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#97   写真化学修復師 村林孝夫(むらばやし・たかお)

今回の匠:写真

2008/2/8放送

村林孝夫 プロフィール
1949年 東京生まれ
小学生の頃より 写真家の父の手伝いをする


「 どれも世界で 一枚の写真 」

昔なつかしい白黒写真。色あせたセピア色が、鮮やかなコントラストで蘇ります…。
今回の匠は、写真化学修復師・村林孝夫さん。扱うのは、銀塩写真。用紙の表面にゼラチン液に溶いた銀化合物を塗った、白黒写真の一種です。その寿命は平均しておよそ50年。
「写真は、化学反応で画像を出していますので、化学反応で元に戻すのが、正解じゃないかなと思ったんです。」
村林さんは、10年かけて、独学で修復法を開発しました。



汚れを取り除いたあと、いったん漂白。画像が消えていきます。光をあて、写真を現像液に入れると、その後、ゆっくりと画像が浮かび上がってきます。
「修復の考え方というのは、写真ができてすぐからあったんですけれど、やっぱりうまくいかなかった。それは写真というものに対する愛情が不足してると、僕は思いました。」


村林さんが修復を始めたきっかけは、広告写真の先駆者である父の言葉でした。
「自分の一番好きだった作品を、なんとか、もとに戻してくれないかなって。お前なら出来ると思うんだ、って。それが最後の一言だったものですから。昔の写真がね、二度と見られなくなっちゃう、それが当たり前だって、写真の世界では言われていたんですけれど。
お父さんお母さんの写真が、これ一枚しかないんで直してくださいって。やっぱり、それは、その人にとっては愛情を持ってる写真、世界で一枚の写真ですから。」


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