昭和40年。国方千世子(原田美枝子)は、かつて父・梅屋庄吉(柳葉敏郎)の秘書だった佐々木(篠井英介)の元を訪ねる。映画界の風雲児と呼ばれ、日本で初めて大手映画会社を創設した梅屋庄吉。しかし庄吉にはもうひとつの知られざる顔があった。“一切口外してはならず” 庄吉は遺言で、そのことを公にしないよう命じていた。しかし佐々木は、庄吉と、生涯にわたって庄吉を支え続けた妻・トク(夏川結衣)の歩んだ道のりを世に伝えてほしいと、ある木箱を千世子に手渡す。そこには千世子も知らない、夫婦の秘められた人生が詰まっていた・・・。
梅屋庄吉が生まれたのは明治元年。長崎の貿易商・梅屋商店の跡取り息子だったが、破天荒な性格ゆえに25歳の頃家を飛び出したまま行方知れずになっていた。
そんな放蕩息子に愛想を尽かした父・吉五郎(吉澤健)は、明治27年、壱岐で生まれ育ったトクを跡取りとして養女に迎え入れるが、その2年後、庄吉は香港からひょっこり帰宅する。そんな庄吉に吉五郎は自分が死ぬ前にトクと結婚して欲しいと頼み、出会ったばかりの二人は夫婦となる。
しかし、まもなく吉五郎は亡くなり、葬儀の直後、庄吉は再び一人で香港に旅立ってしまう。
庄吉が香港で立ち上げた写真館は、自らが立案したサービスが受け大繁盛していた。そんな明治28年、医学博士・ジェームスカントリーの紹介で、庄吉は孫文(奥田達士)と運命の出会いを果たす。二人はすぐに意気投合。清朝の皇帝支配により苦しい生活を強いられている民衆のために、革命に情熱を傾ける孫文は、庄吉に支援を願い出る。孫文の思いに触れた庄吉はそれに応じ、資金援助を開始。孫文はすぐに兵を挙げるが幾度となく失敗する。しかし、庄吉はその後も資金を送り続ける・・・。
一方、日本で9年間も待たされ続けたトクは、明治36年のある日、とうとう香港に押し掛ける。香港で、庄吉が引き取った身寄りのない3人の子供たちとともに暮らし始めたトクは、庄吉が孫文を支援していることを知る。その理由を尋ねたトクに、庄吉は「同仁」という言葉が書かれた紙を差し出す。同仁、それは、わけへだてなく広く平等に愛すること。庄吉の思いを受け止めたトクは、庄吉の秘密の支援活動を支えていくことを決意する。
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- 2014年2月26日(水) 夜9時~