれ」…年齢とか性別を作品の中に匂わせてはいけない、というのが父の教えだったようです。「女になっていないか、平成になっていないか、そうでないと、時間を超えて普遍的に美しいものは、中々出来にくいと思う。」

いつの時代にできたか判らないくらいの出来栄えのものが、林さんの目指す作品づくり。土佐光信・光起など土佐派の先人たちが残した大和絵の華麗な世界に、たった一人で挑み続けている林さん。「貝合わせを見た時に、貝に絵が描いてあると思うか、貝の向こうに、あの世界があるって見えるのか。絵を見た時に、清浄な風がその人の中に吹くかどうか…そういう仕事をしていきたい。」

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